アムステルゴールド2009

 ともかく「The Arashiro day!」でしたね、ニッポンでは。ちょっと解説の栗村さんも興奮しすぎで見る物すべてがプラス評価になりすぎでしたが、まぁそれも氏の人柄のよさをあらわしていると思いました。 自転車に限らず解説者って選手に期待をしたときに「あれじゃだめだ」「この程度なんだな」的な事を言い続ける人と、栗村さんみたいに「いいですよ!」「ここで引くなんてすごいですよ!」と良いところを誉め続けるタイプの人がいて、私は勿論、後者のほうが人間の豊かさをいっぱい持っている素敵な人だなと思います。 いや、ちょっと肩入れしすぎてるかなとは思いましたけどね(笑)、悪い気分ではない。


 そんなわけで、放送が始まったときにはアラシロを含む6人の逃げ。淡々と溶け込んでエスケープを続けるアラシロ選手。格好良かったなぁ。「ただ集団の中でついていって(チームとしてコントロールするでもなくアタックしてみるでもなく)一緒にゴール」というのでもすごいことだ」というのが現在の日本の自転車ロード界の実際だとよく聞きますが、このように、勝利とは関係のない動きであっても見せ場を作るということの格好良さを、とてもとてもとてもとても、感じました。 興奮したなぁ。
 ただ、チーム間の駆け引きやレース全体の大局視が自転車ロードを観戦していて面白いと思っている部分なので、ニホンジン選手が出たからといってレース全体がその話題で埋め尽くされたり、ニホンジン選手のエスケープが終了したからといって「なんだツマンナイ」的な空気になってしまうと本当に全体がつまらなくなってしまうなーということだけは危惧しています。 自転車ロードを面白いと思うのって、ニホンジン選手がいなかったということも実は大きかったと思っているので、その点で実はちょっとだけ複雑な思いを持ってはいます(^^;)。 栗村さんは非常に良いバランスで解説を続けてくれているので、そういう空気で「ちょっとだけニホンジン選手には肩入れしつつ、でもレース全体を楽しむことは忘れない」観戦を今後も続けられたらなぁと思います。


 でレース自体はアラシロらが捉まった後に発生したエスケープが逃げ切り、カチューシャのイワノフが勝利。メインパックからは「いつ出るか?」「誰が出るか?」と期待されながらもそのまま淡々と集団のままで進んでしまい(栗村さんの解説では「エース級の選手らがここまでで消耗してしまったのかも」とのこと)、いつも展開の期待を裏切られるという自転車ロードの良い面(?)で最後までドキドキして観戦しました。 エース級を消耗させる大集団って、要するに前半からのロングエスケープの集団がすごすぎたってこと? とちょっとニンマリ。


 来週のリエージュ〜バストーニュ〜リエージュにはニホンジン2人が出場する予定とのことで、これはこれでまた新たな時代の始まりとしてわくわくしています。2人ともがエスケープに乗ったら面白いな〜(期待しすぎ)。


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