オープンソースカンファレンス2025沖縄参加

 2025年11月29日(土)に沖縄・那覇市で開催された、オープンソースカンファレンス2025沖縄(OSC 2025 Okinawa)に参加してきました。
ospn.connpass.com

6年ぶりの沖縄開催

 2019年の開催以来6年ぶりの沖縄開催です。私は2017年が最後なので、実に8年ぶりの沖縄訪問。 OSCは様々な地域で開催されてきましたが、ずっと続いている地域もあれば、残念ながら開催が止まってしまった地域もあります。 沖縄では今回、さくらインターネットさんが会場提供してくださったことにより、久々の開催が実現しました。

OSC Okinawaの20年

 今回のOSCは、普段と少し異なり、以下のようなテーマが設定されていました。

今年のOSC沖縄では、今後のOSCとOSPNの方向性を皆さんで考え、認識を共有化出来たらと考えています。
現地参加だけでなく、オンラインでも皆さんのご参加をお待ちしています。

 いわば数年前に一度開催された OSCサミットのような 雰囲気で、全国各地のOSC メンバーたちが集まり、各地のたくさんの話をしてくれました。

私もひと枠発表

 今回私も日本MySQLユーザ会として、1枠発表の時間をいただきました。ワントラックで、発表者も多いので10分程度の持ち時間でしたが、 今回のコンセプトに倣い、主に20年間OSCに参加させてもらってきた中で思い出に残ったことや学ばせてもらったことなどについてお話をしました。 MySQLについては大切な事に絞ったので実質この1枚のみ。 春になるともう次のLTSが出るんですよね。

 「場を作る」ということに関して、失敗事例も含めて、OSCでは多くのことを学ばせていただきました。

ブースはまったり

 一応ブースの出展もしていました。今回は基本的にハンドキャリーだったので、展示品はほぼなし。 むしろブースとか関係なく、会場内でMySQLについて尋ねられればお話をし、私自身も他のブースでいろいろなことを教えてもらってという感でした。

交流会と懇親会

 夕方からは、まず会場内で交流会、そしてお店に移動して懇親会が開催されました。 セミナーの中で「畑違いなのですが」と言いながら蟻の研究の話をされた方がいて、 あまりに面白かったので、交流会で更にたくさんのお話を聞かせてもらいました。オープンソースでもないし、なんならITですらないのですが、仮説・検証を重ねて真実を追求する姿勢に心を打たれました。 半倍数性の話からコロニーの形成、いわゆる女王蟻の役割など聞いても聞いても尽きない話にわくわくさせられました。学部生さんとは思えない詳しさと落ち着きっぷりに、なんだか NHKの「沼ハマ」に出てくる人たちってこんな感じなんだろうなぁなどと妄想しました(出ていないそうです)。

久々の沖縄も楽しみました

 このエントリーでは、OSC本体のことだけを書きましたが、前後日程もできる限り、沖縄を堪能しました。 ソーキそばを食べ、延伸したモノレールの終点まで様子を見に行き、ステーキを食べ、オリオンビールをいただき、首里城を見学したり、南部をドライブしたり、三角点や基準点を見たり。 この点のことはまた別途noteに書こうと思います

まとめ

 年内最後のOSCとなる予定のOSC沖縄。普段はなかなかまとめて会うことがない方が全国から集まってくださったり、ここでしか会えない方とお話をさせていただいたりなど、大変充実したイベントでした。 11月は4回ある週末のうち3回が遠隔地でのイベント参加だったので、ちょっと体力空っぽ状態です。 たくさんのことを教えてもらって、まだ脳みそがパンクしていますが、少しずつ自分の中で整理していこうと思います。運営をされた皆様、イベントでお話をさせていただいた皆様、どうもありがとうございました。

MySQLのGIS機能2025

 このエントリは、RDBMS-GIS(地理情報・位置情報) Advent Calendar 2025 の1日目です。「RDBMS-GIS Advent Calendar」では今年も参加者を熱烈募集中です。RDBMSを中心としたなんらかのデータベース管理システムで地理情報データを扱ってみた体験やノウハウなどでお気楽に参加ください。今年は、アドベントカレンダーの期間中に書いたものだけでなく、2025年中に書いたブログなどでの参加もOKとしています。

 さて、2025年もMySQLのSpatial機能(GIS機能)は少しずつですが進化しています。現在のMySQLはLTSとInnovation Releaseという2本立てでリリースされていますが、基本的にLTSの方には新機能は加わらないので、このエントリーではInnovation Releaseのみ対象とします。(不具合の修正は、Innovation Releaseと同様の修正が MySQL 8.4 LTS にも加えられています)

2025年のMySQL Innovation Release (ver. 9.x)一覧

 MySQLのリリースは3ヶ月に1回。2025年もこのスケジュールに従って、4回のリリースが行われました。リリースされた Innovation Release のリリース番号は以下の通りです。

各バージョンで為されたSpatial(GIS)関連の修正

 2025年のMySQL Spatial機能の変更は、MBRに関するインデックスが壊れてしまう事象が直されたものが中心と言ってよさそう。それ以外では、9.4で加わったJSON関連機能でSpatial関連情報が正しく渡らないことが9.5で修正されたのがあるくらい。


MySQL 9.2.0
  • CREATE_SPATIAL_REFERENCE_SYSTEM が追加された
    • 今までは super 権限により実施可能だった以下のSQL命令が、この権限によりコントロールされます(superも継続だが非推奨に)
      • CREATE SPATIAL REFERENCE SYSTEM
      • CREATE OR REPLACE SPATIAL REFERENCE SYSTEM
      • DROP SPATIAL REFERENCE SYSTEM
  • MBRに影響ある更新と削除が絡んだ処理により、空間インデックスが壊れる事象があったのを修正。壊れたインデックスは新バージョンへのアップデートで自動で直らないので、いったん空間インデックスを削除して作り直すことを推奨。
  • auto_incrementと空間インデックスの両方を含むテーブルで INPLACEアルゴリズムでのALTER TABLE を実施すると、壊れることがあったのを修正。新しいレコードを用意している間に「空間インデックス内の」auto-increment情報が上書きされるために起きていた現象とのことですが、そもそも空間 インデックスの中にauto-incrementの情報なんて持っていたんだというところから(私は)理解が必要になりそうです。
MySQL 9.3.0
  • CHECK TABLE がクラスタドインデックスのジオメトリについて MBRの検証をしていなかった問題を修正
    • CHECK TABLE EXTENDED でクラスタドインデックスのレコードのMBRが正しいMBRと一致することを保証してくれるようになった
    • CHECK TABLE が空間インデックスの破損を誤って報告することがあったのを修正
MySQL 9.4.0
  • 空間データ型カラムのインデックス作成に関連する問題を修正、とだけアナウンス。詳細不明
MySQL 9.5.0
  • 暗黙的なGeoJSON表現に CRS URN を含めるようになった。常に含めるようになったということで、ST_AsGeoJSONの出力などでも(今まででも出力されていたと思いますが)、SRID=0 の場合でも確実に出力されるようになったとのこと。

