2026年2月27,28日(金土)の 2日間にわたって駒沢大学で開催されたオープンソースカンファレンス2026東京春(OSC2026 Tokyo/Spring)に参加してきました。今回も日本MySQLユーザ会としてブース展示とセミナー1枠の開催をしてきました。
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定常運転
1日目は11時から展示開始。11時の少し前に設営を完了し、全3部屋(オーディオ部屋入れると4部屋)ある各ブースの知り合いたちのところへご挨拶まわり。

まぁとにかく東京開催は規模が大きい。次に自分のブースに戻ってきたのは1時半近くでした。こんな感じのゆるいブース展示をやっていますので、MySQLユーザー会のブースのお手伝いをしてもいいなと思った方はぜひ一緒にやりましょう。
少しブースで来場客のお相手などをしたらもうお昼の時間(といっても2時を大きく回っていますが)。同じくその時間に食べに行こうとしていた知人らとたまたま経路上で遭遇し、一緒にラーメン。戻ってからはさすがに真面目にブース対応しているうちに1日目終了。
2日目は設営の時間もいらず、挨拶まわりも1日目にいなかった人を見つけてお話するぐらいだったので、サクッとブースに戻りブース対応。土曜日ということもあって、前の日と比べてとても多くの方が来場され、コロナ以降にようやく賑やかなOSCが戻ってきたなという印象を受けました。近隣ブースでのおしゃべり、自ブースでの対応などしつつ、いただいたセミナー枠でお話し、撤収、懇親会、を経て、熱い2日間が終わりました。
I/O 50周年
とにかく今回印象的だったのは、工学社さんが出されていたブース。昔から「マイコン」を触っていた人たちにはお馴染み中のお馴染みの「月刊I/O誌」(いまもあるんですよ)が今年で創刊600号、50周年となるそうです。私もこどもの頃に読んでいたし、2003年ごろには記事を書いたこともあるので、特に思い入れが強いです。ひとつの雑誌が途切れることなく月刊刊行され続けてきたこと、本当にすごいと思います。1日目に感動したので、2日目には私の私物を3冊ほど(2023年が2冊と 1994年が1冊)展示用に提供させていただきました。同じ展示部屋だったので時々I/Oさんのブースの近くをうろうろしましたが、みなさん懐かしがっているようでした。良い。

「MySQLはいま」のセミナー
2日目(土曜日)14時にセミナーをやらせていただきました。もともとは私が最近取り組んでいるMySQLのGIS機能についてお話するつもりだったのですが、この1ヶ月、更には特にこの2週間のうちにMySQLを取り巻く状況に様々なイベントが発生しました。そんなわけで(GISの話は「私が話したい話」として残しつつも)「いま」を紹介するセミナーといたしました。 多くの方にお越しいただきありがとうございます。
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「・MySQLのGIS機能を拡張する話
・MySQL界隈で最近起こっていることの話
の2本だてです」
と紹介した上で、どちらを期待して今日は来てくれましたか、と最初に手を挙げてもらったのですが、0:100で後者でした。まぁそりゃそうよね。でもこのテーマにしたおかげでたくさん来てもらえたので、良かったです。
多少センシティブな面がある話題でもあり、言葉での説明を前提として作成された資料の文言や少しふざけた言い回しが一人歩きするのも面倒なので、資料の公開予定はありませんが、ざっくりこんな話をしました。
・1月末に preFOSDEMで、Oracle内のMySQL担当トップが入れ替わることが発表された。コミュニティ回帰への宣言や3月3日にお披露目イベントをやることも
・コミュニティ回帰とは、ユーザからの報告にちゃんと対応するとか、Enterprise版だけだった機能をCommunity版に入れることにした、とか良い話
・新トップは、技術担当のジェイソンさんと、コミュニティ担当のヘザーさんという顔ぶれ
・この人達は今のJavaコミュニティを作り上げてきた人
・「今のJavaコミュニティを」という辺りで眉をひそめる人は多そう。だけどビジネスで安心して使えるJavaを育ててきたことには間違いないのではないか
・ところで、そういう感じなので、Oracleによる「更に独善的な」MySQLの支配が強まるのではとの不安の声もある
・2月17日に、そういった声を代表してペルコナ社が「(ざっくり言うと)OracleだけでやらないでみんなでMySQL育てようぜ」というオープンレターを発表 An Open Letter to Oracle: Let's Talk About MySQL's Future
