プロ不在の生放送

 昨日(正確には今日未明)の放送で、ついにツール・ド・フランスが開幕した。
ついに始まったと興奮している自分がいる一方で、どこかがっかりしている自分がいる。
ツールの成績のことではない。 放送の質のことだ。
好き嫌いの多いことは承知しているが、昨年まで要所要所を押さえていたフジテレビの青嶋アナ。彼はプロである。ここでいう「プロ」とは単にそれで飯を食っている、という意味ではなく、姿勢、経験、能力を含めた内容のことを言っている。
今年も当然最初のステージでは青嶋氏が実況担当となるだろうと思っていたのだが、なんと実況担当(ナビゲータ)は白戸氏であった。 


 彼は
・日本語を正しく使えない
・状況を的確に判断して瞬時に適切な対応を取ることができない
・思いこみで事実でないことを語ってしまうことがある
の三重苦を持っているので、ツールの要所の中継には向かない。
(もちろん「単なるシロート」として見たときには、ものすごく「お上手な」ナビゲータだと思うが、昨年まで担当していた「上手で的確なプロ」をやめてまで「お上手なシロート」に担当させる意義はこれっぽっちも感じられない。(おイエの事情は視聴者の知ったことではない)


 雰囲気で「担当時間をだらだらなんとか埋める」ことに関しては下手ではないが、昨日の中継を見ても何一つ情報が出てこなかった点が、今後3週間、思いやられる。
「プロ中のプロ」のレースを「プロ」の現地スタッフが撮影や映像配信し、日本のアマチュアが伝える。 なんだか、やるせない気分だ。

ちなみに、この文の中で遠回しに「シラートはシロート」などというくだらない駄洒落を言うつもりは、ない(ことにしておく)。


 今年の放送メンバでは、Sacha+栗村の両氏の中継が一番の期待か。
最初は「ダマリン」などと一部で揶揄されていたが、いまや最も適切なタイミングで適切な解説を行える一人だと感じる。
「まずレースの中継ありき。その合間に雑談やら視聴者のゴキゲントリ(メール紹介など)をする」という "ツール・ド・フランス中継" としては当たり前のことが、ごく自然に(あるいは自然に見えるように)振る舞える人である。