キャッシュバックキャンペーンをやっている製品を購入して応募したところ、メーカーより「おまえの製品は中古品である」として、キャッシュバックをしてもらえないという(私にとっては)珍しい体験をしたので、記録として日記に。
要約
詳細情報、所感など
Amazonにて本製品を注文したのは、2017年12月のこと。Amazon倉庫から発送するという奈良県の業者。「新品未開封品」「キャッシュバックはAmazon領収書で対応可(エプソン確認済)」の明記があったので安心して注文したものです。
到着した製品は、開封の跡なども特になく、新品として違和感のないものでした。設定し、実際の動作にも問題点はなく、到着後すぐにエプソンサイトの情報に従ってキャッシュバックの申請をしました*1。
2ヶ月ほど経過した3月のある日、エプソンから封書が届きました。キャッシュバックの手続きが完了したのかな、と開封してみると、中から出てきたのは「キャッシュバックできません」のお手紙一枚。曰く「その製造番号では既にキャッシュバック受付済なので、おまえには払えない」とのこと。
驚きましたよね。新品と明記された商品を購入し、実際に未開封品(新品)のように見えるこの商品が、メーカーから中古品認定されたわけですから。私の気持ちとしては、キャッシュバック拒否されたという事よりも、故障時の保証はどうなるのだろうのが気になりますし、それ以上に、出自の怪しい物を掴まされたのだという気持ち悪さのほうが大きいです。
私の手元にこの商品が来るまでの流通経路のどこかで、商品自体は未開封のまま保証書のみをコピーしてキャンペーンに応募したのだろう事は想像に難くありませんが、そういう稼ぎ方もあるのだなぁと感心するとともに、そういう事をする人たちにとっては「ちょろいキャンペーン」なのだろうなと、複雑な思いもしました。
加えて、メーカーから「おまえ、中古品買ったくせに応募してきやがって」と決めつけるように言われたようで、非常に胸糞悪い思いをしています。
今後
一応メーカーと消費者センターには連絡をしてみる予定ですが、資料をそろえて何往復もやりとりするコストを考えると、本件は泣き寝入りになるのだろうなと思っています。エプソン側から見れば私の応募は「同じ製造番号で2通目のもの」だったことは事実でしょうし、流通経路上で起こったことについて私が何らかの証明をすることは不可能でもあるからです。
Amazonでのお買いものについては、ニセモノの横行等を含めて様々なリスクがあることは承知していましたが、届いたモノには問題がないが途中で保証書(のコピー)だけを抜き取ると言った手法には思い至らず、油断したな、というのが率直な思いです。
エプソンに関しては、今後様々な買い物をしていく中でエプソン製品が候補に挙がるたびに、今回の嫌な体験を思い出すのだろうと想像すると、特段「不買運動だ!」などと力むわけでもなくとも、自然と手が伸びなくなるのでしょうね*2。客を獲得し、売上を伸ばそうと仕掛けたキャンペーンで、逆に長期にわたって顧客を逃がしているというのは、エプソンにとっても皮肉なことです。
いったいエプソンさんは、誰に対して「購入ありがとう」のキャッシュバックを払っちゃたのでしょうね。それはキャンペーンとして彼ら的には、お礼を届けたい相手だったのかな。
追記:Amazonの実際
Amazonでの購入には、商品内容に直接関係する様々なリスクがあることは前述したとおりですが、今回もうひとつ面白い「しくみ」を体験したので、併せて記録。
購入した販売店に対して評価をつける仕組みがAmazonにはあります。多くの店舗が95%を越える「非常に良い」との評価を受けている、あの仕組みです。今回購入した店舗の評価として、今回発生した事実である「新品と謳われて購入したがメーカーから中古品認定された」という内容を低い評価とともに書き込んだところ、数時間で削除されました。一旦インクリメントされた「評価の数」も、削除にあわせてデクリメントされたので、あぁなるほど、店舗の「高評価」は、こうして維持されているのだなと知った次第。
2018/03/15追記
まったくの個人の記録としての日記なのに、多くの方に興味を持たれたようで恐縮です。私としては本文にも少し書いたとおり、「モノ自体に不満があるわけではない(返品を希望するわけではない)」「キャッシュバックされなかった分は一種のサンクコストとして、これ以上のコスト(時間)を無理して払うつもりはない」という2点ですので、色々と更なる行動を期待されている方には申し訳ありませんが、理解いただければと思います。