この修正、よく分からないのでもう少し調べてみると「暗黙的なGeoJSON表現」というのが、MySQL 9.4.0で導入された「JSON dulality view」というもので発生し、その際にSRSが確実に渡されるように今回修正されたということまでは分かった。
MySQL :: MySQL 9.4 Reference Manual :: 15.1.17 CREATE JSON DUALITY VIEW Statement



さいごに

 LTSとInnovationにリリース体系が分かれたことを周知することに努めてきたこの2年近い期間ですが、そうこうしているうちに、あっという間に来年の4月には 次のLTSである MySQL 9.7 LTS シリーズがリリースされ、MySQL 10.x Innovation がはじまる見込みです。初めて2つのLTSが平行する記念すべき期間が始まります。そして 次の Innovation Releaseではどんな地理情報機能が加わるのか、半分期待、半分諦めで気長に楽しみにしたいと思います。
 Spatial機能に関して要望はいろいろあるけど、差し当たってわかりやすいところでは、MySQLへの入出力可能なデータフォーマットの拡充を期待したいところです。(ST_AsXXXX()系など)

YAPC::Fukuoka 2025 参加

2025年11月14,15日に福岡で開催された YAPC::Fukuoka 2025 に参加してきました。
yapcjapan.org

復活後3回目の参加

 今回の開催場所は福岡。YAPC復活開催後は、広島・函館に次いで3回目の参加になります。 日本全国で次々に開催していて、幹事の皆さんありがとうございます。 今回の会場は、博多駅から数駅行ったところにある福岡工業大学(福工大)でした。 このあたりは、福岡|九州 + 工業|産業|無印 の組み合わせの大学が沢山ありよく間違えてしまうのですが(本当は更にもう少しややこしい)、会場は福工大です。15年ほど前に、オープンソースカンファレンス(OSC)で利用させていただいたことがあります。

スポンサーしてました

 広島開催時の出来事への感謝の気持ちもあり、 函館に続いて今回も私の会社で微力ながらもスポンサーをやらせていただきました。 ARTRY(アートライ)ってやつです。

 私の会社では、既存のお客様などからの紹介によりお仕事のお話をいただくことが多く、特に宣伝することもないのですが、ブロンドスポンサーはチラシ1枚を配布させてもらえるということで、今回はせっかくなので何か面白いことを書いたチラシでも作って配らせてもらおうとも思っていた、、、、のですけど、結局準備する時間が取れず無念。「面白いこと」って意外と難しい。
 敢えて何か宣伝するとしたら「最近ちょっと力を持て余しているので、みなさん、社員の募集だけでなくパートナー会社とのご縁作りにも目を向けてみるといいんじゃないかな。いい人ここにいますよ」ぐらいです(要するに、お悩み事項があればお気軽にご相談、お声がけくださいということでよろしくお願いします。「課題」に関する話を聞かせてもらうだけでも楽しい)。

 残念だった点が一点。スポンサーは受付時に色々貰えないことは承知済みでしたが 、いざ会場に行ってみるとやっぱり 受付時のパンフ類は欲しかったなぁと感じました。ノベルティやバッグやTシャツはともかくとして、他のスポンサーさんたちがどんなチラシを配っているのかなどは興味あるので、スポンサーとして参加している人にも配ったほうが、情報を伝えたい側、情報を欲しい側双方にとって win だった気がします。

印象に残った話

 たくさんの講演者さんのとてもよく準備された濃厚な講演を楽しませていただきました。 あまりガツガツとメモを取りながら聴くという感じではなく、全体の雰囲気を楽しみました。その中で印象に残ったものをいくつか簡単に。

いなおさんの熱い思い

 ガッツリ技術系ではないしPerl要素も薄めだろうけど、開催前から一番楽しみにしていた講演でした。 雑誌(正確には定期刊行物)を作るために、どんなテーマを取り上げ、それを誰にどのように伝えてもらうかを決める過程での 発想やこだわり、思いなどを伺いました。 旬な話題を旬な著者に依頼し続けた積み重ねが、「YAPCの登壇者の半分は WEB+DB PRESSでできている」となったわけですね。新しいお仕事に移られてからの 考えや行動なども非常に魅力的なお話でした。 企画の際の「ビビってないか?」という問いかけは、slidoでの質問を見ても あまりよく伝わっていない人も多かったように感じましたが、私には「無用な遠慮をしていないか」「もっと踏み込めるのに、色んな理由をつけてやめちゃってないか」といった意味として、しっくりと来ました(この理解すら講演者の意図と異なるかもしれませんが、考えるためのよい刺激をいただいたのでヨシとしましょう)。
「ビビってないか?」、面白い表現ですね。

