日本MySQLユーザ会(MyNA)として、いつぶりだったか思い出せないくらいの超久々のオフライン会合を開催しました。
mysql.connpass.com
直接集まることのパワー
コロナ禍でオンラインのイベントが盛んになり、セミナー形式を中心とした情報を伝える系のイベントはもうオンラインでいいじゃないか、という感じにもなってきました。しかし大きな問題にもみんな気づいています。双方向の交流ではなく、一方向の情報の伝達でしかない(または著しく一方向に偏っている)という点です。実際、オンラインイベントを開催しても、オンラインでスピーカーとして登壇しても、のれんに腕押しのような物足りなさを感じていました。物足りなさっていうか、これ、わざわざ時間決めてイベントやらなくても、自分の都合の良い時間に動画撮って公開すりゃいいだけじゃん、って。
オンラインでの「交流」も然り。交流という名であっても基本的に同時にしゃべれるのは一人。少しでもオフラインの雰囲気に近づけようと、あっちでこんな話、こっちでこんな話ができる機能も少し模索されてたこともありましたが、使い勝手の良いサービスとして普及したとは言えない状況です。
やはり、物理的な空間を共有し、直接会って話すことにはパワーがあります。スピーカーとしては聞き手の反応が見られて話題への相乗効果が生まれるし、交流の場としてもあちらこちらで会話が生まれ、自己紹介が始まり、悪事(?)の相談事をしている人がいるかもしれない、そんな雑多な空間が日々繋がり続ける「次」への推進剤になる面も非常に大きいと感じています。
実は今回のイベントも直接顔を合わすパワーから生まれました。とにかく長いことユーザ会としてのオフラインの会を開催できていなかったので、そろそろやりたいという思いはずっとずっと持っていました(別途「つらい」の話を書くつもりですが、こういう「やりたい」「やらなきゃ」と思い続けること自体も生活の中で多少のストレスとなり続けるものです)。セミナーだけやるのか、交流メインにするのか。そんな事を考えて「やるなら交流」とベクトルを設定したものの、なかなか踏ん切りがつかない。人は来てくれるのかな、喜んでくれるかな、原点に帰って必要費用は参加者が適正に負担する形にしたいけど受け入れられるかな etc....
開催を決断するきっかけになったのは、やはり「直接顔を合わす場」でした。古くからMySQLを触っている人たちで集まる機会が7月にあり、その場で何人かの方に意見を聞いてみたことや、実際のその場の雰囲気自体に「集まるってやっぱりいいなぁ」と心底感じたことなどに背中を押されて、今回の開催につながりました。実は8月上旬に開催さしたオンラインイベントもこの場で決まったのですが、顔を突き合わせることが生み出す力を感じざるを得ません。
会場はインプリムさん
顔を合わせることが生む力という点では、今回の会場を提供してくださったインプリムさん(「プリザンター」の開発元)とのご縁も「顔を突き合わせる」ことから生まれたものでした。全国のOSCへの出展で何度も顔を合わせる中で知り合う機会を得て、今回のお願いにつながったものです。ビルの最上階フロアまるごとを、こういったイベントも開催できる専用スペース(兼エンタメスペース?)としていて、今回そのスペースをお借りしました。広い空間をゆったりと使わせていただき、非常に良い雰囲気の場となりました。どうもありがとうございました。
お酒を飲みながらゆったりと
前半はセミナーの部。MySQLの最近のリリーススタイルについての基礎的なこと、最近のリリースのもう少し詳しい事、プリザンターのお話、の3本立てでした。はじめてこのスタイルで「MySQLユーザ会会」を開催したのがいつだったか調べたところ、おそらく2009年のこの回が最初だったように思います。
sakaik.hateblo.jp
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当時は企業がOSSへの支援(食指?)を動き出したところで、企業主催のOSS系イベントが少しずつ出始めていた時期だったと記憶しています。それでもまだ「勉強会を酒を飲みながらやるなんてとんでもない」という空気がまだあった中、「だからこそ "ユーザ会" でしかできないようなイベントをやろう」と、イベントのスタートから飲食しながら開催するスタイルを試みたように記憶しています。今回、飲食費用の受益者負担という点も含めてまさに「会会」の原点回帰とも言えるスタイルで開催できたことに、一人ですこしじーんとしていました。
当日まで受付のやり方すら決まっていなかった「ゆるゆる」な会でしたが、kabuさんが早めに来て引き受けてくださって、とても助かりました。手慣れたもので、細かい事を言わなくても全部バッチリやってくださって、心強かったです。ありがとうございました。
後半にはピザを入れての交流タイム。LT大会を企画していたけどその前のご歓談タイムにもプロジェクタとマイクを勝手に使って話してる人がいて、良い雰囲気だなぁ~、これだよこれ、オフライン!!と嬉しく思っていたのですが、2009年もそんな感じだったみたいで、もう「交流会+その中での一部時間LT大会」だけ企画して、あとは好きにしてもらうような形でも良いのかもしれない。
プリザンターがMySQL対応!
