こんなイベントをやりたかった!MyNA望年LT大会2020

 本日、MyNA(日本MySQLユーザ会) 望年LT大会2020 をオンラインで開催しました。 顔を突き合わせて、ちょっとばかりのアルコールを摂取しながら、楽しい気分で大好きな技術を語り合う場というのは、やっぱり素晴らしい何かが生まれる場でもあります。一方で、リアル店舗を予約しての開催は主催側としては様々なリスクを抱え込むことでもあり「それでもやりたい!」と思えるモチベーションとのバランスに勝った時にのみ開催可能なイベントでもあります。
 そんな中で、なんとなく一番口実を作りやすい「年末に1年を振り返りましょう」ということで過去2回ほどリアル店舗で開催してきた「MySQLユーザ会 望年LT 大会」。今年はさすがにリアル店舗での開催は難しいと判断し(開催案内を出す直前まで、リアル店舗とのハイブリッドが可能かどうか模索していたのですが、やっぱり無理と判断しました)、完全にオンラインでの開催となりました。

mysql.connpass.com


 もうね、「こういうイベントがやりたかったんだよ!」というイベントそのもので、とにかく楽しかった!参加してくださった皆さん、発表してくださった皆さん、わいわい盛り上がってくださったみなさん、ありがとうございました。

 セミナー形式のイベントってね、発表する人がすごく頑張って用意して、思い入れを持って発表してくれて、でも聞く側はそれらをチャンネルをガチャガチャ変えるように*1 消費している雰囲気があって、なんだかもったいないなぁと感じていました。質疑にしても、質問者と発表者の二者の会話に閉塞しているケースがほとんど。

 発表者は、発表という形式を通して話題を提供してくれるものであって、その後は、それを聞かせてもらった人たちで、わいわいできるような場所(もちろん発表者は他の人よりも、そのテーマについて考えていた時間は長いので、結果として発表者が説明する時間が長くなるのは、それはそれで良い)、言い換えると、発表者が用意してくれた「エサ」をみんなで味わい、楽しむような、そんな場ができたらいいなぁと考えていました。「発表してくれた内容を肴に」というやつですね。

 それがまさに実現されたのが、今日の「望年LT大会」でした。一応進行プランは用意していたものの、結局は、冒頭の歓談タイムを終えた後は、ずっとLTでした。 件数が多かったわけではないのです。そこから2時間かけて、(一応ひと枠5分の)LTが5本だけ。全然計算が合わない(笑) 。ひとつの発表が終わると誰かが、感想や疑問点などを語ってくれて、それに対してざっくばらんな「わいわい」が始まるのです。発表してくれた話題をみんなでしゃぶり尽くす。まさにこんなイベントをやりたかった!

 発表自体も、そもそも「呑みの席での軽いLT」としてお誘いしていたので、時間をかけて周到に用意したものとは限らない感じで、それがいいんです。各個人の中にある体験、思いなどを伝えていただく「発表」なので、そのメインは語り。資料はそれを効果的に伝えるための補助具、という位置づけです。 伝えたい内容はしっかり考えていただくとして(最近体験したこと、普段から考えていることなのできっと大丈夫)、資料準備にかける時間は最小限に。会が始まってから作ってもいいくらいですよ(笑)。


 みなさん、結構しっかりした技術的内容を以て発表してくださった中で、私自身はネタLT的なものをやらせていただきました。「いまはむかしLT」と称し、その時代になりきって発表をしていただくという趣向です。ユーザ会の20周年記念イベントでやりたいなぁと思って用意していたものでしたが、なんとか2020年のうちに披露できて良かったです。
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 「いまは2006年」として、『超極める!MySQL』という本が出ますよ!というお話をさせていただきました。最近はMySQLをビジネスの現場でも採用する企業さんも増え始めたので、そういった会社さんにインタビューの形でお話を聞かせていただいた記事(広告じゃなくて記事なんです!)を主に紹介しました。InnoDBに詳しくきっと2020年頃には世界的なInnoDBのプロフェッショナルになっているだろうな、という人とか、同じくストレージエンジンを自分で作っちゃって、将来はきっと海外で会社作っちゃうんだろうなという人とか、2020年頃にはMySQLに鬼詳しくてユーザ会の副代表も務めちゃうことになりそうな人(まだ入社もしていなかったのかな?)を輩出するであろう会社さんとか*2、2020年頃にきっと「良い時代に、良い方たちに、良いお話をきかせていただいたな」と思い返すことになるでしょう。


 さて、2020年に戻って来まして。
MySQLユーザ会では『41 speakers in 2021』プロジェクトと称して、2021年中(2020年12月から21年12月の13ヶ月間) に41人のユニークスピーカーにお話をいただくことを目標としています。そのスタートとなる今回のイベントでは5人の方にお話いただきました。タイトルは、あんまりタイトルっぽくなかったのが多かったので、内容を紹介する形で勝手につけました。

01. @mita2 さん: mysqlsh の dumpInstance の話、その後
02. @hmatsu47 さん: プライマリーキーと Right Growing Index の話
03. @teckl さん: 本番環境のMySQLを超越アップグレード成功した話
04. @sakaikさん: いまは2006年! 書籍『超極める!MySQL』が出ます!
05. @tom__boさん: ハイパフォーマンスレプリケーションの新アイデア

発表ありがとうございました。


 今回、Zoomに接続されているものの特にお話をされなかった方もいました。お声がけしようか、ちょっと迷っていたのですが、ただワイワイの場に居て聞いているだけでも楽しい、という方もいることは存じているので、そうしたいのかなと判断して特にお声がけをしませんでした。声かけてほしかったなーという方がいましたら、すいませんでした。その時々に応じて、気を配ったり配らなかったりしますので、もう一歩、中に入ってもいいかなーと感じた方は次回以降、ぜひ積極的に参加してくださいね。


 それにしても(本日これ言うの何度目だ)楽しかった。 オフラインの、同時多発的にあちらこちらで話題が広がるものとはまた異なり、オンラインではひとつの話題を全員で共有するのが基本であることと、細かい発表資料や実行例などが各自目の前の画面上で見やすい事から、今回のようなより細かい話題でも話が深く拡がりやすい面があるかもしれませんね。
 そして、もうひとつ。「やっぱり、クローズドな場は、ざっくばらんな話もすることができて、楽しい」ということ。MySQLユーザ会では、イベントのオンライン化をしてから、ほぼすべてのイベントを録画・YouTube公開をしてきましたが、事後公開が前提としないことで登壇が可能になる人もいるし、公開前提でないことで、ざっくばらんに意見交換できるところもあって、ちょっと今後の対応の方針について、考えたい部分も出てきたなーというところです。

 顔をつきあわせて、飲み食いできる状態に、はやくなってくれたらいいなぁと思うと同時に、たぶんそうなっても、オンライン開催という形態、そしてたぶんハイブリッドな開催という形態は生き残りそうだという感触を強くした、今回の望年会でした。

(ちょっとはやめのごあいさつですが)来年は、もっと良い一年にしていきましょう!

*1:イマドキこんなふうにチャンネルは変えない

*2:余談ですが排出と最初変換されまして。排出したらいかん!