ウェルチの「伝える技術」

ウェルチの「伝える技術」

ウェルチの「伝える技術」


 確か昨年購入していたのを、ようやく積ん読からデキューして読みました。何故この本を先に読まなかったのか、悔やまれるほど良い本でした。
 タイトルからは「伝える」ことに関するテクニックやノウハウを満載した本という印象を受けていましたが、そうではなくこの本はウェルチのスピーチライタを務めていたビル・レーン氏の視点から見たウェルチの(CEO時代の)伝記だと言っても良いでしょう。
 会社のカネで豪遊を楽しんだことを誇らしげに書いているなど、成金趣味的な自己満足が鼻につく面もあるがそういったところは軽くエピソードだと読み流すことにした。本書の主旨である「伝えることの重要さ」については、こんな本を待っていた、と思うくらい賛同しました。 
 いいものを持っていたり考えたりしていても、それが相手に伝わらなければ意味がない。勿体ない。最大限効果的に伝えるために行う念入りな準備。レーンとウェルチはそれを実践してきたし、社内にも「伝える」大切さを浸透させた(つまり評価に影響するようにした)という点は、私自身もこれからも肝に銘じておきたいし、機会があれば組織にもこれを浸透させたいと思うものです。


 私と仕事をする人には必ず読んでもらいたい一冊。 そうでなくても、自分の仕事が正当に評価されていないと愚痴をこぼしている人にも読んでもらいたい。あなたは「自分の仕事」をどのように評価者に「伝え」ましたか。 やることをやっているだけで見る人はちゃんと見ていてくれる、それはある種の理想である面はありますが、グループで、そしてチームで何かをする場合には伝わるところまでが仕事だということが、本書を読むとごく自然に理解できるようになると思います。



.