という大きな発表があったのですが、あまりに(私にとっても)大きな話なのでこれは別のエントリにて書きたいと思います。
10月8日にリリース予定のバージョンで、データベースとしてMySQLをつかえるようになるとのこと。やったぁ。
講演してくださった峯さん、落ち着いた語り口で結構深い「MySQLの(プリザンター対応済の他のDBと比べての)違い」を紹介してくださり、会場からも「おお、確かに」「え、そこ違うの?」などの声が聞こえてきて盛り上がりました。このネタ、また違うところでも紹介してほしいですね。別途相談させてください!
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雨はバッチリ
台風10号の接近、、というか、なかなか接近しないことで、実は数日前から胃の痛い思いをしていました。気象庁の予報円と3時間毎ににらめっこして、「月曜正午の予報円がこのラインよりも近かったら中止」まで決めていました。飲食物の注文タイミングの都合や、参加申込みしてくださった方への周知のデッドラインを睨んだ最終期限でした。台風の足が遅いことがわかり開催を決定しましたが、中野付近は開始時間も終了予定時間も7mmや9mmなどのひどい大雨の予報。これ(白状すると)自分が企画したイベントでなければ「帰りの交通機関が不安なので」と参加キャンセルしたかもしれないくらいです(笑)。
実際には断続的に押し寄せる雨雲のちょうど切れ目に、行きも帰りもハマってくれて、駅から会場への往復に傘を全然ささなくて良いという幸運に! 会の途中には、建物の中からも聞こえるくらいの大雨が降っていたので、本当にありがたかったですね。そして申込みされた方も、本当に交通機関の都合で参加できなくなった方や急なご都合で来られなくなったとしてキャンセルの連絡をいただいた方以外は、1人を除いて全員会場に来てくれました!! 当日ノーショウ(または極直前でのキャンセル)がもっと出ることを覚悟していたので、これは本当に嬉しかったです。みなさんありがとうございます。 キャンセルした方も全員がキャンセルコメントを残してくださり、ご事情がわかると同時に、コミュニケーションが成立している感覚を得られてとても嬉しかったです。主催者からコメント返す手段がないのでサイトでは反応できませんでしたが、全部拝見しております。ありがとうございました!次の機会(がいつ訪れるのかわかりませんけど)にはご参加いただけることを楽しみにしています。
まとめ
ということで、色々企画・準備で「つらい」面はあったのですが、非常に良い雰囲気の場を見ているうちに全部疲れが吹っ飛びました(そしてその疲れは家についてお布団に入った途端に戻ってくるのですが(笑))。やはり同じものに関心を持つ人たちが場を共有するというのは素敵ですね。必ずしもユーザ会主導のものだけでなくとも、こういった「MySQL」に関心がある人たちが、それぞれで、それぞれの「場」を作っていってもらえたら界隈が盛り上がって面白いなと思いました。皆さんもぜひ。