BeelinkのミニPCを買って動かしてみた話

ひとつ前のブログで、このマシンで Ubuntu 24.04 を稼働させた話を書きました。
sakaik.hateblo.jp

このエントリでは、このマシンそのものについての紹介と、自分の設定用メモを書いておきたいと思います。

有機

 昨年の5月の連休の時に、ふと買ってしまった(そして今年の連休になるまで開梱していなかった)ものが1台。そして、今年の連休(昨日)にふと見て安かったのでつい買ってしまったのが1台の計2台あります。

1台目 Beelink EQ12 W11: N100(3,4GB)、メモリ16GB、SSD(NVMe) 500GB。LANx2, HDMIx2, USB 3+C1、Wi-fi
2台目 Beelink mini S12: N100(3,4GB)、メモリ16GB、SSD(NVMe) 500GB。LANx1, HDMIx2, USBx4、Wi-fi

1台目:
現在見ると 41,800円ですが、昨年は 3,000円の値引き後で 35,800円での購入でした。

2台目:
公称 29,800円のところ -15%割引のタイムセールで 25,530円でした。

どちらもスペックは似たような感じですが、値段に差があるので、たぶん EQシリーズのほうが少し上位なのでしょう(N100のバージョンとかあまりよく知らない)。EQ 12 のほうは、有線LANが2ポートあるのと、USBのひとつが Type-C になっているところが見かけ上の違いです。

NVMe SSDを換装

 ちょうど部屋に 使っていない2TBのNVMe SSDが転がっていたので、換装することにしました。

1台目(EQ12)を換装しようとフタを開けたら、ちょっとだけ面倒な感じだったので、そっとフタを閉じました(笑)。
EQ12のフタをあけたところの雰囲気は、以下の水野さんの記事で見ることができます。
gihyo.jp

一方の2台目(Mini S12) は非常にシンプルでした。画像で紹介します。なお、どういうタイミングで内部構造が変わるのかは私も知りませんので、あくまでもこのタイミングで買った私のはこういう構造だったという参考程度に。

まず
裏側の4カ所にあるネジを外して裏蓋を取ります。ベロがついていて引っ張りやすくなっているという、この心遣いがニクい。



フタをあけたところ。フラットケーブルでつながっているので、勢いよくフタをひっぱりすぎないように注意。



フタのほうは、2.5インチSSD(HDD)を設置できるようになっています。SATAと電源の端子が、黒い金属カバーの下に隠れていました。金属カバーは2本のネジ(写真中の「A」と「B」の箇所)で留まっています。今回は M.2 SSDを持っていたので換装することにしましたが、普通に 2.5インチSATAを買えば簡単に増設できそうで、良いですね。標準の500GB+増設2TBとかにすれば、かなり色々なことができるようになりそうです。


本体側にはすぐに SSDのスロットが見えるので、換装ラクラクです。そういえばこの形のメモリ(SODIMMでしたっけ?)を見るのもえらく久々のような気がします。
写真は換装後。


フタをしめたら完了。


ちなみにサイズは、少しだけ1台目(EQ)のほうが大きいです。ついでに裏側の端子の状態も紹介。どちらもHDMIが2つ(ただし今回サーバ用途なので接続は確認していません)。EQのほうはLANポートが2つあるのが特長です。あと Type-CのUSBも。


設定など

ここから先は特に、基本的に自分用の記録です。安売りされればなんかそのうちもう一台くらい買いそうな気がするので、その時のために(笑)。
作業は基本的に root にて行っています。
私は Ubuntuは minimum でインストールしているので、色々基本ソフトもインストールされていなかったりします。

sudo su - 
OS (Ubuntu 24.04) のインストール

ひとつ前の記事を参照。 現時点で直接 24.04をインストールできなかったので、22.04インストール後に24.04にupgradeしています。
https://sakaik.hateblo.jp/entry/20240505/ubuntu2404_on_miniPC

upgrade時のサービス起動設定の変更

upgrade処理中にサービスを再起動する際にいちいち尋ねてくるのが鬱陶しいので、勝手に再起動してくれるように設定しておきます。

echo "\$nrconf{restart} = 'a'" >> /etc/needrestart/conf.d/00local.conf
タイムゾーン設定

脳内で9時間を足すのが週間になってしまっているけど、健全ではないので最初にJSTに設定しておこう。脳への負担も少なくなる(はず)です。

timedatectl set-timezone Asia/Tokyo
何はなくとも最新化
apt update
apt upgrade
基本ソフトのインストール

