- 作者: 藤本篤志
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2008/04
- メディア: 新書
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う〜ん。社交辞令で誉めようと思ってもかなり難しい本です。「あなたの著作がダメな理由」という本を書きたくなるくらいです。 あなた、この本を書きたいと思っていなかったでしょう? マーケ上「2冊目」を狙ってみただけでしょう?
一冊目(「御社の営業がダメな理由」(http://d.hatena.ne.jp/sakaik/20081211/p1)のような迫力が感じられません。
前著からは本当に著者が日々感じている、みんなに伝えたいことを上手にまとめた本だという印象を受けました。タイトルは失敗だと思うけど。 しかしこの本には、「根拠がない」としつつも「企業30年寿命説」に必要以上にこだわり、こじつけ感が否めません。 「営業をダメだと言い切って結構売れたから、次はトップあたりをダメと行ってみるか」という会話が目に浮かびます。 会社組織(ルールを含む)を話題にし、改善提案を行っているのだから、この本のタイトルも内容とマッチしない、強い違和感を感じました。
とはいえ、経験豊富な著者のこと。書かれている内容の中にははっとさせられるものも多くありました。評価能力を持たない奴らに評価をさせることの危険さ(「和風360度評価」)の指摘や、「伝達会議」と「意見収集会議」の明確な区別付けなど。 社内の研修を行う際の工夫に関する提案も非常に興味深い。それは、事前に内容を告知して朝イチのテストで合格した人は通常業務に戻れる、午前の研修を終えてテストをして合格できた人もまた戻れる、そして一番できの悪い人たちだけが丸一日研修に張り付く羽目になる、、という、「一番出来のわるい人に合わせたペースで丸一日研修に貼り付ける」という非効率を回避した方法で、これはすばらしいアイデアだなと思いました。 こういうことができるための専用のカリキュラムを作る必要はありますが、この視点で作るカリキュラム。やってみたくなってきました^^。
ということで、読んでいる途中にうーんと首をかしげてしまう部分は多いながらも、さくっと読み切れることで対時間のコストは悪くないのではないかと思える本ではありました。 次回作を書かれる際には単にセンセーショナルなだけでなく、内容にマッチした惹きのあるタイトルで書かれることを期待したいと思います。
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