2025年4月15日に、最新の「法務省・登記所備付地図データ」が公開されました。
法務省:地図データのG空間情報センターを介した一般公開について
かねてより変更差分の把握に関心を持っていましたが、今回も新たな視点で差分把握を試みてみました。
今回のこころみ
今まではXMLデータそのものを見ることで、Polygon自体を比較して何か把握できないか、という試みをしていました。モチベーションの発端が「MySQLのGIS機能を使ってやってみたい」というところだったこともあってのことですが、RDBMS的には新旧を紐付けるために必要なキー項目が本データには含まれていないため、非常に難航し、目に見える成果を上げられていなかったといったところです。
今回は目的を明確に「変化を把握」と定め、RDBMSを使うことにも拘らなければ、XMLデータ(ポリゴンデータ)を使うことにも拘らない、と新たな視点で臨みました。着目したのは、公開されている圧縮ファイルに含まれているcsvデータです。このデータにはそのzipファイルに含まれている全ての筆の地番情報が格納されています。
手法の概要
集計結果
地域ごとに 2024年のみに含まれている地番、2025年のみに含まれる地番をまとめたものが、以下の表です。

たとえば、松戸市小金清志町2丁目では、42という地番が減り、42-1/42-2 という地番が増えていることから、ここが分筆されたのかな、と想像することができます。必ずしもこのようにきれいに対応付いたものばかりではなく、たとえば分筆された場合でも、分筆元の名前はそのまま(面積は大幅に小さくなっている)で新たに分筆された地番が生える場合などがあります。
地図での確認
一覧表の中から適当にひとつ選んで2024年データと2025年データを実際の地図で確認してみました。ちょうどいま(2025年4月21日現在)、「今ここ何番地」は早速202504データになっていて、「MAPPLE法務局地図ビューア」はまだ202404データで提供されているので、これ幸いと比較をしてみました。各サービスで、データ時点をして参照できたらいいんですけどね。さらに贅沢を言うと新旧データを並べて見たりスライダーで境界を移動させながら比較してみたりとかできると最高です!

分筆されたことが一目瞭然ですね。
今ここ何番地?: https://office-shirado.com/imakoko/
MAPPLE法務局地図ビューア: https://labs.mapple.com/mapplexml.html
差分集計結果データの公開
データはGitHubにて公開しています。
github.com
差分を一覧表にしたPDFデータ(2万2千ページあります)と、その元になった文字データ(大きすぎて登録できなかったのでZIP圧縮しています)があります。
PDFはヒューマン・リーダブルを目指したもの(そして私が欲しかったもの)、文字データはマシン・リーダブルを目指したものです。先頭が"-"のものが減った行(=202404データにのみ存在するもの)、"+"が増えた行(=202504データにのみ存在するもの)なので、例えば 202504データを地図表示する際に、"+"の地番に一致する部分だけ色を変えて「この1年でここが変わったよ」と分かりやすくするなどの工夫に使えるかと思います。
「登記所備付地図データ」を分析したり見せたりするために活用していただけると嬉しいです。
より正確な差分把握に向けて
今回の手法では、地番そのものの名前が消滅したり生えてきたりした点に着目した。これらの明らかに変化したと言えるものの他に、地番自体には変化がないが境界の引き直しが発生した箇所があるのではないかと想像します。これについてはPolygonそのものを比較したり、各筆の面積を算出しているのであればそれを比較するなどの手法が考えられます(後者では、2つの筆の間で面積が変わらぬように一部交換が発生していた場合には検出できないので、やはり最終的にはポリゴンの完全一致を比較するのがもっとも正確です)。
こちらもいずれ把握できるようになってみたいところですね。誰かやらないかな。
数値情報
- 筆数
- 202404: 245,394,281 件
- 202504: 245,509,398 件
- 差分行数(増と減の合計)
- 3,620,833 件
- 差分整形したpdfのページ数
- 22,276 ページ