ジロ・デ・イタリア第21ステージITT

 たった20秒差で、1位メンショフ、2位ディルーカ という状況で迎えたジロ・デ・イタリア最終日の個人タイムトライアル。もう開始前から私の心は決まっていて、「ランスステージ優勝。総合はディルーカが逆転! ただしメンショフに落車やメカトラは、なし」でした。
 ・・・・すべてを裏切られました(^o^)。



 ランスはまぁ遅くはないけど優勝を語れるタイムではない位置。 ディルーカはそんなに悪くなさそうなタイムでメンショフより先にゴールしてモニタを見つめる。メンショフがゴールに近づいてくるそのパーヴェ上で、、、、、、直線でのまさかの落車。えっ?えええっ? あちこちのtwitterでもチャットでもGREEのコミュでも、そして恐らく某巨大掲示板でも悲鳴が上がった瞬間でした。 慣性の法則により滑って先に進む自転車。転んでまだ立ち上がってもいない状態から少しでも早く自転車をつかまえたいと這いつくばって自転車に手を伸ばすマリアローザ。横転しながら高速で回転したままの後輪。 
 レース中盤の頃、GREEのコミュでは「ナントの悲劇」が話題になり「・・・とすると転ぶのは・・・!?」と心配していたのですが、ディルーカは無事。転んだのはメンショフのほうでした。
 メンショフは素早いメカニックの対応により自転車を乗り換えゴール。それでもディルーカよりも早いタイムでゴールすることができ、総合優勝を確定させました。


 私はメンショフに対してほとんど良い印象がなく(悪い印象もない)、メンショフが勝ったステージでも後ろのディルーカたちの争いをずっと注目していたこともあって「あれ?ステージ勝ったのってメンショフだったの?」なんて言っていた始末。 なんかリーダーっぽくないし、要するに「ババ抜きしてたらたまたまババが結局回ってこなくて勝っちゃった」みたいな印象を持っていました。あの落車までは。


 あの落車でディルーカが逆転したらダニーも観戦者もメンショフも誰も幸せにならないし、落車があって(つまり必ずしも万全ではなくて)それでもメンショフGC優勝したということが、メンショフに対する印象を良くしたと思っています。
 ゴール後のメンショフの喜びようといったら。 チームスタッフと抱き合い、大きくガッツポーズをしながら雄叫びを上げる。 表彰台でも同様で、あんなに自己を表現できる人だったのかと驚きました。 いつもつまらなそうにしている印象があって。 あれも「最後に確実に(勝利が)自分のものになると確定されるまでは何も信じない」というロシア人的な慎重さなのでしょうか。 ずっと我慢してきたものがやっと確実に自分のものになったときの、あのメンショフの喜び方を忘れることができないでしょう。
 今後注目の選手になりそうです。



 ちなみにランスは自分が走り終わったらとっとと片付けてローマの空港に向かったようです。4人目の子どもがまもなく生まれるのが待ち遠しくて。総合の表彰をしているときにはすでに空港。 まったく自由人なお方です(笑)。
 ランスも、もう少しアシストとしてでもエースとしてでも期待していたのですがどちらとしても今回半端だった印象を受けました。次のレース(何に出るんだろう。ヴェルタ出るかな?)ではもっともっとレース内容での存在感を出してもらいたいなと思いました。


.