世界と日本のまちがい

誰も知らない 世界と日本のまちがい 自由と国家と資本主義

誰も知らない 世界と日本のまちがい 自由と国家と資本主義

 前作「17歳のための世界と日本の見方」の感想文を書いたのが今年2月。続編となる本書も読みたいと思いつつも早くも半年以上が経ってしまいました。このたびようやく読了。


 前作よりもより近代現代に寄った時代についての話を中心にした本です。時代が近くなってくると生々しさも増大してきますから、必ずしも公平とは言えない様々な感情と共に読み進めることになるわけですが、これがなかなか悪い気分ではない体験です。
 この本は前作と同様に、世界各地で起こった事柄を横串で通観して捉えることができる本になっています。個人的に特に印象に残ったのは、黒船来航の背景となる世界情勢を大局的に捉えていたところでした。学校で習った私の印象では「鎖国してたらなんか急に黒船が来て脅されて開港させられた」という程度のものだったのですが、世界の流れからすると全然唐突でもないし、その前に中国が同じ手口で欧米列強にやられているし、日本を「ねらい打ちにした」というよりも「単に時代の流れに流された」だけということがよくわかります。


 最後の章で「苗代文化の復活」を説いています。伝えたい気持ちが先行してしまったせいか、やや唐突感はあったものの、非常に共感できる考え方でした。「苗代」。いいですね。いったん苗代で育ててから本田に植え替える。あらゆる活動に対して適用できる考え方だと思います。


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