山澤先生の「AIを使う学生たち」

 今回の会場である福工大で学生を教えている先生の講演。ここ数年で、プログラミングの課題に対して学生がAIを使っている比率が急増しているという話を中心に、 教育現場の現状について伺いました。 教えていない名称がコメント欄に記述されていたり、学んだことがないであろうコードの技法が随所に見られたりなどを 数値化して、まさに「激増」である現状が紹介されました。 非常に悩ましい状況で、講演後にも知人らともディスカッションをして、色々思うところもあるので、改めて別のエントリーで書ければと考えています。
 学校教育や新人の教育という視点でのテーマでもあるのですが、一方でおそらく、長い経験を持つ我々のほうも、大きく意識を変えなければならないところに来ているのだろうなと感じました。

yoku0825さんのMySQL PITRのためのバックアップ

 立場上(?)もっとも楽しみにしていた講演のひとつ。ひたすらPITRのお話。バックアップの話というよりは、リストア(リカバリ)の話ですね。自分ではこのあたりの運用設計や設定をやったことがなかったのだけど、話を聞いたら手を動かしてみたいなという気分になりました。 XtraBackupは全然触ったことがなかったので、「PITRやるには(MySQL Enterpriseを除くと)これ一択」と聞けたのが良かったです。よし、やってみよう!(ここまで書いて、つい気になってAIさんと1時間ほどおしゃべりをしてしまった。。。リストアのためにprepare処理が必要であることから、リストア時にはバックアップファイルと同じサイズのストレージが必要だとAIが主張しているのだが、結構これは大事なのではなかろうか。。prepareしながらMySQLへのリストアを進める(ファイルには書かない)とかできれば良いのですが)

懇親会は2日目の夜

 前夜祭の帰り道で知人と話題にするまで私もずっと勘違いしていたのですが、懇親会の開催は1日目と2日目の間ではなく、2日目終了後だったのですね。 1日目の登壇者でも「今日の懇親会の前に」みたいなこと言ってる人がいて、やっぱり1日目終了後だと思うよねーと親近感を持ちました。
 懇親会は料理も豪華で、今回お店は訪問できなかったビアキチのビールも来てくれて、 大変盛り上がりました。 今回どちらかというと、旧交を温めたことが多く、新しい方に積極的に話しかけたりすることが少なめだったのですが、その中でも YAPCを支えるカメラマンさんとお話できたのは面白かったなー。今後ともイベントをよろしくお願いします!あと、Twitterで時々他人のリツイートから流れてきてお名前だけ存じ上げていた方とご挨拶できたのも良かった。

1日目の夜は水炊きへ

 時間を巻き戻して1日目の夜、懇親会があると思って何も考えていなかったのですが、少人数でいいから水炊きを食べたいなぁという気分になり(前夜祭の際に「もつ鍋より水炊き!」と現地の人にすり込まれたのがここで発現したらしい(笑))、夕方に博多駅近くのお店に電話して席を4つ予約。 知人らに加えて、YAPC会場で初めてお話しした方をお誘いして行きました。 ひとりだけ初めてだと居心地悪いかなと少し心配していたのですが、全く心配いらず、とても楽しい話題であっという間に時間が過ぎていきました。 コミュニティって素敵。ありがとうございました。

さくらインターネットさんの前夜祭

 さらに時間を巻き戻して、Day 0 の夜。何カ所かで前夜祭が開催されていたようですが、私はさくらインターネットさん主催の「さくらの夕べ」に参加していました。予想していなかった方にお会いできたり、ゆるい雰囲気ながらもとても刺激になる良い話をたくさん聞かせていただいたりと、参加してよかったです。開催ありがとうございました。また、お話ししてくださった皆様ありがとうございました。
 ここ、廃校を利用した施設だったと思うのですが、以前は普通に「学校だなぁ」という感じだったのに、今回行ったら全然違ってキラキラしていたのでびっくりしました。いつの間にこんなに進化していたんだ。。。

まとめ

 斯くも楽しいYAPC::Fukuokaでした。 全体として細かい技術要素の話に落ちず幅広い話が聞けること、幅広い層の登壇者や参加者がいること、そして、 開催が再開されて間もないこともあってか、参加者の極端なグループ化が起こっておらず、比較的多くの参加者とフラットな関係で新たな交流を築けることなどが良かったです。 もちろんそういう雰囲気になるようスタッフの皆さんの配慮、努力があってのことと思います。企画運営スタッフの皆様、講演で楽しく素晴らしいお話を聞かせてくださった皆様、そして一緒に会場の雰囲気を盛り上げて楽しい場にしてくれた皆様、どうもありがとうございました。
 来年はデカいぞ !

おまけ

 何人かの方に熱く語った「Windowsでも音声入力、すごいぞこれ!」なソフト、こちらです。音声だけでのパーフェクトを目指すのではなく、補助として考えるとちょうど良く、個人的にはもうこれなしで生活できません。
sakaik.hateblo.jp

飲食観光情報

 帰りに別の用事で寄った岡山の話も合わせて、飲食や観光などについてnoteの方に書いています。合わせてご笑覧ください。
note.com

RubyWorld Conference 2025 参加

 今年もRubyWorld Conferenceに参加させていただきました。
2025.rubyworld-conf.org


 RubyWorldには3回目の参加となり、 もともとの知り合いに加え、このイベントで知り合った方々とも「再会」と言えるお相手が増えてきた場となりました。 皆さんいつもありがとうございます。

1日目2日目講演

 印象に残ったことなどをつらつらと。今今思いついた順に書いていくので、順不同ですし、本当はもっとインパクトがあったのに、ここに書き漏れているものがあるかもしれません。

膨大な業界知識に圧倒

 歯科医療のクラウドサービスの紹介講演。とにかく圧倒的な業界知識の広さ深さに圧倒されました。UIの紹介を通しての仕組みの解説に多くの時間を割いていましたが、それらのUIを支えるデータ構造がどうなっているのかな、などと妄想を巡らしながら楽しく聞かせていただきました。 医療事務の本の第1章に書いてあるぐらいの点数制度や自己負担などについて少々知っている程度でしかない私には、 新鮮な話が多く、自分の詳しくない業界の話を聞くのは面白いなと改めて感じました。 一言で言うと「すごい」。

スモウルビーがWEB対応に

 オープンソースカンファレンス(OSC)というイベントで何度か松江に来ているうちに知るようになったスモウルビー。少なくとも10年前のOSCでは既に発表されていたものです。第1印象は「また妙ちくりんなラッパ(フロント)を...」「なんでもScratchにすればいいってもんじゃないんだぞ 」というものでしたが、地道かつ精力的な普及活動により すっかり会って当たり前のソフトウェアになったように思います。 その更なる普及に向けての障壁となっていたのが、Windowsアプリであるということ。 今回の発表でブラウザ上で操作できるようなウェブ対応になったというお話を聞きました。 ブースでの追加情報を合わせると、とりあえず多くの機能がブラウザ上で動作するようになったという段階であり、ユーザが作るプログラムコードそのものはまだ手元で管理するものとのことですが、 Windows以外の人が触る機会を提供できるようになったこと、そして次の段階としてネットワークを通したプログラムのやり取りや集約・公開などへの道が開けるという点で、非常に今後も注目しています!

