コフート心理学入門

 知人が「コフート(Kohut)」という心理学者の本を薦めてくれたので読んでみた。いや、別に彼女は「勧めた」わけではないのかもしれないけれども、私は興味を持ってしまったのでした。 コフートの三部作「自己の分析」「自己の修復」「自己の治癒」はそれぞれ7,000円もするのでイキナリは手が出せず、まずは「入門」と書かれている本書を手に取ってみることにした。


 コフートは「フロイト後」の時代に活躍した心理学者で、「自己愛」「依存」「共感」を軸に研究を進めていた。それ以前の業界(?)では自立した人間であるためにはこれらの(特に「依存」などは)否定的な見方をされていたので、この点がコフートを特徴づけるものとされているようだ。
 以前この日記でも書いた、カウンセラーの東山さんの本の中にも頻繁に「ロジャーズ研究所」の名が出てきており、本書でもロジャーズが「共感」を大切にしていたことが紹介されていうことで、まだ私にはわからない「なにか」が一本つながっているのを垣間見ることができて嬉しく思った。(ちなみに本書で紹介されているロジャーズの3つの中核は「治療者の純粋性」「受容」「共感」)


 まだまだ入り口に立っただけではあるが「自己愛パーソナリティ障害」という用語と考え方は、今後様々なシチュエーションに於いて考察を行う際に役に立ってくれるシーンがありそうだと直感した。
 同じく和田氏の本でコフートについて書かれたもう一冊の本を現在読んでいるところなので、後日紹介したい。


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