このエントリでは、気の向くままに今回のイベントに関する思いとか反省とか裏話とかを綴ろうと思います。
2004年に開催して以来、MySQLユーザ会単独での大きなイベントを開催できずにいました。企業がMySQLに関する様々なセミナーを開催してくれるようになったので、わざわざユーザ会が手弁当で苦労して似たような「セミナー」を開催する必要性を感じていなかったからというのは大きな理由として挙げられます。
とは言え、私としては「セミナー(講演の内容自体を目的とする会)」ではなく「交流会(講演は参加者どうしの交流を促す潤滑剤または刺激剤)」をやりたいという思いは長らくありました。 MySQL KK (現サン・マイクロシステムズ)が毎年秋に行っていた、日本でのカンファレンスが今年はこの時期には開催されないことが確定的になるにつれ、彼らが作ってくれつつあった「ユーザが一堂に集まる場を提供する」という流れをここで止めてはいけないという使命感のようなものも、私の中には生まれてきました。
折しも、海外に住まれていて過去のMySQLカンファレンスでお会いした方がこの時期に一時帰国するという連絡もいただき、会場(場所+運営ノウハウ)をご提供いただけそうな状況でもあり、急激に私の心は開催に向けて動き出したのでした。 11月中旬のことでした。
そうは言ってもまだ少し尻込みしている私。会場について「もし、仮になんですけど、やらないかもしれないので聞いてみるだけの段階なんですけど」なんて長い枕詞を置いてご相談させていただいたところ、「そういうのは勢い大事だからさ」と、その場でスケジュールをほぼ確定させられてしまいました。もうひっこみつかない(笑)。
ユーザ会スタッフメンバーの了解もすぐに戴くことができ(「やるよ!」と言えば「やれば?」と返ってくるという非常に暖かいみんなです:-))、スケジュールと場所は決まった。あとは講演者。 企業セミナーじゃないから、みんながかしこまってお話を「拝聴」する会じゃないのがやりたいなぁ、、、そんな事を引き受けてくださる方はいるのかなぁ、、などと悩みつつも何人かの方にご相談させていただいた中、ご快諾くださったのが今回のお二人。今回の企画意図を汲んでくださり、自らも呑みながら楽しくご登壇くださいました。深謝!
あとは案内文や講演内容のツメ、参加受付の方法、コスト見積など細かい準備が残っています。講演については、つい高度に最先端の話になりがちで、それはそれで面白いのだけど置いていかれる人がいっぱいいる、だからできるだけ「ヘビーなMySQLユーザじゃない人」に向けて語って欲しいという趣旨のお願いをさせていただきました。敢えて「カッコイイ(最先端の)話を封印する勇気」とでも言いましょうか。参加受付は自前でサイトを作る気もなかったので(ましてやメールベースで受け付けて整理に苦労する事もする気はなかった)、既存の ATND か 宴会君のどちらかだろうな、とは思っていたものの、最後は ATND に決定。初めて利用するので勝手も分からず把握に少々手間取り。コストについてはとても迷ったのですが経験ある方との相談の結果今回の 3,000円という値に決めさせていただきました(コストについてはまた後述したいと思います)。
これでやっと案内文を書く準備が整ったのですが、、、まったく個人的な都合なのですが、この日記にも書いていた通り、12月上旬に ClubDB2への登壇、OSC福岡への参画とその「ついで」に長崎に足を伸ばすというイベントがあり、帰って来てからのフヌケ状態(笑)を入れるとほぼ1週間、準備作業が止まってしまいました。自業自得とは言え、結構痛恨。
とにかく受付開始が整っていなくても開催するという予告だけはしなくては!とMLに予告メールを投稿したのが 10日。受付開始したのが13日の夜。18日開催なのに我ながらこれはヒドイです。。 twitterやブログなどで広報活動をしてくださったみなさま、どうもありがとうございました。おかげでちょうどいい規模で開催することができました。
開催が近づくにつれ、もともと「最低限のことはしっかり押さえつつも、なるべく手間をかけずにラクして開催しよう」と思っていたにもかかわらず、自分の中に(勝手に)結構なプレッシャーがあることに気づきました。 来てくださる方に喜んで貰えなかったらどうしよう。誰も来てくれなかったらどうしよう。金銭的には赤字が出たら私の会社から補填不足分は提供させていただこうという覚悟はできていたので良いのですが、とにかく来てくれた人が楽しんでくれない場というのは、主催者としては一番辛いものなのです。今回かなり「私のやりたいようなイベント」をやらせていただいたこともあり、私が仮に参加できないとイベント自体が崩壊するのではないかという(自意識過剰な)思いもあってそんな時期に子どもがインフルエンザに・・・・(^^;;;。 治癒してから2日経って私に何の変化もないので私を媒介として皆さんにうつしている可能性はほぼないとおもいますが、「ここでうつされたらイベントは終わりだ・・・」という重圧は、実はこの1週間で一番キツかったかも(笑)。
あと、面白かった(後から見れば)のが、当日朝の地震。寝ぼけていたこともありますが「大きいな、、、これで都内いろいろ被害あって交通とか大火事とかだったら、イベント中止も検討しないとな、、、周知はMLとサイトとtwitterで頑張ろう、、、注文済食べもののキャンセル代は出費するしかないよな。。」などと、しっかり(?)主催者としてのリスク対応を考えていたのでした。寝ぼけて。 それから別の夢も見ました。「朝起きたら30人くらいキャンセルが出ている」という夢。特に今回のようにお金が動くイベントでは人数を見越して前日には飲食をある程度注文してしまっているので、予定が大幅に狂うというのは結構怖いのです。30人のキャンセルはそれこそ恐怖です。実際には(受付全体を通して)キャンセルは10人、無連絡不登場は8名(てめーら社会人失格だ!)、直前に申し込んで来てくださった方もいたのでなんとか大丈夫でした。 こんな夢を見るくらいドキドキしていた自分がなんか可愛く思えたりもします(笑)。
