オープン・スペース・テクノロジー

オープン・スペース・テクノロジー ~5人から1000人が輪になって考えるファシリテーション~

オープン・スペース・テクノロジー ~5人から1000人が輪になって考えるファシリテーション~


 「輪になって考える」というキーワードにぴぴっと来て、本書を手に取りました。amazon さんでの購入ですが(笑)。 
 なんらかの意志決定をする会議の際に、9割の人は不要であるようなシーンによく出会います。単に座っているだけであるならば参加しなければ良いのに、、、と思うようなシーンです。 本書の説く「オープン・スペース・テクノロジー」では、参加者がそれぞれ参加している意義、存在感を出せることを目指しています。


 が、、、、残念ながらよくわかりませんでした。
 事例として、著者や訳者らがこういった会議の運営をしてきたという実績があることは、理解できた。 今までの「単一のリーダーシップ」式のやり方を根底から覆すような発想に、確かに夢は見させてもらった。 だが、本書に書かれていない重要事項がもっともっといっぱいあるような気がします。
 ともかくこの本は読みにくかった。 それはもしかしたらもともとの文章か翻訳に難があるのかもしれませんが、それ以上に、著者らが空気のように当たり前に感じていること(=前提条件)が私の中での前提条件になっていないことに起因する部分が大きいような気がします。 要するに、言っていることが理解できない状態です。
 参った(笑)。 あるいは逆に私の中に常に、「限られた時間で」という部分が最重要を占めるくらいに大切なことであることが、本書で説く「来るときが来たらできる」的な発想と相容れないのかもしれません。


 本書を読みながら自分がこの手法を実践できる気になれないのは、参加意識が希薄な各参加者に参加意識を持たせることの難しさを実感しているからだと考えています。 おそらく「ちょっとした工夫」かもしれない、本書には書かれていない何かによって、参加者に魔法が掛けられるのでしょうが、この(私が一番難しいと感じている)部分について、当たり前のように「参加者がソノ気になるんです」的にクリアしちゃっている点が、「中ボス一発撃沈」的なものを感じました。


 とはいえ、こういう世界があることを知ることができたのは、今後の選択や発想の幅を広げる上での大きな刺激となりました。


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