Geospatial Hackers Program に参加して優秀な成績を収めた話

 少し前の話になるのですが、Geospatial Hackers Program (GHP)というイベントに参加して来ました。実は、ハッカソンなるものに参加するのは初めてのことで、勝手も分からずに緊張していたのですが、素敵な仲間たちと出会い、心地よく参加させていただくことができました。

Geospatial Hackers Program とは

 公式サイトによると「多方面で注目を集める高需要スキル 「G空間技術」 をイチから学び、エンジニアの方ももそうでない方も、地域課題の解決や新規ビジネス創出に活かせる力を手にいれる2日間の集中プログラムです。 」とのことで、アウトプットそのものよりも、体験を通じて「学び」のきっかっけとすることを主たる目的としているようです。
 総務省の主催で、各2日間の開催。2日間で、学び(セミナーセッション)、アイデア出し、チーム作り、開発までを行います。今年(2019年度)は全国4カ所での開催計画。東海地区(名古屋)、北陸地区(富山・魚津)、関東(東京)、沖縄(沖縄)。残念ながら新型コロナウィルスCOVID-19感染拡大の影響で、東京開場での開催が中止となってしまいましたので、都合3カ所での開催となりました。各地の代表1チームを決め、「全国大会(Demo Day)」で発表ができます。
 私は今回、一番早いスケジュールだった(まだ猛威が「きざし」程度だった頃)名古屋に参加しました。

ghp.connpass.com

東海地区(名古屋)に参加

 なぜ千葉県に住む私が(東京でも予定されていたのに)名古屋に参加したのかというと、「遠出をしたほうが、2日目もちゃんと参加できるから」でした。ホテルにお泊まりしていれば、(それしかやることがないから)夜も作業ができるし、朝もちゃんと起きて行くことができる。東京会場などで、一旦家に帰ると2日目にまた行くのが面倒になっちゃいそうだな~との思いからでした。行き帰りの新幹線の中で他の開発作業が捗ったり、東京会場での開催が中止になってしまったりして、今回の「名古屋行き」は結果として良い判断だったようです。 

GHPの2日間(1日目)

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土曜日10:30にスタート。基本的には午前は自由参加の自習タイムで、初学者向けのお話を聞いたり、同じテーブルに座っている方々とおしゃべりしたり、ちょっと色々ためしているうちにお昼になりました。あ、そうそう。当日イキナリではなくて、事前にいくつかの技術要素についての説明資料(動画などもあり)が公開されているので、不安な人はそういったもので予習も可能です。
 お昼は各自で。下のコンビニの、豊富な種類のお弁当にしていた人も多かったようです。私も。
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 午後になり、本格スタート。技術要素、事例、研究などの発表を聴きながら、どんなことができるかなー、あんなことやってみたいかもー、とノーミソが刺激されます。15:00頃から、アイデアソン・タイム。同じテーブルに座っていた人たちと会話をしながらアイデアを膨らませていき、その後、各自ひとりひとりでアイデアを1枚の紙に書き出します。 このアイデア出しのしくみも、しっかりと工夫されていたのが興味深かったです(一人で考える→グループ内でお話する→またひとりで考える、、を何度か繰り返す)。
 紙に書き出したら紙はテーブルの上に置いたままで、一旦みんなで席を立ち、他の方のアイデアの鑑賞タイム。「いいな!」と思ったものに星印を付けていきます。星印が多かったアイデア(上位8つくらいでしたっけ?)は前に呼び出され、みんなの前で軽くアイデアの紹介発表。その後、自分が参加したいアイデアの所にそれぞれが集まって、チーム結成がほぼ16時(これとは別に予めチームを組んでから参加している人たちもいます)。そこから、21時頃まで各チームで作業し、1日目終了。
 呑みにいこーぜー、って言っていたのに、ちょっと目を離したすきに(会場を出る前の時点で既に)はぐれてしまって、一人寂しくついたてに挟まれながらラーメン。
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GHPの2日間(2日目)

 ホテルからの出陣なので、駅ナカでパンを買って参加。名古屋らしいものを発見して、ひとりテンションアップ(笑)。
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 午前午後と、チームで開発継続。お昼は昨日と同じコンビニ弁当ですが、名古屋スイッチが入った私は名古屋的なお弁当に(笑)。
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 16時ごろ各チームまとめに入りはじめ、17時から成果発表会。名古屋は14チームの発表があり、それぞれのコダワリと工夫を、それぞれ短い持ち時間の中でたっぷりと聞かせていただきました。みんな発表うまいなぁ。
 参加者による投票により、3位、2位、1位が発表されて、締めのお話を聞いた後、19時閉会。名古屋らしい晩ごはんを食べて、20:44ののぞみ号で帰りました。
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我がチーム

