MySQL闇歴史2 MySQL loves MySQL Labs.

これは MySQL闇歴史 Advent Calendar 2022 の2枚目のカレンダー21日目のエントリーです。

　かつてMySQLには「実験室」があった。

知名度：★★☆☆☆
闇度　：★☆☆☆☆
度胸度：★★★★★
むしろ貢献度：★★★★★★★★★★

　その昔、と言ってもMySQL 5.6や 5.7の頃の話なので記憶に残っている人も多いかもしれないが、「MySQL Labs」という仕組みがあった。「先進的な機能や実験的な機能をいち早く公開し、コミュニティからのフィードバックを受ける」として、専用のサイト labs.mysql.com を立ち上げて、こちらで機能別の開発ブランチの成果／経過を公開していたのだ。
当アドベントカレンダー(1枚目)14日目でも、軽く触れられている。
https://qiita.com/RKajiyama/items/766fd00ea24ec5f269b4

　実は筆者は、当時それほど熱心に labs の機能を追っていた訳ではないので、今回改めて資料を確認し、こんな機能がlabs公開されていたのかと驚いたりしている。この中のいくつかは、現在も正式機能としてよく目にするものであろう。

• memcached API
• Performance Schema
• スキーマ間のマルチスレッドSlave
• オンライン Alter Table
• マルチソース・レプリケーション
• オプティマイザの新しいコストモデル
• グループレプリケーション
• frmファイル類のInnoDBへの置き換え
• InnoDB Compression(ページレベルでの透過的圧縮)
• HTTP Plugin (当アドベント1枚目14日目参照）
• MySQL Binlog Events
• JSON
• Generated Columns

※梶山さんの 2015年の講演資料を参考にさせていただいた。

　2022年12月現在、labs.mysql.com サブドメイン自体はまだ生きているが、そこに登録されている実験的プロジェクトの数はゼロであり、すでに labs は役割を終えたかのように見える。

　現在、この 「実験室」の精神は、MySQL 8.0 に受け継がれている。