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プルシェンコ敗北

 便宜上この日付の日記に書いていますが実際はさらに数日後に書いています。
あまりのショックに呆然としました。


 バンクーバー五輪フィギュアスケートには「プルシェンコ・シングル」という種目と「男子シングル」という種目があって、男子シングルには銀メダルと銅メダルだけがある、なんて軽口をずっと叩いていました。 それだけジャンプの安定感は抜群だったし最高のコンディションで全てのエレメントにトップクラスのワザを入れてくれば(いつものようにトランジションで手を抜いたとしても)当然ダントツのトップだろうと思っていました。


 ショートプログラムは予定通りトップ。ちょっと予想と違ったのはライザチェクとタカハシダイスケ(通称デースケ)もぴたりと付ける92点台を出してきたこと。
 とは言え、エレメント数の多いロングでは一層差がつきやすいので、予定通り圧倒的な勝利をおさめるだろうと思っていました。


 ロングの行われる金曜には デブサミに出かけていたので生では見られず。twitterをチラチラ見ていると日本中で同時にたくさんの人の靴ひもが切れた(ように見えた)という大事件が起こりなんだろうと思っていました(^^;)。
 お昼を大きく回った頃、ブースにフィギュア好きの知人がニヤニヤしながらやってきて私を指さしながら「プルシェンコ、どーしちゃったんですか!」と。その様子から圧勝にはならなかったらしいことは読み取りました。「もしかしてジャンプ失敗とかして僅差(でプルの勝利)だったんですか?」と、まだプルが負けることはあり得ないと思っている私。 「ライザチェクですよ!」と彼。
 私呆然。 その時点で予想していたのはプルがジャンプ2コケでライザチェクが4回転を2回決めた、、というシナリオでしたが・・・・。


 家に帰ってからも録画を見る気力が起こらず、スコアを確認することもなく2日ほどを過ごし、ようやく録画を見ました。丁寧に前から順に(笑)。
 コヅカ。4回転決めた!!!!! うゎぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!! ついにクアドログループ入りですね。これはすごい。 でもトリプルアクセルでバランス崩すなど全体としては冴えない部分も見られました。最後に片膝着いて顔を挙げるシーンでは今回も「あーもうっ!!」と言うかなと注目していたら、上を指差して苦笑。 最後の音が鳴らなかったようで、まぁ終了後ではありますが良い意味で緊張が解けたのではないでしょうか。 よくよく聴いてみると最後のスピンでの観客の歓声があまりに大きくて聞き取れなかっただけでは?という気がしないでもないのですが(もともとどんな音が鳴るはずだったか覚えていないので。。)。
 オダ。 直前のライザチェクのスーパー歓声に推されたのか出てきたときから顔面蒼白。ちょっと待って!!今からやるのチャプリンでしょ!? 冴えない演技のまま修了。演技中ずっと心ここにあらずという印象を受けました。多くの国際大会を体験しているはずのオダでさえ緊張してしまう五輪って一体ナニモノなのでしょう。「五輪には魔物が棲んでいる」と言う言葉を久々に思い出しました。その魔物、血の気を退かせるだけでは飽きたらず靴紐までも切るなんて。。 いかにここが大舞台なのかがずしんと伝わってきました。
 デースケ。4回転失敗。キレのあるステップ。終了後、彼らしくない派手なアクションでのガッツポーズ。ここに至るまでのプレッシャーの大きさを感じました。あんなにほっとした/嬉しそうな/何度もガッツポーズをするデースケは初めて見た気がします。
 そしてプル。 ジャンプ着地で少しヨレた部分があるけれども前々回の五輪で転倒して以来(たぶん)試合で一度も転倒していない実績どおり、なんとか流れのまま降りてきました。相変わらずスピンは遅いけど、トランジションやスピン中の動作、ステップでも、ヨロ選の時よりもさらに色々入れてきている印象を受けました。特に悪くもなさそう。
 でも終了後の彼の表情には、すでに判っている様子が顕れていました。おそらく点数計算しながら演技しているでしょうからこの時点で、足りないかも、と思っていたのでしょうね。結果は2位。う〜ん。やはり天地がひっくり返った気分です。。



 競技終了後のNHKのスタジオに切り替わってからのアナウンサーの言葉が、これまたいいんだ。
「4回転を飛んで2位になったプルシェンコ。4回転を飛ばずに金メダルとなったライザチェク。4回転に挑んで失敗して3位になった高橋。 4回転が勝負の鍵となりました」
 ・・・・・速攻で家族みんなで「鍵になってないよ!それ!」とツッコんでしまいました。ほんとに全然鍵になってない(^^;; 面白いこと言うなぁ、NHK。用意していたスクリプトをそのまま適用したのでしょうね。内容見てよ(^^;


 それにしてもプルシェンコのその後の言動はいただけませんねぇ。インタビューで退席したとかそのあたりは見ていませんが、表彰式でわざわざ1位の台を踏みつけてから2位のところに移動したというシーン。 もう応援するのをやめようかと思いましたよ。あれはひどい。




 「4回転を飛ばずに王者と言えるか」論争が起こっているようなので、私の思いも書いておきます。


 ライザチェクは「バンクーバー五輪の優勝者」であり「金メダリスト」でしょう。これに異論を挟む人はいないと思います。これは定まったルールに従ってポイントを積み重ねた結果の事実です。競技を開始した時点でルールに合意している(合意できないならゲームに参加してはいけない)のですから、終わってからそのルールそのものに対して意義を唱えるのはあってはならないことだと思います。


 一方でライザチェクを「王者」と思うか、に対しては私は「No」です。氷に吸い付くようなコヅカ、迫力あるステップのデースケ、ジャンプの確実なプル、というウリを私はまだライザチェクについて強い印象を受けたことがありません。全体のプログラムが美しいわけでもない。少しずつ高い点のエレメントを積み重ねて「優勝」した人だと思っています。
 自転車でたとえて言えば、オスカル・ペレイロとか、カルロス・サストレとか。ツール・ド・フランスで優勝はしたけど、王者にはほど遠い。今回のケースにとてもよく似ていると思いました。



 そんな感じで、グランプリシリーズなどでデースケの優勝を何度も見ている感覚から「えー。3位ぃ〜?」と思ってしまったのですが、ホンダ(通称テケシ)が出た時が4位。歴史的なメダルだったのですね。おめでとう!!


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