一応、エプソンのキャンペーン専用ダイアルには電話をかけたのですが、回線が少ないのか問い合わせが多いのか、まったく繋がらないため、仕事を何度も中断してまで電話するのは、もう、やめることにしました。
いくつか本文中で不足している情報や追加の情報を整理しておきたいと思います。
(1)私が直接認識できた事実:エプソンが「その製品番号は他の人が応募済だ」と連絡してきた
(2)そこから容易に想像できる事:私の手元に製品が届く前に、誰かが保証書をコピーして応募した(そのほか、まったくの番号偽造での応募とか、手続き上の誤り(エプソン側での番号入力間違いとか)も考えられますが、なんとなくそれではない気はします)
(2)については様々な可能性があります。Amazonの混合在庫の仕組みにより、私に直接販売した事になっている業者自体が番号抜き取りに関与した可能性はかなり低いと考えています。同商品をAmazon上で売る業者のどこかが、保証書をコピー後に入庫させれば、もうそれはどの業者が売ることになる個体かは区別されないからです。また、業者ではなく「返品」を使った手口も考えられます。比較的多くの商品に触れることの多い私の知人の一人は「エプソンのプリンタは保証書が取り出しやすい」とも言っている(私は未確認)ので、一旦「購入」して保証書をコピーしてから返品、ということもできそうです。応募に必要な領収証もちゃんとあるわけですからね。
今回の件は、腹立たしい体験ではあるけれども、自分でもびっくりするくらいに怒りの感情が少ないのです。まぁ仕方ないというかそういうこともあるよね、これがAmazonで買うってことだよね、と「うん、分かってた。知ってた。」という気分なのかもしれません。実はこの手の物を買うときにはなるべくヨドバシ.com で買うようにしていたのですが、今回は値段差が大きかったからか納期の都合だったか忘れましたが、Amazonを選んだのは自分。
エプソンについても、今回の一連の体験の中で私に対して直接「拒否」の連絡をしてきた唯一の相手であることから、私の印象は当然に悪く、本文中でも幾ばくかの悪態をつきましたが、まぁエプソンのキャンペーン受付担当者も、普通に「2通目の申請」として処理するしかないよな、と思うと同時に、そもそもキャンペーンの仕組み(保証書のコピー)が、キャンペーン設計としては非常にずさんなものであるということが、根本的な問題点でありますから、その点ではエプソンに対して「雑なキャンペーンやって時間かけさせやがって!」という思いは、あります。
一方で、今回の件をきっかけに、どのような制度設計をすればズルい事ができなくなるのか、を考えてみるのは楽しい時間ではありました:-)
最後に、Amazon での出店者評価が消えた件についても。上に書いた混合在庫の事を考えると必ずしもその店舗に対する評価ではない事から、出店者保護の点からAmazonが消すことは十分にあるなと思います。ただ、配送の内容についてのクレームについては「梱包、発送はAmazonが責任を持ちます(この店舗のせいじゃないです)」という内容のコメントが付記(あるいは書換)されるので、今回、痕跡なく消えたことには、やはり若干の解せない思いはあります。
本追記にて、私の本件への関与は終了。もうこれ以上の時間は割きません。
これをたまたま読んだエプソンの担当者の方が応募を調べ直してくれて「1通目の応募が詐欺だってわかった。正直済まんかった。」とか連絡くれれば、そりゃ喜びますけど、電話が繋がるまで何度もかけることを放棄したのは私のほうですから、まぁ期待はしません。
#たくさんの人が読みに来てくれるんだから、そのプリンタの商品リンクを貼っておけばいいのに(誰か買ってくれるかもしれないのに)というアドバイスを貰い、とっても魅力的だったのですが、ここで買って大変だった、という日記なのに、その商品をそこで買う事を進めるのも、ちょっと笑い話になっちゃいますからねぇ(笑)。
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*1:http://www.epson.jp/ec/campaign/pcb_17/
*2:たとえば、長いことエプソンのモバイルプロジェクタが欲しくて今でも憧れているのですが、もはや、他社のものでもいいかなという気持ちにもなります