だいたい、私が最初に使いたくなるのはこれくらい。

apt install vim iputils-ping network-manager alsa-utils cron -y
ネットワークの設定

一旦、有線でネットワークを設定しました。最終的には wi-fiにしたいので、ここをすっ飛ばしてもOK。

cd /etc/netplan/
cp 00-installer-config.yaml 10-netconfig.yaml
mv 00-installer-config.yaml 00-installer-config.old
chmod 700 10-netconfig.yaml
vi 10-netconfig.yaml (有線で運用する場合)
---------------------------------------------------
# This is the network config written by 'subiquity'
network:
  ethernets:
    enp1s0:
      dhcp4: no
      optional: true
      addresses: [192.168.0.241/24]
      # gateway4: 192.168.0.1
      routes:
        - to: 0.0.0.0/0
          via: 192.168.0.1
      nameservers:
        addresses: [8.8.8.8] 
    enp2s0:
      optional: true
  version: 2
----------------------------------------------------

→ gateway4指定はdeprecatedなのでroutesを使う

反映。

netplan apply
ホスト名の設定

今回はインストール時に設定したものでOKだけど、インストール時には適当に入れてしまったので変えたいときなど。

--確認
hostname
--設定
nmcli general hostname <<ホスト名>>
wi-fiの設定

ip link や nmcli device status などで確認してwlo1などの無線LANのインタフェースが認識されていることを確認。

vi /etc/netplan/50-wificonfig.yaml
----------------------------------------------------
network:
  version: 2
  wifis:
    wlo1:
      dhcp4: false
      access-points:
        "myhomelan01 ":
          password: "p@sSw0Rd"
      addresses: [192.168.0.211/24]
      routes:
        - to: default
          via: 192.168.0.1
      nameservers:
        addresses: [8.8.8.8]
----------------------------------------------------
netplan apply 

をしても反映されなかったので、

nmcli device wifi connect myhomelan01 password p@sSw0Rd

で手動接続した。ただし、先ほど作成した /etc/netplan/50-wificonfig.yaml と、この処理で自動で作成された設定ファイルがコンフリクトしているせいなのか、再起動後にwi-fiに自動で接続されない状態になってしまった。自動作成されたファイルを削除(拡張子をリネーム)することで正常化したが、これで良かったのかどうかは確証がない。
(そういえばサーバで wi-fiの接続するなんて、今回初めてかもしれない。一度ちゃんと整理しておかないとですね)



以上で、「電源を接続してボタンを押すだけで(sshで入って)遊べるサーバ」ができあがりました。

それラズパイでいいんじゃね?

 実はこういう環境が欲しくてラズパイをいくつか買ったのですが、今回ほどサクサクと作業できなかった(気分が盛り上がらなかった?)という経緯があります。
何が違うのかなと考えたのですが:

  • Beelinkのマシンは、フルサイズのHDMIがそのまま刺さる。ラズパイは変換アダプタが必要で、毎度「どこに行ったかな」と探す手間が鬱陶しかった(整理しておけという話w)
  • Beelinkのマシンは、ACアダプタ付属。ラズパイは自分が持っているUSBケーブルをそのまま使えるのがメリットである一方、適切なケーブル類を自分で用意する必要があるのが一手間面倒。
  • 物理電源スイッチの有無。通電したら起動しちゃうという(ある意味メリットなのですが)のが、今まで自分が使ってきた「コンピュータ」と異なって、なんだか他人行儀というか、違う文化の世界に来てしまった気分で気が休まらない(笑)。


特に電源ケーブルの有無は大きくて、安心してそのまま繋いで使い始められるのか、ケーブル類の選定で一手間あるのか(そして「とりあえず今起動したいだけ」ならそのへんのを使うのだけど、ずっと運用する場合はそのケーブル類が占有されるので、結局最初から専用の電源ケーブルがあったほうが良い)。
ラズパイ専用として色々売られているので、適当なものを買って専用に使えば良いのですが、こんどは「単なるUSB給電だよね? コンセントの挿し口を1台でひとつずつ塞がないで、こう、5台分くらいまとめてケーブル出せるのないの?」などと思ってしまい(いや、そういう風にできるのは分かるんですけど、どの組み合わせがいいかを考えるのが面倒)、やはり「電源ケーブル付属ですぐ使える」ことが私にとっては大きかったのだなぁと感じた次第。

あとは、IPあどれすどうする問題をその都度適当にやっていたのが、今回、家の中でのサーバが使うIPアドレスルールを決めたので、今後ちょっとはラズパイでもやりやすくなってきたかもしれません。
→追記: 電源ボタンについて、↓こちらの記事で「ラズパイ5には待望の電源ボタン」と紹介されていました。自動起動は今まで通りとのことで、私のほしい電源ボタンは「点けるときはボタンを押す、落とすときは shutdownコマンドを実行する(ボタンは押さない)」なので、ちょっと思惑とは異なりました。しかし、あれだ。これなのかぁ(手元のラズパイ5のお尻部分の小さなボタンを見つめながら)。
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