 OSC 2015 Shimane : オープンソースカンファレンス2015 Shimane - オープンソースの文化祭!
(ちなみにこの年のOSCにはフェンリルさんも参加されていたようです)

ライザップの育成システム

 開発チームを立ち上げ、急激に大きくしていったRIZAPテクノロジーズさんのお話。 タイトルに「新卒9割超の開発組織」とあり、「そんなのありえないだろう」とか、「今やプログラムを書くってその程度のものなのかな」などとも思ったのですが、私の脳内で勝手に「新卒」を「未経験者」に置き換えていることに気づきました。それなりにベースの知識を持っている優秀な学生さんを集めたということなのでしょうね。
 徹底した文書化・手順化主義。必要な部分は徹底的に深掘りし、誰でも同じように必要なものを習得し、課題を解決できるようになることを目指した膨大な文章を基に、質の高い教育をしているといった内容だったと思います。 能力のない人が作るルールやマニュアルは害悪でしかないのですが、このように全体を見通して適切にコントロールする能力を持った人が中心に居ての仕組み作りは、かなりうまく回っているのだなという印象を受けました。日報という形式を用いたアウトプット重視も、(大変そうだけど)効果ありそうで良いですね。
 同社に勤める私の知人(カンファレンスには不参加)からSNSでメッセージをもらっていたのに気づくのが遅れたのが痛恨。会場にいるうちに気づいていれば、共通の知人として紹介してもらってお話できたのに 機会を逃しました。

Matz貴重講演

 まつもとさんの貴重な基調講演。Rubyのこれまでの話は至る所で聞いているはずなのに、聞くたびに新しいお話が出てくるのがすごい。「(Rubyについて)ぼくは自分が作ったものだから愛着あるけど、みんながなんでこんなに愛着持ってくれるかわからないw」という感覚の吐露が面白かった(笑)。
 来場者の中には3年5年先のRubyの話をまつもとさん自身から聞きたいと思う向きもあったようですが、まつもとさん自身は「まず目の前の一歩一歩」 と、おそらくやりたいことはたくさんあるだろうけれども、可能性レベルのものを安易に語らないあたりも、Rubyが長らえる秘訣なのだろうなと感じました。

Tangible Code

 つまみをぐるぐる回して、画面に動く模様を描画するという話。 タイトルをちゃんと見ないまま話を聞き始めてしまったので、「考えるな!感じろ!」とつまみを感覚で操作しながら コードのパラメータ値を変更していく手法を「感じブルコード」と紹介しているのかと勘違いしていました。Kanjible Code。実際にその場で、自分のスマホで動きを見られるのも、ライブ感があって良かったですね。
 話の本筋の部分ではないかもしれませんが、 ロータリーエンコーダーをこのように入力機器として使うことに大変興味を持ちました。 パラメーターの受け取り方などの書き方を一旦習得してしまえば、様々な分野で「感じブル操作」なオモチャを作れそう。(私の関心分野で言えば、地図の操作などに応用が効きそうです)

その他

 まとめちゃっててすいませんが、その他印象に残ったものをぽつぽつと。 まず「コミュニティに入って、美味しいお酒を覚えて仲間が増えて嬉しい!! 」みたいなお話。「コミュニティ」の力を信じて 微力ながらいろいろと運営に関わっている(Ruby以外ですが)立場として、ニコニコしながら聞かせてもらいました。まさに誇張ではなく「人生が変わる」という、そんな場にコミュニティがなれたのですよね。
 上定市長は毎年オープニングでお話を伺っています。RubyやITが持つ力について、本当によく理解されていて、 毎年お話を伺うのを楽しみにしています。 ご挨拶したいなと思いながらも、いつもオープニングが終わるとすぐにいなくなってしまうので、 日中はお忙しいでしょうから、できれば今度は懇親会にもお顔を出していただきたいと思う次第なのであります。
 永和さんのランチタイムLTはいつも楽しみにしています。 が、特に今年は持ち時間に収まらない人が多く、いよいよ本題というところで終わってしまったりして、 若干消化不良でした。 100秒ぴったりに収める「職人技」を見せていただくか、あるいは「大事なことは先に言う」にて、ご用意のネタ(本題)をまず 聞かせていただくなと 来年期待します。

大懇親会

 今年も盛大な大懇親会。ご当地割り子そばやおいしい日本酒のご用意が嬉しい。


 講演を聴いている間ではなかなか会えなかった人とも、「あ、来てたんですね」という感じで再会できるなど、やはり大懇親会は良いですね。 大概は共通の知り合いを通してという形にはなりますが、新たな方ともたくさんお話をさせていただき、オフラインイベントならではの醍醐味を堪能いたしました。
 参加票に印字されている番号による大抽選会では、(106番だったので)「ひゃく、ろく、、、」という声にドキっとして、続く「じゅうさんばん」(163番)を聞いてがっかりする、ということを何度か繰り返した後、 いよいよ最後のひとつというところで番号が呼ばれました。3年目の参加にして初めての当選です。うれしい。ありがとう!! まつもとさんにその場でサインをしていただきました!!

前夜祭

 時間を巻き戻して前夜祭の話、ANDPADさんが開催された前夜祭に参加させていただきました。 松江には何度も来ているけれども、鯖しゃぶを初めて食べました。 プリプリしていて厚みがあって最高でした。これは次に来た時も食べたい! 

