きょうMySQLユーザ会20周年イベントをやっているはずだった

 2020年、日本MySQLユーザ会(MyNA)は設立20年を迎えます。15周年の時にはコロプラさんに全面的にご支援いただいて、記念イベントを開催しました。コロプラさん、その節はどうもありがとうございました。このご恩は5年経っても、たぶん10年経っても忘れません!
 20年目もまた、区切りの年でもあるので、記念にパーティを開催しようと昨年後半より企画を進めておりました。今日3月4日の18時半からです。ご承知のとおり、新型コロナウィルス(COVID-19)の感染拡大防止のため、本日の開催はとりやめ、延期することを発表しました。このイベントの開催責任者でもあり、中心となって企画を進めてきた立場から、今回の判断に至る経緯や思いなどを記録として残したいと思います。今後の何かに役に経つかもしれないし。

MyNA 20周年パーティの企画

 私の中では2019年になってすぐの頃から、そわそわしていたのですが、具体的に動き始めたのは昨年の後半。会場提供+スポンサーのお願いをし、日程を3月に設定し、こまごまと動き始めていました。 各種イベントなどで「3月4日にやります!」と広報をし、参加申込み受付を「開催の3週間ほど前に開始」とアナウンスしていました。100人程度の参加者を想定。セミナー+立食パーティの形式。

参加受付開始時に・・・

 リアルタイムで情報を得ていた方はご存じだと思いますが、MyNAは、他の多くのイベントが中止を発表するよりも早いタイミングで、3月の中止を発表しました。これは、当主催者の判断能力が非常に高かった、、、というわけではなく、判断をするべきタイミングがたまたま、良いタイミングに当たったというだけのことでした。
 2月12日。イベント開催の3週間前なので、参加受付を開始する時期です。Connpassページを作り、もう少し仕上げれば公開できりる、というところまで来ていました。しかしその頃世間では、新型コロナの猛威が広がりつつありました。バルセロナで開催予定だったMWCの中止が発表されたところで、ふと「このまま開催して良いのだろうか/開催できるだろうか」との思いが私の中に芽生えます。一晩の熟考(大半の時間は夢の中)を経て、目が覚めたときには私の心は「大きな反対がなければ延期」に傾いていました。
 幸い、スポンサー様からも「うちは問題ないので、そちらの判断で」と言っていただき、関係者への連絡の後、延期の発表となった次第。

判断の材料になったもの

 今回、「参加受付を開始する直前」という、ちょうど良い判断のタイミングがあったため、ここで延期の決定をすることができました。でも、受付を開始してしまう、という判断をすることもできわけです。ここで考えた材料は以下のようなものでした。

  • 受付を開始した後に中止を決定した場合 → 申込みをしてくれた人への中止の周知がたいへん →開催日が近くなればばるほど行き渡らないリスク
  • これから3週間内に中止の判断をする可能性はあるか → 十分にありそうな雰囲気
  • 新コロ騒ぎは、現在どのステージか → 接線の傾きがプラス、の印象。2,3週間待てば落ち着くと判断するに足る情報がなにひとつない
  • それでも開催した場合 → おとなしく椅子に座るセミナーならありかもしれない。でも立ち歩いて飲食して語り合う時間を多く取るイベント。リスク高し。

ステークホルダー

 当然ながら勝手に「やめることにしたんで」というわけにはいきません。当イベントは、他の大きなイベントに比べれば非常にコンパクトなものですが、それでも、判断から延期の周知とご理解のお願いまで、半日がかりでした(日中ほぼ使った、というのは半日じゃなくて一日と言うのか?)。
 今回の主なステークホルダは、次のようなものでした。スポンサー様には「相談」、それ以外の方には「連絡とご理解のお願い」です。

  • スポンサー担当者:社内の調整等にお手間をかけていただいているので、中止したときに社としてあるいは社内での関係としてご迷惑をおかけすることはないかとお伺い。幸い、情勢を理解していただき先述のとおりの言葉をいただいた
  • 運営メンバー:中止に至る意思決定の過程から情報共有しているので、OK
  • 講演者:講演をお願いし、または希望して名乗り出ていただき、何らかの準備を進めていた可能性あり、その点についてのお詫び
  • 支援者:イベント告知等の機会をくださったり、必要あれば手伝うよと言ってくださった方など。経緯と延期の連絡
  • 参加予定社:今までのイベント告知を見て手帳に書き入れてくださったり、楽しみにしてくれた方。こちらについては特に個別の対応はせずに、全体に向けた延期アナウンスで。

 おおむねこの程度の規模なので、速やかな延期決定ができたとも言えます。返金対応だったり、複数のスポンサー企業だったり、有料会場を押さえてしまっていたりなど、もっと大変なイベント中止の数々をオンラインで拝見していて、運営の皆さんの判断に畏敬の念をいだいております。

心ない言葉

 その後の、多くのイベントの中止発表が相次ぐ中で「同調圧力で中止」という心ない言葉を目にする機会が増えました。自分に向けられた言葉でないにせよ、非常に胸が痛みました。 イベントの種類にも依りますが、私が目にした範囲で、この言葉が投げつけられたイベントの多くは、「みんながやめてるから/やめろーみたいな圧力がつらいから、やーめた!」なんて言えるほど軽いものではありません。運営の皆さんは、中止することにより発生する多くの手間を受け入れ、まさに苦渋の決断をされたものと思います。 イベントに最も近いとことで準備を進めてきて、たぶん最もイベントを楽しみにしていたであろう人に向けてのこの言葉は、目にするのも辛かったです。

結果は

 そして本日3月4日。疑いの余地なく「本日中止」の判断は正解だったと言えるでしょう。私の判断ミスを「早々に延期を決めちゃったけど、全然開催できたじゃーん。神経質すぎたよねー、ははは」と言って笑っていられるくらいのほうが嬉しかったです。感染の爆発的な広がりを抑止し、対処方法が確立され、騒ぎが収束する日が早く来ることを願っています。



 以上、まとまっていませんが、心の中のもやもやの一部を吐きだしておきたく、文章化してみました。