部下は〜取り替えろ!!

部下は育てるな!  取り替えろ! !   Try Not to Develop Your Staff (光文社ペーパーバックス)
部下は育てるな! 取り替えろ! ! Try Not to Develop Your Staff (光文社ペーパーバックス)

「部下は育てるな!取り替えろ!!」(長野慶太氏著)を読んだ。普段こういったタイトルの「煽り系本」は読まないのだが、なにか牽かれるものがあったのだろう。自分でも珍しいと思う。
 手に取った第一印象は「軽い」。洋書のペーパーバック版みたいな(という表現で合ってるのかな)軽さでした。「光文社ペーパーバックスBusinessは(略) (1)カバーとオビがありません (略) (2)本文の紙は再生紙を使っています (後略)」 ・・・とのこと。なるほど。コンテンツに重点を置いて無駄を省くと言うことらしい。なるほど、この内容で952円+税という価格に説得力があった。1200円、または1600円取っても不思議ではない本だと感じた。
 実際に本を開いてみての第一印象は「軽快」。 重量も軽ければ内容も軽い(うすっぺら)などというつもりは毛頭なく、コンピュータ関係書籍では昔有名だった、通称「256本」のような軽快さ。 ところどころキャッチーなセンテンスを大きなフォントにしてみたり。


 この本、タイトルがタイトルなだけに、嫌な気分になりながら読むことを覚悟していたのだが、意外なことに不愉快どころか心地よい気分で読み進められた。筆者が主張するのは飽くまでも唯一の正解ではなく「選択肢のひとつ」であるのだが、それを敢えて言い切り調で演出することで、おそらくこの本のターゲットとなっている多くの人の信頼を勝ち取っているのだろうと推測する。
 やる気のない人や能力を発揮できる分野が今いるところではない人を育てようなんて、無駄以外の何物でもない。努力によって誰も幸せにならない。しかし「誤った建前」に従って無駄を継続することに対し、この本は厳しい指摘をしている。タイトルで読まず嫌いをせずに、知人何人かには一読をお勧めしたいと思った本。


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