御社の「売り」を〜15秒で説明できますか?

御社の「売り」を小学5年生に15秒で説明できますか? (祥伝社新書 99)

御社の「売り」を小学5年生に15秒で説明できますか? (祥伝社新書 99)


 【メッセージ作りでもっとも大事なことは、「どう伝えるかではなく、何を伝えるか」なのです。】
 この一文に、我が意を得たりの思いでした。伝えたい内容がしっかりと自分の中で決まってさえいないのに、表面上の表現だけ先輩のあるいは業界の超一流の人の真似をしようとしている。 真似から入ることは必ずしも悪いことではありませんが、それは真似「から入る」ことを言っているのであり、真似「で終わる」ことを是としているわけではないのです。 つまり伝えたいものというのはその中にある「本質」をまず自分自身が理解することであると常々考えている身からは、本書の著者がタイトルで伝えようとしたメッセ−ジである「御社の売りを "小学5年生に" "15秒で" 説明できますか?」には、非常に共感し、惹かれるものがあったのでした。 つまり著者はこのタイトルで「自分の伝えたい事の "本質" をわかっていますか?」と問いかけているわけです。


 自分自身のこと(人間個体でも組織でも)は、わかっているようで意外とわかっていないものです。「要するに何なんだろう?」を突き詰めていくことで、簡潔に芯を射貫いたメッセージができるのでしょう。


 私自身は本書により何か新しい発想や着想を得たということは残念ながらなかったのですが、同じようなことを考え、同じようなものを大切にし、主張している人(の文章)に出会えたということを嬉しく思っています。
 本書にはたくさんの実例が紹介されてます。その最終結果に至る過程もいくつか紹介されています。こういった生の事例に触れることはわくわくするものですし、また自分の「疑似体験」としてどこかで役に立つこともあるかもしれません。


 何を伝えるか、どう伝えるか、に興味がある方は一読して損のない本でしょう。本書の内容を「あたりまえ」と今まで思えていなかった人にはもちろん、すでに「こんなのあたりまえ」と思っている方でも、自分の考え方を再確認できるよい機会になると思います。


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