・2月20日に急遽Oracleが「エキサイティングなお知らせだ。2月25日(日本時間だと24時=26日0時)にウェビナーをやるぜ!」と発表。案内はTwitterでのみ行われ、リンク先の申し込みページに行くと氏名とメアドを入れるフォームがあるだけ(開催後になってからイベントページが作成された)、申し込むとZoomの機能で受付メールが来て、「質問がある人はこちらへ!」と書かれたリンクはヘザーさんのメールアドレス(フォームですらない)という、「急いで企画したな」と分かるもの。なぜ、何に対して、こんなに急いだかはそれぞれのご想像で
・25日のイベント。1時間弱のものだったけど、新しいトップの方々を中心として、お話の仕方や表情などの空気感、しっかり説明していること(仕込みかどうか知らないけど質問から逃げずにちゃんとお話された印象)、などなど、個人的にはとても好印象だった
基本的にみんな揉め事の話はワクワクするようなので、私のセミナーでも対立軸を明確にして少し面白おかしく仕立て上げようと思っていたのですが、25日のウェビナーの印象が想像以上に良かったので、何と言うかOracle社がこの「急ごしらえの」イベントを開催した意図が "火消し" であったとするならば、私個人としては、すっかり火を消された気分です。sakaik、チョロイ。 今後も一定の警戒心は持ちつつも好意的に注視していこうと思います。
ただ、私は長年日本のコミュニティの盛り上げの一翼を担ってきた立場として、何かと複雑な思いはあるわけですが、多くの人にとっては「ただ、便利で高速で安定したMySQLというソフト」が欲しいだけだと思います。MySQLを提供する側の新しい人たち、新しい方針は、そういった多くのユーザにとって良いものになる予感はしています。
みたいなことをお話させていただきました。思いのほか「Oracleさんヨイショ」みたいな話になってしまった気がして、終了後にちょっと反省しました(反省しなくていい)。とりあえず3月3日24時(JST)からオンラインイベントがあるので、あなた自身の目と耳で新たなMySQLのリーダーたちの声を聞いてみてもらいたいと思います(その結果、受けた印象が私とは正反対でも良いと思います。あなた自身で情報を得てみてほしい)。2人がメインで登場するのは最初の30分なので、眠かったらそこだけえも良いでしょう(私もそうなるかも)。
MySQL Global Forum – Built on 30 Years of Innovation
懇親会
駒澤大学の同じ建物にある食堂をお借りしての大懇親会。たくさんの人と話せて、はじめての人ともお話し、時に私の知人同士(互いにはじめて)を引き合わせるきっかけになれたり、など、充実の空間です。料理もいっぱいあって(OSCの懇親会はハラペコで帰るイメージが私に染みついているので)意外性もあります(?)。 各地から参加されてる方のおみやげもありがとうございました。
個人的なハイライトは、昨年からOSCに参加されている アイ・オー・データの方とI/O誌の方をお引き合わせできたこと。I/O and I-O。I/O誌は50周年ですが、I-O社も今年50周年だそうで、これは何か一緒にぶち上げて欲しいところです。おめでとうございます!
どうでもいい話かもしれませんが、カレーがおいしかったです。駒澤大学の学食の銀座スエヒロさんによるものと思いますが(違ったらすいません)、懇親会にこんなカレーを出してくれる駒澤大学最高!
まとめ
いつも見る顔が参加されていなかったりなど、ちょっとだけ勝手が違う部分もありましたが、それを補うパワフルな2日間でした。人の足が少し戻ってきたかなとの印象です。一方で、知識にも人にも触れることができるこんな場なのに、同僚や部下などを誘っても興味を示してくれないという悲しみの声も、会場内の雑談で複数聞きました。好みとか向上心とかそれぞれなので無理にお誘いするものでもないのですが、「知らないものに触れることができる」貴重な機会を活かせないのは勿体ないなぁとは思いますね。特定技術の狭い(深い)イベントも有意義ですが、OSCのような横断的な会でしか得られない養分もあります。 ようやく参加する意味が分かってきた頃には、もしかしたらこういうイベントはもうないかもしれませんよ(得てしてそういうものです)。 各地で開催されているOSC、あるいは他のITイベントに足を運ぶ技術者が増えたらいいのになぁと願います。
で、2日間も歩き回り、立っている時間も長く、いつもより早起きして会場に行く、というのをしていたら、ぐったりしました。こんなに「眠すぎて起きていられないから寝る」ところまで疲れたのは久しぶりです。布団まで持っていったスマホを、充電ケーブル挿す時間さえ惜しんで眠りについてしまいました(笑)。楽しかったです!










