知識ゼロからのワイン入門

知識ゼロからのワイン入門

知識ゼロからのワイン入門

 私は日本酒が好きで、まぁそれほど語れるほどではないのですがどんな種類があって自分はその中でどんなものが好きかは判るくらいにはなっています。基本的に飲食物に関してはストライクゾーンが比較的広めなので、幸せにおいしい日本酒を味わっています。
 そんな楽しみの幅をそろそろもう少し広げたいなぁと思って今年はワインについて少しは判るようになることを目標としました。昨年後半に改めて赤と白とを飲み比べてみたところ、どうも赤は苦みというか渋みというかがあまり好きではなく、やはり(今まで自分が感じていたとおり)自分は白いものが好きなのだなと認識した次第です。
 ということでいくつかの書評を参考にして手にしてみたのがこの本。2ページ見開きでひとつのトピックを扱う形式は読みやすい。ただし著者のワインへの愛のあまり「ワインは日本酒なんかとは格が違うのさ」とか「栓を抜いて2,3日経ったワインは呑めたもんじゃないから料理にでも使っちまいな」と言わんばかりの主張には、このようにワインを語る人間にはなりたくないなという思いと、ワイン好きになるためにはこのような感性が必要だというのならワイン好きの仲間入りしたうないなという思いが半々でした。それぞれいいじゃん、広いストライクゾーンで楽しんで気取りもせず呑めたらいいじゃん、と思うのであります。


 そんなやや不快な部分を割り引いても、本書は非常によく私の知りたいことがまとまっていました。ワインはどんな国で作られているのか、特にフランスではどんな地域があってどんな差があるのか。そもそも原料のぶどうっていろいろな種類があるの? 古いワインが驚くほど高いけどなんで?ワインはみんな古い方がいいの? ラベルって色々書かれているけどどこ見たらいいのよ? 味の表現方法(苦い,渋い,辛いなど)はどんなのがあるんだろう。そういった問いにことごとく本書は答えてくれました。 生産地の地図などコピーして自分のノートに整理しておきたくなるような情報も満載。
 ある程度自分の価値観で上手に本に接することができる人には、サインの知識の入門として本書は強い味方となってくれるものと思います。ちょっと書き口は性に合わないけれども同著者の「フランスワイン」の本も近いうちに購入して読んでみたいと思いました。

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