『Webエンジニアのためのデータベース技術実践入門』

Webエンジニアのための データベース技術[実践]入門 (Software Design plus)

Webエンジニアのための データベース技術[実践]入門 (Software Design plus)


 素晴らしいデータベースの本が出ました。「モダンな手法によるデータベース利用術」と言っても良いかもしれません。著者は、知る人ぞ知る(知らない人は知らない)松信嘉範氏。MySQLの超プロフェッショナルです。


 本書は、一部で具体例を示すためにMySQLでの動作を例に取っている部分はありますが、全体として「データベース管理システム(DBMS)を使うための」本となっています。
 興味深いのが、コマンドなどの具体的な操作方法ではなく、考え方を中心に説いているということ。読者が自力で作業をできるようになるためにはコマンド操作方法を知る必要がありますが、敢えてその部分の説明を我慢することで、DBMSを利用するための本質的な考え方がダイレクトに伝わる構成になっていることに感心しました。


 高負荷時にも安全に安定して高速で結果を返す運用をするためには、RDBMSまわりにも様々な工夫をする必要があります。実際の現場でプロフェッショナルがどのような事を考え、気にし、対策を練っているのかについて聞かせてもらえる、そんな本だと思います。RDBMSの基本機能はなんとなく知っている人が、現場の経験を疑似体験して、一歩上の「DBMS脳」になれる本なのかもしれません。


 わからないところは分からないまま読み進めてもよいので、DBMS利用技術を身につけたい方には、ぜひ読み通して(あるいはページをめくり通して)いただきたい一冊です。分からない部分は、二度目、三度目読んで、少しずつわかればいいのですから!


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