 実はこの前夜祭、申し込みが遅れてしまい、補欠2番目となっていました。 当日、お昼過ぎに羽田空港を 飛び立つ時にもまだ補欠1番目だったので(誰かの都合が悪くなることを祈るのも変な感じですし)参加を諦めていたのですが、出雲空港に降り立った直後に繰り上がりの連絡をいただきました。 聞くところ、日中のイベントに参加されていた方で色々調整いただいたそうで、Connpass見るとたぶん大倉さんでしょうか、お譲りいただいた形だったようです。 なんかすみません、ありがとうございます。会場でお礼をお伝えすべきでしたが、お会いできず、本ブログにて失礼いたします。

 Ruby KaigiがRubyそのものを話題にすることが多いのに対し、RubyWorldはRubyを使って何をするかに焦点を当てているような点が気に入って松江のこのイベントに参加させてもらっているのですが、一方でそこはやはりRubyコミュニティなので、 前夜祭では「いま、次のバージョンのこの機能作ってるんだよね」みたいなお話が当たり前のように聞こえてきます。言語そのものを作っている人との距離の近さや、開発者の中でも自分が詳しくない分野を、他のコミッターに学びに行っているなどのお話が聞こえてきて、密かに興奮しました。 目の前で嬉しそうに中の仕組みを語っている人が誰なのか知らないまま会を終えたのですが、後で聞いたらtagomorisさんだったようで、モリスさん、MySQLのイベントには何度か参加していただいていたはずなのに 私の記憶が随分変わってしまっていたようで一発で認識できなかった痛恨。 懇親会で改めてご挨拶できてよかった。

運営とかスポンサーとか

 今年も素晴らしい運営をいただきありがとうございました。 会場内で受付から講演の聴講、大懇親会までとても快適にすごせました。

昨年より少し寂しい面も

 会場でもいくつか声を耳にしましたが、 例年と比べて、やや寂しく感じる面もありました。 2点ほど書こうと思います。
 まず会場に向かう道にて、橋にのぼりが立っていなかったり会場の建物にも大きな横断幕がなかったこと。 会場に向かいながら、「あれ、今年は会場違うところだっけ?」と少々不安になりました。(建物に入れば標識はあったので、私もいいオトナですから、あぁ、と この時点でなんとなく察しはつきましたが)
 もう一点が、展示会場へのセミナーの投影がなかったこと。 都合で公演会場に入れないとき(連絡待ちや短時間打合せなど)に、1階にいても「参加した気分」を味わえたり、あるいは休憩時間にお喋りしすぎても 講演が開始していたり開始予告がアナウンスされていることに気づけたりなど、あの投影はとても良かったので、今年なかったのは残念でした。 ノボリは、まあなくても困るものではありませんが、こちらはぜひ来年の復活をご検討いただきたいところです。

オトナの事情

 ノボリを出すにしても、別の部屋に映像音声を届ける仕組みを用意するにしても必要なものがあります。 そう、「先立つもの」です。毎度、カンファレンスを支えてくださっているスポンサーの皆様、ありがとうございます。
 私もイベント運営に 携わることも多い端くれとして わかるつもりなのですが、運営者って、できれば涼しい顔をしていたいんです。 多少大変なことがあっても「大丈夫ですよ」てって顔をしていたいものなんです。参加者には心配をさせないで、楽しんでもらいたいから。 今回のRubyWorldではまつもとさんをはじめ運営側から何度か ご支援の願いがありました。 運営者がこういう言葉を口にするというのは、本当に大変なんだと推察できます。 Rubyを使ってイイオモイをされている会社様におかれましては、カンファレンスへの支援、さらにはもう一段階上への支援をご検討いただけると、大変ありがたく存じます。私も単なる一参加者ですが、この楽しいイベントが今後も続くよう、お願いをする次第です。


 参考までに、ここ3年間のスポンサー数の変遷です。去年がすごかったけれども、全体として 協力する会社さんの数自体が著しく減っているというわけではないんですよね。 (一番左は今年シルバースポンサー 協賛金を1とした時の協賛金額の比です)

種別 2023 2024 2025
10 Ruby 3 3 2
5 Platinum 13 15 10
? 3 - -
2 Gold 12 14 15
1 Silver 22 33 27
Sum 53 65 54


.

協賛すると起こること

 「自社を知ってもらうことができます!」とはよく言うのですが、今回私自身こんなことがありましたという紹介を。
今回帰る日に石見銀山に寄ったのですが、面白いモビリティの取り組みがあったので 興味を持って写真を撮ったりしていました。 帰宅後にイベントでもらったパンフを整理していたら、今回のPlatinumスポンサーであるバイタルリードさんが運営するサービスだったことを知りました。


 GTFS対応ということで検索してみると、見事に「ぎんざんカート」も時刻検索結果に出てきます。素晴らしい!
図:Google Mapsの出力を元に筆者加工
(私、GTFSとかにも興味あります)

・・・・というような思わぬ宣伝になることもあるので、ぜひみなさまご企業におかれましては、イベント支援の上、「会場内だけでアピールしようとせずに、何か持ち帰って後で見てもらえるものを」ご用意されるといいんじゃないかなと思います。

おわりに

 いろいろ書きましたが、とても充実した楽しいイベントでした。運営の皆様、登壇してお話を聞かせてくださった皆様、会場でいろいろお話をさせていただいた皆様、どうもありがとうございました。 実は私は普段Rubyをほとんど使っていないのですが、2年前に このカンファレンスに興味を持って参加した際に「全体の雰囲気を知るためにも 、3回は無条件で参加する」と決めていました。今回はその3回目となります。来年のことは未定ですが、また参加したいと思う楽しいイベントでしたし、 その際にはまたお仲間に入れていただければ幸いに存じます。ありがとうございました。


カンファレンス以外の、松江行きの往路復路、松江でのお楽しみなどは、noteのほうに書きました。

note.com




.

