ツール・ド・フランス2009 第17ステージ

 もう大詰めですね。今年も夢中で追ってきたツール・ド・フランス。いつの間にか17ステージ。残すところはこの17ステージと明日の ITT, もう1ステージ挟んでモンバントゥ、そしてシャンゼリゼ。特に今年は大きな動きのないまま、早かったなぁ〜。


 第17ステージは 11S2S11G という厳しいコース。特に最後の2つの1級山岳は「合わせ超級」と言われる厳しさ。
 このような、総合陣も本格的に仕掛けてくると予想されたステージの中で、とにかく最大のニュースは、ケニー・ファンヒュメルのリタイア。下りを急いだ際に落車したらしい。 ケニーはランスにも認められる「スーパーマン」な選手で、山岳ステージでは毎日毎日ただ一人で遅れて登り、そして一人でゴールし続けていました。総合順位も当然、ランタン・ルージュ。 その諦めない姿勢に、今年のツール期間中には世界中にファンを増やしたようです。
 私も、よーへに・うたろびっち と並んで応援していた選手の一人でした。 とにかくショック・・・・
「頑張って登ってそれでもタイムアウトでした残念」というのがケニーらしいと思っていたのに落車でのリタイアというのが。。。  まぁ気持ちが萎えて登れなくなってやめるわけではなかったので、今後もケニーはファンを増やしていくことでしょう。 数年後に「あのケニーがみんなと一緒に山を登ってる!」と感動される姿が目に浮かびます。
 ケニーのケニーらしいところは、病院に搬送されたにもかかわらず今朝は、もりもりとチキンを食べていたとのフミ情報(チームメイトです)。 可能であればチームカーに乗って最後までチームに同行してほしいですね。 金曜日にはフミの最後のアタックのチャンスの日も迎えることですし。


 代わってランタン・ルージュになったのは、よーへに・うたろびっち。fdj のベラルーシの選手です。 頑張れ、よーへに! シャンゼリゼでのスプリントに期待しています。



 で・・・前置きはこれくらいにしてレース展開のほうを。


 前半から、マイヨベールのハスホフトが逃げを確定。一緒に逃げていた選手のメカトラでその後は延々一人逃げが続きます。 2つめの1級山岳と2級山岳をトップで通過。マイヨベールが山岳をひとりで先頭で登っているのは、不思議だけれども気持ちよい風景でした。 
 2つのスプリントポイントを一位通過して12ポイントを加えたあとは、ペースダウンしてゴールまでマイペースで。一瞬、後から来たサストレを引くような動きを見せたけど、もうへろへろでしたね。 


 総合陣は後半サクソバンクが強烈な引き。最後の2つの1級では結局先頭はアンディ&フランク、コンタドールクレーデン の4人になってしまいました。 アスタナ、サクソバンクともに2人ずつなのに、4人全員ジャージが違う(笑)。 (アンディ=マイヨブラン、コンタ=マイヨジョーヌ、あとの2人はサクソとアスタナのチームジャージ)


 最後の山頂近くでコンタドールがアタックをかけると、、、遅れたのはクレーデン! なんと!! チームメートをちぎっちゃったアタックはすぐに収束。 だけどクレーデンはもう追いつけず。 一説によるとハンガーノックの可能性もあったとか。
 結局サクソの兄弟とマイヨジョーヌの計3人でそのままゴールへ。 コンタは当然ずっと付き位置。フランクがしきりに「ゴール、くれるよな?」とでも言うように振り返ってコンタに話しかけるが、コンタは軽くいなしている感じ。いいなー。
 ゴールは フランク、コンタ、アンディ の順。 一応ハンドルを投げてみるフリをするなど、コンタも気をつかった様子(笑)。 そのコンタを挟んで兄弟、バンザイ。


 一方の後続。4人の逃げが決まった時にランスはウィギンスの監視役。 とにかくウィギンスと彼のチームメイトに引かせます。行きたかっただろうな〜。 最後の山岳の最後になり先頭との差が1分半を超えた頃、ようやくランスがアタック。ウィギンスを置いていきます。下りで(ウィギンスグループに一緒に居た)下りの得意なニバリが合流、ランスに 「やい!引けよ!」と言わんばかりのゼスチャーをして、色んな意味で波紋を呼びそう(笑)。本人のコメントが聞きたい。 
 結局この2人は、先頭から +2:18 遅れでゴール。 クレーデンはさらに9秒うしろ。


 コンタドールマイヨジョーヌは動かなかったものの、2,3位にアンディ&フランクのシュレク兄弟が入り、ランス4位(フランクから30秒後ろ)、5位クレーデン(さらに49秒後ろ)、6位ウィギンス(さらに9秒後ろ)となりました。 ウィギンスこれで表彰台圏外でしょうねぇ。残念。


 明日(というか今日)は ITT。池の周りを一周するコースで後半に3級山岳もあります。
ここでのランスが(30秒前にいるフランクは抜くでしょうが)アンディに1分半以上差をつけるかどうか(つまり2位奪還なるか)が注目です。