- 作者: ジェフリー・S・ヤング,ウィリアム・L・サイモン,井口耕二
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2005/11/05
- メディア: 単行本
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5月に米アップルを訪問(http://d.hatena.ne.jp/sakaik/20080521/p3)した時、もっとジョブズについて知ってみたくなりました。この本の存在自体は昔から知っていたけれども、今回の訪問で一気に優先順位が上がったのです。 そんなわけで、6月上旬から早速ちまちまと読み始め、8月、ようやく読み終わりました。500ページを越える本を空き時間だけで読む「合間読み」をするととてつもない時間がかかるのですが、それでも「はやく続きを読みたい」と思わせるだけの惹きがこの本にはありました。
ジョブズはこの本の中で、自信過剰で自分勝手、他人の手柄を横取りしたりみんなの成果を独り占めしたりするヤなやつで、実はさほど技術力があるわけでもないのに偉ぶっているという、これでもかというほど偏屈で厭な奴として描かれています。一番最後に「そんなジョブズが人間的な暖かみを持つほどに変化した」と強く印象づけたいがための演出でもあろうかと思うが、ちょっとやりすぎかなーとさえ思いました。
ただ、この本に書かれているジョブズの「自分が決める」「秘密厳守」なトップダウン的な指向は、先日のアップル訪問時に感じた印象と一致して、納得感がありました。だからこそ持てる強みと、そして危うさがあるわけですね。
併せて、いままでまったく関心もなかったピクサーという会社についても、この本で初めてちゃんと(?)知ることができたことも収穫でした。映像エンターテイメントの会社ってこうやって作ることができるのか、こういう取引/駆け引きで作られているのか、と特に新鮮なことだらけでした。
いま Mac や iPod, iPhone などで成功を収めているアップルという会社が、どんな人がどんな思いで引っ張っているのか、興味のある方は一度読んでみると何か得る物があるのではないかな、と思います。
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