いやぁ、見所満載のステージだった。
1,超,2,1,1級の山を通過するステージ。
最初のグランドン峠も名物コースだし、2つめのマドレーヌ峠は本ツール最高峰(最高標高)の文字通り「山場」である。
さて、そのマドレーヌ峠、シモーニら数人が先行して登っている。後ろの集団からはヴィランクとモローが飛び出し、マドレーヌの山頂を目指して猛追撃。途中モローがついて行けなくなり、ヴィランク一人でシモーニ集団に追いつく。
見所はここから。
マドレーヌ山頂近くになると、当然のようにヴィランクが山頂一位通過を目指しアタック。大抵のシーンではこうなると皆、その山頂はヴィランクに譲る、あるいは歯も立たないのだが、この峠では思いもかけないことが。
シモーニが、ヴィランクのアタックに反応したのだ。両者ともに譲らない。その山頂を取ったのはシモーニ。山岳王者同士の意地のぶつかり合い。迫力があった。
暫く進むとモローが追いついてきて、先頭を走行するのは、シモーニ、モロー、ヴィランク。決して今年の総合狙いの選手ではないが、ランス以外のスター達の活躍を見て、非常にわくわくした。
最後の峠を最初に通過したのは五人。ランス、ウルリッヒ、バッソに、クレーデンと、今日はランディス。ランディスはここまでずっとランスをアシストしてきた。
最後のくだりに入ってすぐ。なんとそのランディスアタック。ウルリッヒが追い、ランスはさらにその後ろ。バッソとクレーデンはもっとうしろ。
しかし、ウルリッヒ、ランスがランディスに追いつくも、ウルリッヒは前に出ず、結局後ろの二人を待ってしまった。また五人。
そして残り1kmのゲートへさしかかった時、今度はクレーデンがアタック。爆発力のあるアタックだったが、ここもまたもやランディスの大活躍。すかさず追いかけ、おいつきそうなその時! ランスが飛び出す。黄色いランスがゴールスプリントを!? 俄には信じがたい光景だった。ゴールを制し、両手を上にあげて、口を大きく開いて喜ぶランス。強い。強すぎる。血が騒ぐような勝利にいつまでも興奮が冷めない今日のステージだった。
ツール・ド・フランス 第17ステージ結果:
1 Lance Armstrong (USA) US Postal 6.11.52 (33 km/h) 2 Andreas Kloeden (Ger) T-Mobile 3 Jan Ullrich (Ger) T-Mobile 0.01 4 Ivan Basso (Ita) Team CSC 5 Floyd Landis (USA) US Postal 0.13
第17ステージ後の総合順位:
1 Lance Armstrong (USA) US Postal 74.04.56 2 Ivan Basso (Ita) Team CSC 4.09 3 Andreas Kloeden (Ger) T-Mobile 5.11 4 Jan Ullrich (Ger) T-Mobile 8.08 5 Jose Azevedo (Por) US Postal 10.41