科学哲学の冒険

 



先日読んだデータベースの本に、参考文献として戸田山さんの「論理学をつくる」という本が紹介されていた。どこかで聞いたことのある名前だな、、と思って調べてみたら、以前読んで感動した「論文の教室」というニホンゴの文章の書き方の本の著者さんでした。 こんなことをやっている人だったんですか。。。論文指導員だと思っていましたよ(^^;;)。
 そお「論文の教室」がとてもよかったので、amazonで見つけた本書も読んでみました(「論理学をつくる」も購入したのですが思っていたより大判で重かったので、まだ本棚の中に眠っています。。。) 
 「論文の教室」に負けじと、、、いやさらにパワーアップした「会話形式」の本。会話形式、結構難しいんですよね。。。私も一度やってみたかったので、オンライン版の連載で会話形式をやらせてもらったのですが、変化が出ないとか、雰囲気を出そうとして(本筋じゃない)状況説明に行数を使ってしまったりとか、かなり苦労しました。楽しかったですけどね。


 さて本書。各部分での議論はわくわくしながら読みました。そもそも科学ってなに、とか様々なことを考えさせられました。 でも読み進めていくうちにだんだん、そんなことどうでも良くなってきて「うまく説明できているし "だいたい" それっぽいからそれでいいじゃん」という気分になってきました。現在「正しい理論」と呼ばれているものを応用して、それまでになかった「なにか」が導き出されたらそれでいいじゃないか、という考え方です。「たしかに電気は発電され、ロケットは飛ぶ」という結果が導き出せるならそれは「正しい(正確には "正しそう")理論」と思っておけばいいじゃないか、ということですね。
 これは何主義になるのだろう。。。


 なかなか「難しい」でも「楽しい」思いで読み進められる本でした。途中でどうでもよくなってきたのに最後まで読み通そうという気にさせられたのは、戸田山さんの「伝えたいという思い」の強さによるものでしょう。