リンク

過去の参加:
去年は Day2終わった直後に福岡に、おととしは一泊して翌朝広島に移動していたんですねぇ。今年は飛行機のお値段が夜のが安かったので、翌日たっぷり島根県を回る時間を取れました。今年のその辺の話はまた改めてnoteにでも。

sakaik.hateblo.jp
sakaik.hateblo.jp


会う人会う人に私が熱く語った音声入力の紹介記事:
sakaik.hateblo.jp

CEATEC 2025に行ってきた

10月14日から17日までの4日間幕張メッセで開催されているCEATECの、3日目に行ってきました。
何か知らなかったもの、面白いものに出会って、刺激をもらって帰ってこれたらいいな、ぐらいのつもりでいたのですが、予想していた以上に楽しかったので珍しくこういった商業イベントのブログも書きます。

11時40分頃に会場に到着し、15時40分頃に会場を後にしました。2時間程度いればいいなと思っていたのに、ちょうど4時間いたことになります。面白かった。後からニュースを見たら、私の到着直前まで石破総理が会場にいらしていたそうで、なぜ待っていてくれなかったのか(なぜ待っていてくれると思ったのか)。

印象に残ったものを箇条書きで。基本的に順不同です。敬称略。

  • キーボードのREALFORCE(東プレ)ブース。普段の愛用の御礼を伝えられればとお話をしてみたら、ものすごく詳しい方だったので認識しないキーやバネ音が気になる話など、たくさんたくさん伺うことができました。新製品R4の事も教えていただきました。放っておいてもお気に入りのキーボードではありましたが、お話を伺って一層愛着が湧きました。
  • 各地域のブース。単独で出していたり、共同出展の中の1ブースだったりと様々でしたが、市や県のレベルで出展されていて、いろいろお話を伺いました。ちょっと国内万博っぽくて、こういうブース大好きです。知ってもらいたいという自治体から企業招致、あるいは自治体で行っている取り組みのアピールなど、目的も様々でした。福岡市の高さ制限緩和で、今までよりも高いビルがどんどん建っているというお話に活気を感じました。
  • LBMAブース群。位置情報・地理情報のブース群。一応今回の最大の目的地でした。知人から「ブースを出しているから来てね」と言われて来たのですが、その知人は今日の担当ではありませんでした。残念。データ提供や分析、ビジュアライズなど、様々なレイヤーの展示があり、刺激的でした。
  • 東京都。デジタルツインの展示。公開している点群データについてお話を伺いました。データを一度取って満足するのではなく、継続的な更新の必要性について要望をお伝えできたのが良かったです。東京都が公開しているデータや3Dビューワーを使った事例などの情報を求めているそうなので、活用したりセミナーで発表したりしたときには、積極的にデジタルサービス推進部に連絡をされるといいと思います。応援したい。
  • ETC 2.0 。今までも何度もロゴは見たことがあったはずなのに、ああETCね、ぐらいに思っていたので、今回お話を伺って、その出来ることの広がりに期待を持ちました。とりあえず業務の運行管理向けに閲覧できるというログを個人の車でも見られるようになったら面白そうだなぁ。
  • Acompany(アカンパニー)さんの「秘密計算」。30年前に大学の教科書として買わされた書籍「ゼロ知識証明」が当時全然わからなくて(今もわからないのですが)何に使うんだろうと思っていたものが、こうやってビジネスに活用されているのを聞いて、胸が熱くなりました。
  • インフラをみんなでチェックするぴよクエ。インフラというキーワードとぴよクエという名前のアンマッチさに、思わず笑いがこみ上げ、一瞬通り過ぎた後で2、3歩戻って話を聞かせていただきました。みんながインターネットにつながったカメラを持っている今、様々な地域の映像情報が欲しい人と、それを気軽に提供できる多くの人たちとのマッチングというのは、とても将来性があると感じました。期待。
  • iPhoneにくっつけて高精度な位置情報(RTK)を取得できる機器。LefixeaのLRTK Phone。お話聞いているうちに最近広告か何かで目にして「すごく欲しい」と思っていたものであることに気づきました。屋内の展示だったので、実際に動いているところは見られませんでしたが、点群のスキャンや平面直角座標系の変換など、おそらく現場が欲しいだろうと思う機能がてんこ盛りで魅力的でした。ちょっと趣味で買うにはお高いものでしたが、こういった情報でお金を稼いでいるところでは導入メリットがあるんじゃないかなと思いました。というか、これを導入した会社さん、何かお手伝いするので、一緒にお仕事しましょう(何かってなに(笑))。帰り際にたまたま目に入ってお話を聞いたブースでしたが、何気にトップクラスにワクワクしました。


 このようにとても楽しくためになったCEATECでしたが、相変わらずコンパニオンさんに名刺代わりのQRコード読み込み数をKPIにしているブースなどはひどいですね。目の色を変えてQRコードを取りに来るので、来場客に体当たりしたり、道を塞いだり、周りを見ていなかったりなど、とにかく残念すぎる印象の会社さんがいくつもありました。そういう会社からメールもらっても、迷惑メールフォルダー直行になることに、そろそろ気づいてほしいなと思うところであります(またはメールをもらうたびに「ああ、あの会社か」と悪い印象が蓄積されていきます)。

 最後に少し毒を吐きましたが、今回の満足度は特に高かったです。ブースを出されていた皆様、おつかれさまでした。特に喫緊解決すべきテーマを持っているわけではありませんが、とても刺激になり、いくつかの商品は微力ながら応援したいと思うなど、本当に行ってよかったです。ありがとうございました。

こんな音声入力ソフトが欲しかった!WindowsでAqua Voice

きっかけ

 オンラインイベントが盛んなこの時代に、やはりオフラインでなければ、得られない情報というものがあります。この Aqua Voice という音声入力ソフトもその一つ。FOSS4G 2025 JAPAN に参加した帰り道に Kirimotoさんとの雑談の中で教えていただきました。早速使ってみて、まさにこんなのが欲しかったというものだったので紹介します。
aquavoice.com

私の使用用途

 SNSに書いたりブログを書いたり、また執筆したりなど、文字を打つ機会が非常に多いほうだと思います。また最近はChatGPTやClaudeなどのAIと会話しながら色々なことを教えてもらう機会も増え、その際のキーボードでの入力が億劫になってきた、音声で次々に質問できたらいいのにと思うことも増えました。ただし、すべて音声入力だけで賄おうという思いは全くなく、大部分が音声で入力できて、その文章をその後、手で直したり編集したりすることは前提として考えています。主な使用環境はWindows(まだ10なのですが)、家でのデスクトップでの利用がメインです。