そういうプレッシャーを感じつつも、始まっちゃうと私自身とても楽しませていただきました。会場準備で予定外のことがあって手間取ったり、プロジェクタへの信号出力トラブルで講演が始められずすっっっごく焦ったり(だって、、1時間しかない講演時間の中で30分以上開始できないなんて、普通あり得ないですよ。お酒があってよかったと思います(^^;))、しつつも、突発でMySQLの最近の話題を前に来て話して場をつないでいただいたり、講演を開始できるように一生懸命接続やファイル転送にご尽力いただいたり、皆さんに助けられて場ができあがりました。 時間が経ちすぎていたのでついでに私もすっかりできあがりました。 講演始まった時には足ふらふら。 すいません(^^;)。会場準備で軽く汗かいて、もう呑みたくてしょうがなかったんです(笑)。
本来「講演が終わっている頃」のはずだった時間(実際には1本目の講演がようやく終わったところ)でピザ等が届いてしまい、一瞬「おあずけですよ」といぢわるな事を言おうという悪い心が起き上がってきましたが総スカンを喰らうのが怖くて、常識人として「じゃぁみなさん食べましょう」と言えたオトナな私(笑)。実は私(も恐らく奥さんも?)ピザ1キレも食べてないんですよ(^^;)。 でも結果として、今回の企画意図として私が一番やりたかった緩い感じの「自由に聞いてる」空気になってくれました。前半でもっと「飲食取りにいったり,歩き回って良いので」と皆さんに強調すればよかったですね。。登壇の池田さんにもほんとすいません、、前半ちょっと固い空気になっちゃってて。
ともかく私自身もかなり気持ちよく酔っ払っちゃっている状態でマイクを持っていたので、もしご不快に思われた参加者さんがいらっしゃったらすいません m(_ _)m。
その後はホワイトボードの前で特別講義が始まったり、話したい人が勝手に追加講演してくれたり、もう世話人、なにもしてません(^^;)。もー、次回は「場所と食べものだけ用意して講演者も決めないから、集まって勝手に話して!」ってやってもいいかも、なんて思っちゃうくらいでした(さすがに怖くてそういう企画は私にはできませんが。。。)。
ほんと、みなさんどうもありがとう!
22時の中締め、その後何度かの終電案内が終わったあとが、私なりに「ここまでが私が場に責任をもつべきところ」と思っていた時点だったのでしょう。思わず後ろの机に手をついて「へろへろ〜」と座り込んでしまいました。ぺったん座りをしながら少しの間動けなかったな。 肩の荷が降りた安心感と、場を作ってくれたみんなへの感謝の気持ちでいっぱいでした。
5年ぶりのユーザ会イベントで、このスタイルでやるのが初めてだったことで沢山の不安要因もあったわけですが、次回はもう少しラクにできることでしょう。ということでやりますよ!・・・あ、、えーと、、、やりたいですよ! くらいにトーンダウンしておきたいと思います(^^;)。 「2009冬」というネーミングでお気づきの方も多いと思いますが、来年4回やりたいという意図での命名です。春夏秋冬。とすると次回は3月後半を目指したいのですが、会社の〆とか卒業卒園関係の方も多いでしょう。ちょっと悩ましいところです。(3月10日開催にしてしまえば、私の誕生日をみんなに祝って貰えるかしらん)
最後にちょっとだけ、コストに関する思いを。
今回のように飲食を用意するイベントでは実際に支払が発生します。(参加者持ち込みという方法もあると思うのですが、50人を越える規模では「何を持ち込まれるかわからない」という怖さもあり、私は原則として「主催側で用意」と考えています。)
そして今回の 3,000円という設定は個人的にも高めの設定と認識しています。受付の簡略化のためにコインを扱いたくなかったので、2,000 か 3,000 のどちらかと考えていたためなのですが(実際 2,000では今回赤字でした)、次回も完全自主開催を目指す場合は(コインをちゃんと用意して) 2,500円以下で開催できるようにしたいな、と思いました。できるだけ少なく集めて、例えばビールも(それを買い出しにいく費用も)不足した場合には「もっと呑みたい人カンパ」という選択でもいいのかな、、という事ですね。次回までに色々考えてみたいと思います。
もうひとつの方法として企業等からの協賛を募るという方法も、あります。とは言え、協賛戴くことに対する御礼(たいていは広告宣伝)は必要ですし、その手続のための各種事務作業も発生します。こういった作業(協賛企業を募り、必要な事務手続、御礼等のコミュニケーションを含めしっかりと進めてくれる)を一手に引き受けてくれる人がいたら、実現可能かもしれません。 今の私の気持ちとしては、この手間をかけるよりは参加者の皆さまそれぞれに必要費用を負担いただく方式のほうが主催側負担が軽いため、参加の皆さまにはこの方向でご理解いただけると嬉しいな、と思っています。 (協賛金受け付ける方向も、一旦方式ができてしまえば意外と手間ではないかもしれないので、可能性を排除しているわけではありません)
こんな感じでつらつらと、あれこれかいてみました。いま編集画面でスクロールしてみたら、アホみたいに長いですね。 今回の「久々のイベント開催」の思い入れの分量だと思ってご笑覧ください。 ここまでお読み下さった方ありがとうございました。 思いをかなり出し切ったので、今回のイベントについてはこれでスッキリ終了です。次回に向けて頑張りたいと思います!