今年は第10回記念ということで、「ビジネスデイ」と「テックデイ」の2日間の開催でした。http://phpcon.php.gr.jp/2009/
まずはその1日目。詳しい内容は Gihyo.jp の「史上最速のレポート」http://gihyo.jp/news/report/01/phpcon2009/0001 を見ていただくことにして、ここでは私の視点で感じたあれこれを書きつづりたいと思います。
めずらしく開始から参加
だいたいこの手の、自分がスタッフをやっているわけではないイベントには、開始後にのこのこと遅れて参加することが多いのですが、10周年というスタッフの意気込みを感じたからか、珍しく開始前に会場入りしました。
会場は外苑前の日本オラクルさん。すてきな会場で「ビジネスデイ」らしい荘厳な空気さえ感じました。
鈴木さんのオープニング
トライコーンの鈴木さんのオープニングの挨拶。体格も話し方もとても落ち着いていて、「PHPの会=イカニモ技術者な人が集まっている会」のイメージとは異なり、これからビジネスデイな一日が始まるのだという期待を与えられました。さすがですね。
CMS(っぽいもの)3連発
その後、NetCommons, WordPress, ez Publish 3連発。 どれも自分ではまともに使ったことがなかったのだけど、どれも興味深いものでした。WordPress って単に日記が書けるサイトをすぐに作れる道具という印象しかなかったのだけど、意外と企業ブログへの採用や、それにあたっての(受託構築とかコンサルとかの)周辺ビジネスの拡がりを狙っているらしいということがわかって新鮮でした。 NetCommonsはいくつかの興味を持った点があったものの、講演者がいつも開発チームのメンバから「怒られている」とのことで(講演内で紹介しただけでも少なくとも3回は怒られていた)、なんか楽しくなさそうだなーという強い印象を受けました。伝え方って難しいし怖いものですね。。
WordPress は「とりあえず」動かすところまでならほんとにあっという間。講演を聴きながら+その後の少しの時間で、自分のサーバにもインストールしてみました。少し色々触ってみたいと思います。目下、新しいテーマを入れる際に「FTPの情報」を求められる問題について調査中。たぶん apache がディレクトリ内にファイルを作成でいないことに起因すると予想していますが。。。
おなかがすいて目がまわりそうだったので、次のオラクルさんの話の間に外にお昼を食べに行きました。オラクルさんごめんなさい!
GREEの田中さんの話
どんなことを考えて GREE を作り、運営し続けてきたか。何を考えてモバイルをメインにしようと決めたのか。どんなシーンでどんな人がどういう格好で使うもかをイメージしてきたことなど、ビジネスデイらしい内容でした。PHPカンファレンスなのにPHPの話が全然なかったと批判的な声もあるようですが、私はこれはある面で「PHPカンファレンスビジネスデイ」としての最高のプレゼンだったと感じました。チームをひっぱる人がこうやって一生懸命考えてサービスを提供しようとしている、その「夢」を PHP で支えることができるのだというメッセージだと捉えてはどうでしょうか。 確かにヒトコトも「PHP」という言葉は出てこなかったけれども、「技術者が記述できることだけを提供するのがサービスではない。やりたいことがあってそれを支えるのが技術だ」という当たり前の内容ながらも、それをGREEのトップの言葉として聞くことができたのは大きな体験でした。
田中さん少々滑舌が悪く、睡眠不足なのかと思った(後で聞いたら普段からあんなもんだという証言もありましたが(笑))のですが、それでも体中から「伝えたい」オーラーがほとばしるような情熱溢れるプレゼンに感動しました。
徳丸さんの「発注・要件・検収」の話
タイトルは表記の通りでしたが、発注者側の心がけに焦点をあてつつも、主にセキュリティの話でした。終了時刻を勘違いしていた(あるいはちゃんと伝えていなかった)らしく、すでに時間を10分以上オーバーしているのに「残りも少なくなってきましたので、、」などと言っては失笑を買っていました。スタッフが一生懸命「○分前」「時間です」ってカードを出しているのに、うつむいたまま話すので全然見てない(笑)。
それでも特に後半の、より詳しいセキュリティの話に入ってからは強くその内容に興味を牽かれました。時間を過ぎているから早く切り上げてよ、とハラハラして見ている「善良な市民」な自分がいる一方で、あと30分延長してでもじっくりこのまま聞かせてよ!という「本能な自分」が混在いるのが自分でも面白かった。
紹介された外部資料で興味を牽かれるものも多かったので(メモできなかった)後日発表資料が公開されるのを楽しみに待ちます(公開されるのかな)。
全体として
初めての試み「ビジネスデイ」。運営側(=講演を依頼する側)も発表側もスタンスに迷いがあったように思いますが、全体として「細かい技術話をしない」という点が忠実に守られている点で非常に良い1日になったと思います。ただやはりビジネスにはコストやリスクに関する検討は必須ですから、そういった数字についてもうちょっと触れて欲しかった気はします。 例えばCMS系の話で「こんなものも作れます」に対しては「どれくらいの期間/オカネで」できるかという話は不可分だと思うのです。
これを書きながら思ったのは、「ビジネスデイは誰に何を伝える日なのか」ということです。開発会社に依頼する会社が「PHPでの開発を依頼/PHPに強い開発会社を選定」できるようになってもらうことは期待される効果の一つではあると思いますし、また多少技術よりになりつつも「PHPで開発を行っている会社の上役の人が、PHPでの案件を効率よく運営し安全な製品を作ることができるようになるのか」のノウハウを持ち帰ってもらうのもビジネスデイに期待されていることの一つだと思います。この点をもう少し詰めると来年は一層素敵なビジネスデイになるのではないか、と思いました。
あとは、オープニングで採ったアンケートで、PHPカンファレンスに来るのは初めてだという人がかなり多かったのが印象的でした。いままでの「土曜日の自分の時間を使ってまで参加する意識の高い人」とは違う、「平日で仕事の一部として参加できるから」という合理的な層が今回参加してくれたのかな、と感じました。
ということで初日終了。スタッフのみなさん、講演者のみなさんありがとうございました。
宴の後の宴
カンファレンスに参加している人だって、まぁ夜ご飯を食べるわけで、そんなわけで宴(カンファレンス)の後の宴(アルコール)に参加させていただきました。みんな英語べらべらしゃべる人ばかりで尻込み(笑)。みんなすごいなー。 私は相変わらず聞き取りが苦手。
明日のLTでのドラ娘さんが島根県出身だと判明。何かで会話が中断しちゃったけど、もちょっとお話したかったな。またの機会に。
わいわい盛り上がりながら、終電まで30分も時間があるタイミングではやめの帰宅。
PHPカンファレンス1日目、充実の一日でした。たのしかったー。
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