評価

 もう言うことなし、まさにこれが欲しかったものですの一言につきます。

使い勝手

 このブログも、大部分をAqua Voiceを使って入力しています。どんな使い勝手なのかを簡単に紹介しましょう。入力中は、Aqua Voiceの小さな窓が別に開き、そちらに入力内容が表示されていきます。これはすでに入力した部分の内容も文脈に応じて調整していくという仕組みのためです。

 音声入力は右のコントロールキーを押しているときだけ受け付けられ、Ctrlキーを離すと確定されます。確定されるとテキストエディターやこのブログの入力画面、またはチャットGPTとの会話画面など、今開いている入力場所にチャットGPTとの会話画面など、今開いている入力場所に表示されます。押している時だけではなく、入力状態をロックすることができます。右コントロールキーを2回押すことでロックされます。なお、この操作キーは、デフォルトでは右Altキーでしたが、私のキーボードでは、端っこにあるCtrlの方が使いやすかったため、こちらに自分でアサインしました。
 私は押しているときだけ認識されるモードのほうが使いやすかったです。Ctrlキーを押して認識させ、キーを離して確定するということを繰り返すことで、話している作業とキーボード操作の作業がシームレスに繋がり、キーボードから手を離すことなく作業を継続できるのが魅力です。

注意点

 私は自分のブログや、他愛もないAIとの会話、または、SNS投稿などを中心に使うため問題なしと判断して使っていますが、音声認識は自分のPCではなく、サーバー上で行われるということに、内容によっては注意が必要です。ローカルのPCで処理するソフトも他にあるようなので、機密情報などを音声認識したい場合はそちらを検討するのがよいでしょう。あとは、つまりネット環境がないと変換もできないということなので、この点も注意が必要です。

利用開始方法

 Aqua Voiceのサイトに行って、ツールをダウンロード、起動して、Googleアカウントでログインするだけで使いはじめることができます。個人的にはあまり他のサービスの権限を使ってログインするのは好みではないので、メールアドレスでユーザ登録のようなことができればいいなと思っていましたが、今のところ、Googleアカウントでのログインしかないようです。Windows版とMac版があるようです。
 そのまま無料では1000ワードまで利用できるとのことですが、ちょっと試している間にあっという間に上限に達してしまいました。私は少し触ってみてとても気に入ったので、すぐに課金しましたが、これを書いている時点では月額払いだと9.99ドル/月、年間払いだと96ドル/月(月8ドル相当)でプロ版にアップデートできます。プロ版では変換量は無制限のようです。
 以下のリンクからサイトに行って利用開始すると、条件を満たすとあなたと私の両方に10ドルのクレジットが入るということなので あなたは1ヶ月間無料でProを使えるよう(に変更になったようです)なので、よかったらこちらからどうぞ。私も1ヶ月に相当するぶんをもらえるみたいなので、私もうれしい。
(条件というのが、あなたがインストールして2000単語を使用するか、またはプロにアップグレードつまり課金すればということなのですが、無料枠が1000単語なのでちょっとこの辺の条件がよくわかりません。

aquavoice.com

まとめ

 20年以上前より、音声認識音声合成にゆるく興味があり、いくつかの製品を試してきましたが、どれも、認識精度や変換精度、使い勝手など、満足できるものではありませんでした。このAQUA VOICEは、珍しもの好きが頑張って使うというものではなく、十分に日常用途として自然に使えるものになっていると感じました。 もちろん、この音声入力だけで全てが賄えるものではなく、キーボードでの入力や修正などと併用する使い方だからこそ、ここまでの満足度の高さにつながっている部分があると思うので、人によってはさらなる高い望みを持っているかもしれません。しかし、私にとってはタイトルに書いたとおりの、こんな音声入力ソフトがほしかったというレベルで大満足のソフトでした。Kirimotoさん、ご紹介ありがとうございました!!


おまけ

 基本的にPCにマイクがつながっていれば使えるものですが、参考として私の機材を紹介します。
まずマイク周りですが、ローランドのUVC-02をUSB接続し、オーディオテクニカのグースネックマイクPRO49Qを刺しています。コンパクトでありながら、手元で音量の調整やマイクオンオフの操作ができるのが便利です。

 キーボードはREALFORCEのテンキーなしのキーボードで、30gを愛用しています。一度45gを買ったら重くてしっくりこなかったので、今は30gに落ちついています。この右下のctrlキーを私はAqua Voiceのスイッチとして使っています。

 

FOSS4G 2025 Japan に参加

2025年10月12日に開催されたFOSS4G Japan のコアデイに参加してきました。この前日にはハンズオンデイも開催されていたのですが、立て込んでいたこともあって、今年はコアデイだけの参加にしました。
www.osgeo.jp

今年のテーマは『 Connect to [ ] 』。多くの登壇者が括弧内にそれぞれの Connect to を入れて発表してくれました。幅の拡がりが大きな、良いテーマだと思います。

活きた心地がしない(笑)

 今回の講演は多くの時間で3トラック並行で行われました。1階に1部屋、地下1階に2部屋。この地下の部屋が、携帯の電波が全然入らない。講演を聞きながら検索をしたりツイートしたりするためにネットワークにつなげたいものですが、それが叶わぬ今回のイベント。なんというか息ができないようなそんな気分でした。特にツイートができないというのはイベントとしてもちょっともったいなかったかなと思います。これが今回のイベントの唯一にして最大の残念ポイントだったかな。

今回はほぼ聴衆に徹する

 私は一応OSGeo.jpの運営委員なのですが、時間の都合もあって、今回のFOSS4Gの実行委員的な活動にはほとんど関わることができませんでした。なので今回はほとんど一般参加者気分で気楽に参加させていただきました。いつも以上に内容に集中してイベントに参加できたような気がします。これもこれでいいなぁ。

