第17ステージ

 いやぁ、見所満載のステージだった。
1,超,2,1,1級の山を通過するステージ。
最初のグランドン峠も名物コースだし、2つめのマドレーヌ峠は本ツール最高峰(最高標高)の文字通り「山場」である。

 さて、そのマドレーヌ峠シモーニら数人が先行して登っている。後ろの集団からはヴィランクとモローが飛び出し、マドレーヌの山頂を目指して猛追撃。途中モローがついて行けなくなり、ヴィランク一人でシモーニ集団に追いつく。
 見所はここから。
マドレーヌ山頂近くになると、当然のようにヴィランクが山頂一位通過を目指しアタック。大抵のシーンではこうなると皆、その山頂はヴィランクに譲る、あるいは歯も立たないのだが、この峠では思いもかけないことが。
 シモーニが、ヴィランクのアタックに反応したのだ。両者ともに譲らない。その山頂を取ったのはシモーニ。山岳王者同士の意地のぶつかり合い。迫力があった。


 暫く進むとモローが追いついてきて、先頭を走行するのは、シモーニ、モロー、ヴィランク。決して今年の総合狙いの選手ではないが、ランス以外のスター達の活躍を見て、非常にわくわくした。


 最後の峠を最初に通過したのは五人。ランス、ウルリッヒバッソに、クレーデンと、今日はランディス。ランディスはここまでずっとランスをアシストしてきた。
 最後のくだりに入ってすぐ。なんとそのランディスアタック。ウルリッヒが追い、ランスはさらにその後ろ。バッソクレーデンはもっとうしろ。
 しかし、ウルリッヒ、ランスがランディスに追いつくも、ウルリッヒは前に出ず、結局後ろの二人を待ってしまった。また五人。
 そして残り1kmのゲートへさしかかった時、今度はクレーデンがアタック。爆発力のあるアタックだったが、ここもまたもやランディスの大活躍。すかさず追いかけ、おいつきそうなその時! ランスが飛び出す。黄色いランスがゴールスプリントを!? 俄には信じがたい光景だった。ゴールを制し、両手を上にあげて、口を大きく開いて喜ぶランス。強い。強すぎる。血が騒ぐような勝利にいつまでも興奮が冷めない今日のステージだった。



ツール・ド・フランス 第17ステージ結果:

1 Lance Armstrong (USA) US Postal     6.11.52 (33 km/h)
2 Andreas Kloeden (Ger) T-Mobile      
3 Jan Ullrich (Ger)     T-Mobile         0.01
4 Ivan Basso (Ita)      Team CSC      
5 Floyd Landis (USA)    US Postal        0.13


第17ステージ後の総合順位:

1 Lance Armstrong (USA) US Postal    74.04.56
2 Ivan Basso (Ita)      Team CSC         4.09
3 Andreas Kloeden (Ger)  T-Mobile        5.11
4 Jan Ullrich (Ger)     T-Mobile         8.08
5 Jose Azevedo (Por)    US Postal       10.41