AWSのセミナー「Technical Essentials」がとても良かったので語りたい

 AWSの "AWS Technical Essentials" 1 & 2 という有料の入門セミナー(トレーニング)に行ってきました。
1月までは「AWS実戦入門」1 & 2 というものだったようで、おそらく最新情報にリニューアルしたのでしょう。図らずも、その第一弾に参加できたことになります。
 ほぼ知識ゼロの状態からの受講だったので、かなり期待しての参加でしたが、そんな期待値が上がりきった状態でさえも「期待以上のものだった」と言わしめる程の満足度の高さでした。

AWS トレーニング | インストラクター主導 | AWS Technical Essentials 1
AWS トレーニング | インストラクター主導 | AWS Technical Essentials 2


私のスペック

  • IT業界暦はそれなりに長い
  • データベースは好き
  • ネットワークはよく分からない。見よう見まねでなんとなく触れる程度
  • レンタルサーバ(1台借りからVPSまで)は経験あるが「クラウド」と呼ばれる系には乗り遅れた感あり
  • まったくクラウドの世界観も雰囲気も分からず、雲を掴むような状態に、内心ちょっと焦っている
  • AWSなりAzureなりを、日常の中で誰かと一緒に学べる環境にない(詳しい人はいっぱいいるけど現場で一緒に作業したりの関係にはない)。話し相手がいない

私の集合研修に対する考え方

 大昔になりますが、いくつかの集合研修によく参加していた時期がありました。
正直なところ、満足したことはありませんでした。それは、その分野である程度自習してしまった後で行ったのでコースの半分以上は知っていることを聞かされたという時もありましたし、カリキュラム自体が素人目に見てもお粗末だったり、あるいは講師の話し方が気に入らなかったり(やたら「えー」と言うとか、語尾を上げるとか)など様々なケースがありますが、とにかく集合研修に対する私の印象は、「金銭的コストにも、時間的コストにも見合わないもの」でした。だから、もう何年も受講したことがなかったのです

今回受講したのは?

 「スペック」で自白したとおり、乗り遅れに対して相当な危機感を持っていましたので、入門者に教えてくれるものを探していました。ちょうどセミナーの内容がリニューアルするとのことで、最新情報を得られる感が強かったこともありますし、私が最大に信頼する、中の事情に詳しい知人に絶賛お勧めされたことも大きく影響しています。
 そして、私自身がAWSのサービスに対して「まったく白紙」だったこと。半端に知っているより、聞くこと全てが新鮮なほうが、いっぱい得るものがあってオトクな感じがしました(笑)。

それまでのAWSの知識、経験は?

 昨年12月末に、知人から「触ってみなよ」だったか「触ってみてよ」だったかお勧めされたことがキッカケで、それまで強い興味は持っていたので、大晦日にアカウント作って触り始めました。それから年始にかけて、EC2を「環境をすぐに作ってすぐに壊せる便利なレンタルサーバ」としてキャッキャ言いながら楽しんでいたのは、この日記を見ていた皆さんにはご存じのとおりです。
 当時は「やっと "AWS"に触るようになったぞ!」とウキウキしていたのですが、それはAWSの(重要ではあるけれども)ごく一部の機能であったことを、Essentialsセミナーを受講して思い知ったのでありました。Essentials セミナーの内容でさえ、AWSのごく一部なんですけどね。

2日続けての受講が良い?別々が良い?

 Technical Essentials 1 と Technical Essentials 2 はシリーズではありますが、それぞれ別個の講座なので、必ずしも2日続けてのスケジュールで参加する必要もありません。が、少々業務とかのスケジュールに無理をしてでも、2日続けての参加を強くお勧めします。
 続けて参加する人が多い(今回は多かった)ので、講師の話もそれらの人にある程度合わせて「昨日の話」を織り交ぜたりします。別段、「昨日の話」が分からなくても受講内容の本質に何も影響はないのですが、知らない側からすると「昨日はいったいどんな面白い話があったのだろう」と気になってしまう面もあると思います。2日連続の参加で、一気に理解と体験を深めるのが吉、と考えます。

セミナー全体の雰囲気や内容は?

 (有料セミナーの中身に関する話題なので、細心の注意を以て書いているつもりですが、不適切な内容がありましたらご指摘ください)
 セミナールームには1人1台のノートPCと19インチくらいのセカンドディスプレイが用意されています。自分で持って来たPCでも受講できたようですが、集中するために、私は用意されたPCを使う事にしました。(Facebook見たりメール確認したりしちゃう意志の弱い子ですw)
 Essential 1 は、主に座学を中心としてAWSの基本的なサービス群について学びます。実際のAWS環境を操作して、説明の内容を確かめてみたりする演習も少しだけあります。この「環境が用意されている」ということが非常に大切で、いま説明している機能がメニューのどのへんにあるか等、その都度確認しながら話を聞けるのが、快適でした。
 Essential 2 は、演習中心。先生が各演習の冒頭で、その演習の目的とポイントを説明してくれた後、30分~60分程度を各自で操作する時間として与えられます。テキストの手順説明はとても分かりやすいですし、不明点があれば質問もできます。早く終わっちゃってもそのまま実環境を触れるので、なんとなく読み飛ばしてきた設定項目を眺めてみたり、少し設定を変えたり追加してみたり。AutoScaling の演習で時間が余ったので、(演習では高負荷時にインスタンスを増やすものだけだったので)軽くなったら減らす指定を追加してみたのが個人的なハイライト。
 Essential 2は、最低限のlinuxコマンドライン操作の経験はあったほうがいいです。全コマンドを用意してくれているので、知らなくても進めることはできますが、コマンドを知っていたほうが、よりAWSの知識習得に集中できます。
 簡単なファイル操作(ls, cd, cp, mv, tail)、ネットワーク関係(ping, curl, wget)、その他(sudo, vi, exit) そして、sshでサーバに接続する方法(というか考え方)。tail に関連して grep -v をパイプでつなげてフィルタリングする方法くらいまでを知っていると、より快適かと思います。逆に言えばこの程度でOK。

 取り扱ったサービスは、こんな感じ(画像はAWSの「サービス」一覧に、私が赤印をつけたもの):
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 こうして見ると、まんべんなく体験してきた、良いカリキュラムだなと改めて思いました。
一方で、「思ったよりも少なく見えるな」と感じたのは、実はEC2の中にたくさんの(VPC,ボリューム,AutoScaling, network設定関係、セキュリティグループ、ロードバランサーなどなどの)技術が含まれているからです。盛りだくさんですEC2。



 こんな感じで2日間。居眠りすることもなく、途中で飽きて離席したくなることもなく、良い雰囲気で良いカリキュラムで良い先生で、とても充実していました。
 今回学んだことを軸として、より深く掘り下げていくと同時に、他のサービスも色々試して横幅も広げていきたいなと思います。


 そして「人様にものを教えていただく」って楽しい!!!!!
Webの情報では、まず最初に「どの程度その記事を信じて良いか」の判断をする必要があるのですが、まずその取捨選択自体が初心者にはできない。そういった点も含めて、この2日間で「ゼロからイチへ」、ひとりで頑張っていたら2日程度では得られなかったジャンプアップを得られたと感じています。
 受講してよかった。



ありがとうございました。