印象に残った話題・講演

データベース三部作

 やはり私のホームグラウンドですから、特にデータベースに関する3つの講演は非常に興味深く聞きました。
 井口さんの講演では、PostgreSQLをローカル以外のどこで動かすかという話題で、特にPostGISが動作することが大事です(この点、MySQLならオールインワンなので、こんなことを気にしなくて良いですね(笑))。紹介された中でNEONというサービス、こちらちょっと気になりました。後で触ってみたいです。スライドとデモページを公開してくれています。


 boiledorange73さんの講演ではPostGISでのトポロジーデータの扱いについて。最近、法務局の登記所備付地図データに触れることが多いので、そういった境界線を持つようなデータの扱いに便利そうだなと思いました。一方で、制約ガチガチのデータ構造ということでもあるので、意外と実際に触ると使いどころが難しいのかなという気もします。
 MySQL枠ではいつもの山崎さんに変わって梶山さんが登壇。決して得意なジャンルのご講演ではなかったと思いますが、いつもと違った雰囲気で、MySQLGIS機能について話を聞けたのが新鮮でした。のんびりと聴講していたら突然、私が最近ThinkITで始めたMySQL GISの連載を紹介していただき、いきなり「真ん中に座っているあの人」と名指しされて、机に頭をぶつけそうになりました。何度も何度も紹介していただいてありがとうございます! その連載はこちらです↓
MySQLで学ぶGIS入門 記事一覧 | Think IT(シンクイット)

MAPPLEのMapLibre Style Specの工夫の話

 長年の地図作りで培われたノウハウが詰め込まれたマップルのオンライン地図。ベクタータイルをMapLibreで描く際の様々なノウハウが興味深かったです。道路や鉄道などの立体交差での表示順序や、地図を回転したときの文字の表示、色の指定など、細かいノウハウ満載の講演でした。個人的にはこの数年間はMAPPLEさんが作ったホーム局地図ビューワーで頻繁に地図を利用させていただいています。
https://labs.mapple.com/mapplexml.htm

pmtiles

 台湾付近から来日して公演してくれた bdonさん。英語での講演だったため、おそらく半分も理解できていなかったと思いますが、私の事前調査が甘くてbrandonさんが何者かを把握しないまま最後まで講演を聞いてしまいました。何を勘違いしたかって、PMTilesを使ってProtomapsというサービスを作ったのだなと思って聞いていたんですが、実はPMTilesの発明者だったと後から聞いてひっくり返そうになりました。事前調査と英語を聞く能力、やっぱり重要ですね。PM Tilesについては名前を聞いたことがある程度でしたが、興味深い点も多く、機会があったら触れてみたいと思いました。

その他

 若手の講演があったり、行動や活動を呼びかけるようなお話もあったり、情報発信の話があったり、それぞれ大変興味を持って聞かせていただきました。
以下は講演で紹介された、日本での地理空間情報の話題を英語で海外に伝えるサイト。こういった活動を積極的にされていることに頭が下がります。長く続いてほしいです。
jgtimes.org
あと、植生図の公園も面白かったです。今までの歴史や技術的な話ももちろん面白かったのですが、一番最後に紹介された植生図からこんなことがわかるという話が、データが生き生きとして見えて引き込まれました。

たくさんお会いできた

 今回もたくさんの人にお会いすることができました。一応、この分野は素人なのですが、たくさんの人が私のことを覚えていてくださり、声をかけてくださり、色々なお話をすることができてとても楽しかったです。ほんと、ありがたい。ありがたい。

懇親会

 隣のビルの7階で懇親会。もちろんエレベーターはあるのだけれども、待ちきれずに階段を上っていく人がそれなりにいて、やはりジオ系は健脚の人が多いのかななどと思いました。みんな元気だなぁ。 立食形式の懇親会ではいつもお腹を空かせて帰る私ですが、お食事も結構立派に用意していただき、お腹も満足、おしゃべりも満足の懇親会でした。手配してくださった方GJ。
 全部はここには書き切れないのですが、たくさんの情報交換をしたり、知らなかったことを教えていただけたり、とても有意義で楽しい懇親会でした。
 懇親会でのライトニングトークは気づいたときにはもう受付してないよと言われたので、諦めて特に準備をしていかなかったのですが、急遽発表できることになり、慌てて懇親会の会場の隅っこで資料を作りました。今年1年間、関西、九州、北海道のFOSS4Gで発表してきた内容を大駆け足で紹介する内容です。3地区で120枚近く。みんなが使っている緯度経度(または平面座標系のメートル)の根拠となっている測量に関するモニュメントや緯度経度に関するモニュメントなどを紹介していますので、よかったらぜひ3地区の資料と合わせてご笑覧いただければ幸いです。

speakerdeck.com

帰路

 こんな感じで、講演も懇親会も脳みそが刺激されまくりでとても満足のFOSS4Gでしたが、帰り道に電車でご一緒したKirimotoさんに教えてもらった情報が、今日1日のすべてを上書きしてしまうぐらいの重大情報でした。Kirimotoさんには一昨年も英語学習のアプリを教えてもらったことがあり(いまでも課金しています。最近ちょっとサボり気味ですが)、どこでこんな情報を手に入れるのだろうというくらいの幅広い良い情報をお持ちのことに、本当に頭が下がります。
 教えてもらったのは音声入力のソフトです。話を聞いてまさにこんなのが欲しかったと直感し、早速インストールして使ってみています。詳しくは別のエントリーで書こうと思っていますが、変換精度も高く、言い直しなども適切に修正してくれて自然な入力ができるなど、想像していた以上に快適です。このエントリーも大部分を音声入力で入力しています。キー入力とシームレスに使うことができるので、所々手で直したりしています。手で打ちたい時にはそのまま手で打てたりして、使い勝手が良いと思います。
 とりあえず1000ワードまでは無料で使えます。それ以上は課金により無制限利用可能なのですが、私にとっては年間96ドルは「アリ」な、満足の動作でした。以下のリンクからサイトに行ってダウンロード&一定量使用するとお互いいいことがあるみたいです(課金ユーザーにアップグレードするか2000ワードを使ったときに双方に10ドルのクレジットが入るとのことですが、無料利用が1000ワードなので、ちょっとこの辺の整合性がよくわかりません。いずれにせよ、とりあえずこのリンクから使ってみるといいと思います)

aquavoice.com


いやはやジオ系を勉強しに行って音声入力情報に満足して帰ってきてしまいました(笑)。皆様どうもありがとうございました。

今回、FOSS4G Japanに行ってきました的な写真が一枚もなかったので、セミナールームの一室で使われていた高性能自動追尾カメラの写真でも.