〈自己愛〉の構造

<自己愛>の構造 (講談社選書メチエ)

<自己愛>の構造 (講談社選書メチエ)

 先日読んだコフート入門(http://d.hatena.ne.jp/sakaik/20090415/p1)の次に読んでみた本。時代としては本書が先に書かれてその後、よりわかりやすく一般の層に届けるためにか前出の「入門」を書いたという順序ですが。
 本書の読後でも依然として解ったような解らないようなふわふわした感覚ではありますが、前書で私の中に漠然とできた「イメージ」が本書を読むことでより強化されたようには感じます。 「入門」では紙幅の都合もあってかさっくり流されていた部分についてより詳細に述べられている部分も多かったように思います。


 最終章ではここまで述べた考え方を元にして「日本人の病理」について分析しています。本書は1999年の刊行ですがここで述べられていることは現在でもほとんど変わっていないと納得させられました。
 「自己愛憤怒」。かなり便利な概念だと琴線に触れました。 突然不機嫌になる人、スネてしまう人。そういった根源にこの自己愛憤怒が存在していると考えると、必要な理解も進むし対応策を練る端緒にもなりそうです。 これから先またしばらく、コフート的な視点で物事を見てみようかな、と思いました。


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