人材を逃さない見抜く面接質問50

人材を逃さない 見抜く面接質問50

人材を逃さない 見抜く面接質問50

 日常の仕事の中で私は、比較的多くの人と出会いそしてお互いの良いところを引き出すようなシーンに遭遇します。しかしウチの会社の規模では実際に採用のための面接を行うことは残念ながらないので、いったい仕事として(つまりプロとして)面接を行っている人はどのような着想に基づき質問を行っているのかに興味があり、本書を手にしました。


 しかしこれまた残念なことに、本書は私の期待には応えてくれませんでした。50のシチュエーションに対してそれぞれ三つの選択肢が与えられ「良い順」に並べよという趣向ですが、その質問が良い質問でないことの理由の説明が非常に貧弱で説得力がないことが多いのです。表層的かつ薄っぺら。
 面接官がこの本の50のシーンを「暗記」していざ面接に挑むというのならいざしも、本質の理解にたどり着く道しるべすら与えられなかったのにはがっかりです。 賛同しかねる内容も多く、何故こんなに不自然な回答を高評価しているのか首をかしげている最中に気づいたのは、「この本は訳本である」ことでした。 いや、気づくの遅すぎますよ、自分(苦笑)。 文化差が発生するのが当然の分野に於いて本質ではなく表層的な記述のみを行っているのだから、そりゃぁ違和感があるだろう、と納得したのでした。


 敢えてこの本で繰り返し延べられていることから本質と思われる部分を挙げると
・仮定ではなく実績を聞け:〜ならどうしますか、ではなく、〜のときどうしましたか。のように。仮定はいくらでも楽しく都合の良い妄想を語ることができる。
・他人にどう言われているか、どう見られていると思うか、という質問を多用せよ:私はあまり好きじゃないなー、人がどう言おうが関係ないじゃない、とは思っているけど、本書ではかなり強く推奨の模様。


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