Twitter社会論 ~新たなリアルタイム・ウェブの潮流 (新書y)
- 作者: 津田大介
- 出版社/メーカー: 洋泉社
- 発売日: 2009/11/06
- メディア: 新書
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数ある柳下 twitter 本の中でも、これはどれよりも先に押さえておくべき「津田本」。
今月アタマに読みました。
twitterに各企業が続々参入してくる過程、そして津田さんが 「tsudaる」と呼ばれる、twitterによる実況中継をしている活躍の一端をリアルタイムで見ていた立場からは、漠然と知っていたことを改めて文章として書き起こしただけ、とも映る本でした。 ただ、twitterを誰よりも使い込み、グローバルな情報も収集している立場からの新鮮な情報もあり、全体として楽しめました。
編集者から「tsudaるコツについても章を割いてくださいよー」と言われて、「コツなんてないんだけどな、ただ大切な事をコンパクトに書くだけなんだけど・・・」と思いながらも渋々そんなコーナーを追加した情景が目に浮かびます(妄想)。 当人にとっては改めて「コツを・・・」なんて言われても、当たり前にやっていることなのでなかなか思い当たりがないもので、こういう機会に改めて自分がやっている行動を客観的に見直すことができるというのは面白いものですね。
個人的には、相互コミュニケーションツールとしての twitter は一過性のものであり、いずれ一方向の発信ツールへと収斂されていくと予測しています(総量的にではなく比率的に)。 また、その時の思いつきでつぶやいた「即時性のあるtweet」はワイドショー的な刹那の楽しみはあるかもしれないけれども、所詮それで終わりですから、そこに改めて「熟考」が入り本質的な面白さが含まれているこくまろな言葉にはいずれ敵わないと考えています。有名人のtweet も一部すでにそうなっているように「担当者」が「戦略的に」作り込んだつぶやきばかりになっていくのではないでしょうか。それはそれで twitter としての楽しさは失われてしまうわけですが。
いずれにせよ、今まで文章にしてオモテに出てくることがなかった言葉の数々をたくさんの人々から引っ張り出したという点で、twitter は文化をひとつ変えたと思っています。本書はそんな流れの中でよくわからないままに twitter を始めてしまって、いまだに何が何だかわからないという人に、twitter の背景や盛り上げてきた人たちの歴史などを知ることができるという点でお勧めできる本だと思います。
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