- 作者: ポール・デイヴィス,吉田三知世
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2008/02/21
- メディア: 単行本
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現在我々がいる宇宙というものは、各種物理法則やそのパラメータなどが生命が発生し存在し続けるためには非常に幸運な値になっている、まるで八百長のようでさえある、というのがこの本の中心となるテーマである。 あと少しパラメータが異なったら炭素がこんなに産まれなかっただろうし、あと少しタイミングが違っていれば生命は産まれなかっただろう、という具合である。
やわらかな印象を受けるタイトルに反して、読むのには時間がかかりました。約450ページ、小さめの字。所によってはかなり難解な物理法則の説明(弦理論とかグースのインフレーション理論とか)もあり。 「時間は徐々に空間のような性質を帯びていく」・・・・????なんじゃこりゃ。。という感じ。ハートルとホーキングあたりを追うと少しは理解できるらしい。。
章を進めると、多宇宙論が出てきて、もうこのあたりで私の想像力の規模の限界を超えています。さらに多宇宙は無限に存在する宇宙であるからその中には超高度に技術を発展させるものが必ず存在するはず(無限なのだから存在しないものはないはず)なので、それらが実験として(人工的に、、という言い方が正確かわからないが)宇宙を作ることもできる。我々が今存在していると感じているこの世界は彼らによって作られたシミュレーションである可能性まであるというのだ。 ちょっと不快だったな、考えるのが(^-^;)。
まぁそんな感じで難解でありながらも、普段思いもしなかった発想にたくさん触れることができて、読んでいる間じゅう私のノーミソは興奮状態だった。直接的に何か読後に得た「ポイント」があるわけではないが、何か視野が広がった気がしないでもない。 それ以上に「おもしろかった」というのが私にとっては何よりもの収穫である。
最後になるが、
本書に出てきた「ゴルディロックスのくま」のお話〜これは八百長的に生命に「ちょうどよい」値に保たれていることをあらわして「ゴルディロックス的」と言われているのであるが〜。 これは日本では「3びきのくま」として知られている本である。ちょうどよい大きさのベッド、椅子、スープ。ちょうどいい温度のスープ。 この本にでてくる、熊さんの家に入り込んでしまう女の子の名前が(原書では)ゴルスティックスというのだそうだ。 日本の本では おんなのこ だったり、きんきらこ だったり、きんいろまきげちゃん(!)だったりする。 私が持っている本では「きんきらこ」ちゃんである。 これが一番有名な訳ではなかろうか。参考までに紹介しておく。
- 作者: トルストイ,バスネツォフ,おがさわらとよき
- 出版社/メーカー: 福音館書店
- 発売日: 1962/05/01
- メディア: 大型本
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