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Mad Science - 炎と煙と轟音の科学実験54

Mad Science ―炎と煙と轟音の科学実験54 (Make:PROJECTS)

Mad Science ―炎と煙と轟音の科学実験54 (Make:PROJECTS)


 なんとわくわくする本であろう。科学に多少なりとも興味がある人ならば「やってみたいけれども、怖くてできない」ような実験をいくつか心の中に持っていることだろう。この本はそんな「危険な」実験を、私たちの代わりにやってくれる。
 時に劇薬を使い、時に大爆発を引き起こす。そんな実験をカラー写真を交えながら紹介されているこの本は、ページをめくるだけでもドキドキ、わくわくしてきます。
 個人的に印象的だったのが、チタンの火花(美しい)、6,10ナイロンの合成(懐かしい)、ナトリウムと塩素の直接合成(ダイナミック)、鉛の弾丸製造タワー(ためになる)、錆びるアルミニウム(ひえー)、稲妻のリヒテンベルグ図形(美しい)などなど。化学物質(=自然)の引き起こす美を感じ取ることができる人ならば、きっとこの本を気に入ると思います。


 この本、たまたまオライリーのサイトを見ているときに、たまたま発売に間近(当日だったかも)で発見して興味を持ち、twitterに「なにこれ。おもしろそう」などと書いたのでした。直後に、この本を翻訳された高橋さんからtwitterで、本書を強く推すメッセージをいただき、背中を押されて即刻amazonで購入に至ったのでありました。
 何の役にたつか? それはわかりません。たぶん日常生活には役に立ちません。この本を読んで「塩素とナトリウムを直接反応させるとキケンだから、やらないようにしましょう」って言ったって、そんなの言われなくたってやりませんってば(笑)。 
 自分の日常からは離れたところで、科学に興味をもって楽しんでいる人の経験を、安全なところで高見の見物をしつつ一緒に疑似体験させてもらえる。そんな知的好奇心を満たしてくれる本だと思います。


 知的好奇心の持ちながらも実行を躊躇する阻害要因は何か。それは、実行するための準備にかかる手間や、実行にあたっての様々なリスクとのバランスを総合的に判断した結果「やらない」という決断をしているのではないでしょうか。とても賢明な判断だと私も思います。 だからこそたった 2,940円でそれらの好奇心を満たしてくれるこの本は、お買い得であるとさえ言えるでしょう。


 難点は、一度読み通したあとでも何度でも見直してみたくなってしまい、いつまでも「読み終わらない」ことですね(笑)。


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