2ヶ月程前から試験的に公開されていた MySQL 8.0 日本語マニュアルが、ユーザらからの指摘・修正提案を反映して、昨日正式公開されました。実現に尽力くださった関係者の皆様に、心から感謝を申し上げます。
mysql 16642:MySQL 8.0のリファレンスマニュアルの日本語化について
旧バージョン(MySQL 5.6)のマニュアルにまるきり同じ文章があった部分はそれを採用し、それ以外の部分は基本的には機械翻訳(一部ユーザ指摘等により手動で修正)という仕組みなので、必ずしも自然な日本語ではない部分も多くあるのですが、それでもまず最初に目を通す文書が日本語になっているというのは、情報収集の効率が3桁か4桁くらい違います。助かる。
日本語で見て、あれ?と思った時に英語のマニュアルを参照できると、意味を理解するのに役に立ちますので、日本語マニュアルと英語マニュアルを行ったり来たりする方法を紹介しておきます。とりあえず説明の都合上、英語マニュアルからスタートします。
MySQL 8.0 マニュアル(英語)を見ると、右上に、[version 8.0]と書かれた部分があります。
開いてみると、他のバージョンの名前が並んでいます。5.7 とか 8.0 Japanese とかがありますね。
ここで 8.0 Japanese を選んでみましょう。
もともと英語で見ていたページに対応する 日本語ページが表示されました。日本語ページからも同様にして [8.0 English] を選択することで英語ページへと移動できます。
ちなみに、知っておいて損はないと思いますが、URLの操作でバージョンを変更することもできます。
https://dev.mysql.com/doc/refman/8.0/ja/spatial-function-argument-handling.html
というページを見ているとき、URLの中程にある /ja/ の部分を /en/ に変えれば良いです。
日本語マニュアルの、今後の修正対応の方針については、細かいことは決まっていないようですが、読みにくさの改善はともかく、明らかな誤訳があれば修正に尽力していただけるのではないかと期待しましょう。明らかな誤訳(たとえば意味が正反対になってしまっているとか、行動主体が違うとか)に気づいたら、 bugs.mysql.com にカテゴリ Japanese Documentation で報告すると良いと思います。報告したら、対応を願いながら気長に待ちましょう。
マニュアルページの右上を開いてみて気づいたかと思いますが、英語以外の言語にマニュアルが翻訳され、提供されているって、すごいことなんです。世界中にいろんな言語があるのに、英語以外にマニュアルがあるのは Japanese だけ! この素晴らしい事実に感謝しつつ、「日本のMySQLユーザを大切にすると、MySQL界にこんなに素晴らしいことがあるぞ!」と伝えるべく、みんな、それぞれで色んな事を試してみたり、それをブログとかで発表したり、バグ報告を積極的にしたりなどして、MySQL界に感謝の思いを形で返せたらいいですね。そうすれば、きっと次のメジャーバージョンでも、喜んで日本語マニュアルを作ってもらえるようになると思います。
次のバージョンのMySQL日本語マニュアル(を作ってもらえる環境)を作るのは、私たちなのです!
・・・とちょっと大きなことを言ったところで、まずは作ってもらった 8.0 日本語マニュアルを最大限に活用していきましょう!
最後に、
https://dev.mysql.com/doc/refman/8.0/ja/locale-support.html
のページ最後にある言語リストがきれいになったのは、私の貢献であるとアピールしておきたいと思います(ほとんど人にとっては役に立たない)。実は結構調べた(笑)