 アイデア出しの中で、あろうことか私のアイデアも、星をたくさんもらってしまいました。このアイデアに興味を持ってくれた人4人でチームを結成。(正確に言うと、アイデア出しの時に同じテーブルに居た方と表裏一体の案となったため、一緒にやりましょうということになり、アイデアのタイトルには偶々私のほうのを採用しただけ、とも言えます)
 星をたくさんいただいたアイデアの内容は、これ。出張などで出かけた際に、空港や新幹線に行く最寄りの駅であと少し時間ができたとき、どこかもう少し見て回れたら面白いのになぁ、と思うのに「乗り遅れ恐怖症」の私は、その場からなかなか離れられない。どこまで行けるか調べているうちにその時間を使い切ってしまうこともしばしば。そんなときに「あと1時間くらいあるんだけど」と入れたら、見に行ける名所がぱっとわかったらいいのにな、との願いです。 一応ハッカソンのアイデアらしく「そうすれば、地域に対する思い出が増えてイメージアップするし、経済効果も少しあるかもよ」と付け足したのは、我ながら、うまくこじつけたと思います(笑)。プラス思考の勝利。
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 チームは、フロント(地図に表示したり検索機能を作ったり)をやる人、サーバ側(データを蓄積してJSON等で返す)をやる人、データを作る人がきれいに揃っていて、非常にバランスの良いチームでした。私の役割は当然データ、、、だと思うでしょう? それが、何もやってないんだ(笑)。一応自己弁護すると、トライしてコケたほうのデータをいじっていたのですが、まぁ役に立ってないのは自信ある(自信を持つところではない)。あ、表示するための画像(色のついた丸)を何種類か作ったな。Python使って画像生成させるやつ。
 仕事では一人であれこれやってしまうことが多いので、自分が何もしないのにモノが形になっていくのを横で見ているのは、ちょっと新鮮で楽しかったです。
 
 結果は、1位獲得。プレゼンも説得力があったし、「魅せる」ために必要な機能を、実際に動く形で提供できたのが良かったですね。初期アイデアも、みなさんに高評価をもらった2つのアイデアを合体させたものなので、考えてみたら、そりゃパワフルだったよな、と。
写真はチームメンバーではなく、講評をくださっているメンターのみなさまです。
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 我が「帰る前」チームのほかでは、スキマウォークの案を進めれたチームが印象的でした。「最短で」というサービスは多くあれど、敢えて無駄な時間を使う(健康のために歩く)という発想は、とても私好みだったので、自分のアイデアが選ばれていなければ参加していたかも、でした。将棋で言えば、強いソフトは開発されているけど「ちょうどよく弱くする」技術というのは結構難しいようで(北陸先端大(JAIST)の先生が研究されていたと思いますが、すごく興味持っています。いつかお会いする機会があったらいいなぁ)、そういった「最短」「無駄のない」というキーワードから一歩置いた余裕のようなものが良かったです。

全国大会(Demo Day)

 そんなわけで、「東海地区代表」として参加することになりました。3月の Demo Day。
ghp.connpass.com

 東京が開催されなかったので、東海のほか、北陸、沖縄の代表チームのみなさんと。

 コロナ禍のため、開催そのものも危ぶまれましたが、発表団体のみが会場に集まり、聴衆はネットで視聴する「オンライン開催」の形となりました。この状況の中で開催形態に工夫を凝らし、そして実際に開催を決断してくださった主催者、運営者の皆様に感謝いたします。
 控え室では、各チームそれぞれ固まってお喋りしている感じだったのですが、開始前にはお互いにお話ができる雰囲気になってよかった! ご挨拶をしたところで開始時刻になってしまったのは「もうちょっと早く、こういう雰囲気にすればよかった!」と悔やむところではありましたが。もっと色々お話伺いたかったです。
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 発表は、沖縄チームさんが上手に発表コンテンツとしてまとめたな、というのが印象的でした。あったら便利そうで、使って見たくなる発表でした。北陸さんも、笑いポイントがいっぱいあって個人的には結構好きでしたよ(一番のツッコミどころは「イカって、そっちから攻撃弾を出すのかよ!」でした(笑))。

 我がチームは、本来4人のチームでしたが昨今の情勢から2人のみが参加でした。危機管理上の判断とは言え、正直なところ、心のどこかには「みんなで参加したかったな~」と寂しかった面もあります。憎っくきコロナ19め!!! (そして打上げとして、お気に入りのお肉屋さんにお連れしたかったです(笑))
 結果は「優秀賞」。「最」の字はつきませんでしたが、総務省さんの名前で「優秀な成績を収めましたので、ここに賞します」を頂戴しました。やっぱりちょっと嬉しい。

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まとめ

 今回はじめてハッカソンなるものに参加し、賞をいただくなど、とても楽しい思いをさせていただきました。チームのメンバにも恵まれて、すいすい物事が進んで行く過程にわくわくしました。一緒に、2日間、そして全国大会に向けての数週間を過ごさせていただいたメンバのみなさんに感謝です!ありがとうございました。
 一方で、バランスの取れないチーム、たとえばフロントを作れる人がいないとか、やりたい事はあるのにデータの扱い方が分からないとか、そうなってしまった時に、開発を進める2日間は結構しんどい時間になるだろうなとも想像しました。僧侶(または賢者)のいないドラクエウォークみたいな感じですかね。その中で頑張ってみる価値もあるだろうし、あるいはチームを組んだ(=仮決め)後、メンバのスキル情報をチーム内で交換し、もいっかい組み替え(=助っ人募集)のチャンスを作る手もあるのかな、とも思いました。いや、今回の場合は組み替えして、うちのメンバが他のチームに行っちゃったとしたら辛かったのですけど(笑)。

 ともあれ、無事に全日程が終わりました。2日間だけのつもりが約1.5ヶ月楽しませてもらえました。改めまして、メンバのみなさま、運営のみなさま、そして両会場でお会いし、お話させていただいた皆様、どうもありがとうございました!