MySQL闇歴史2 主力商品になりたかった?MySQL Workbench

これは MySQL闇歴史 Advent Calendar 2022 の2枚目のカレンダー3日目のエントリーです。


 多くの人が便利に利用しているであろう MySQL Workbench。このプロダクトを、単独での売上の柱のひとつとすることを模索していたと思われる時期があった。


知名度   :★★★★☆
闇度    :★☆☆☆☆
便利に感謝度:★★★★★


 MySQL Workbench (以下 Workbench) は、2005年9月に最初のアルファ版が公開された後、2008年4月にバージョン 5.0.19として正式リリースされた。なかなかの難産である。
 翌2009年のバージョン5.2を経て2013年のバージョン 6.0の頃だっただろうか。Workbenchのダウンロードページに突如、お値段が登場した。サブスクリプション形式で、年間1万円程度だったと記憶している。SE(Standard Edition)は無料、EE(Enterprise Edition)は有料。しかし比較的基本的と思われる重要機能が EE版でのみ使えるなど、なんとか買わせようという努力を、当時の私は感じていたように思う。

 現在も、MySQL Workbench 自体は CE(Community Edition)/SE/EE とエディションが分かれているが、SE/EEらの単体での提供はなくなり、これらは MySQL Enterprise の契約によって使える版となったようだ(私が Enterprise について詳しくないので、認識違いがあったらご容赦いただきたい)。現在の各エディションの機能の違いについては、本文末尾のリンク先を確認いただきたい。

 いま、無料で使えるコミュニティ版のMySQL Workbench ダウンロードページに行ってみると、このソフトに単独で値段がついていたことを感じさせる面影すらない。単体販売の夢破れたりと言う向きもあろうが、この素晴らしいソフトがCEとして無料で提供されていることに、利用者としては大きな感謝を送りたいと思う。

参考リンク:

MySQL Workbench画面イメージ from https://www.mysql.com/jp/products/workbench/dev/