- 作者: 橋本和恵
- 出版社/メーカー: 日本実業出版社
- 発売日: 2008/06/21
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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先日の井寄さんの出版記念パーティでお会いした橋本さんのご著書。 パーティの場では本当にご挨拶だけでほとんどお話しはできなかったものの、ちょっと交わした言葉や立ち振る舞いを素敵だな、と感じていました。 本書で、橋本さんの考えや実績(失敗も含めた)などを知り、第一印象が正確だった自分を誇りに思う(笑)とともに、やっぱり一瞬の交流であってもやってきたことは出るものなのだなぁと、我が身を振り返り、少し怖くもなりました。
私自身はこれまで対面販売の経験はなく、この手の本をたまに手にすることがあっても「モノを大量に売る人は大変だなぁ」と感じることも多かったのですが、本書は違いました。もちろん「モノを売る」ことを目的としているのは本書のタイトルからも明かですが、売り方ではなく「相手への感じさせ方」に強く光を当てている本だと感じました。
(その商品の)良いところを伝える言葉や手法を持つ、ということ。 その商品を使用して幸せになっている情景を思い浮かべてもらうということ。 相手との距離感の絶妙なバランスのこと。 「売るためにはこれをしなさい」という「理由なんてどうでもいいからとにかくやれ」本ではないことに非常に好感を持ちました。
また、著者自身の経験談が挿入されるバランスが非常に良く、この手の本にありがちな「私はこういう工夫をしてきて、こんなこともやってきて、売れるようになった。(だからあなたもそうしなさい)」という事もまったくありません。
売り方(マーケティング)の本としては、レビンソンの著書にかなり共感したのですが、それに通じる何かを本書から感じました。「(騙したり悪いところを隠して)売りつける」んじゃなくて、「買っていただく(そして満足していただく)」(あまり強調されてはいませんが、あまりに当然すぎるからでしょう)という姿勢は、心地よく思いました。
すべての販売員さんがこの本に書いてあるような心がけをしてくれたら、買う方も気持ちよいし売る方も売れて売れて嬉しい、と一時、妄想に浸りました(笑)。 「売り込まれてる感」が全面に出過ぎていて購買意欲が減退したこと、わたしも何度もあります。
余談ですが、p.132で紹介されている2つの例で思わず笑ってしまったことをここで紹介させていただきたいと思います。「とっさの時に使える」ことをお客様に伝授するという2つの例で:
例1:「いきなり人に会わなきゃ行けなくなったシーン(葬式とか来客とか)、困るでしょう?このファンデーションはパっとつけて、シミとか隠せるんですよ」
というのを受けて
例2:「いきなり大地震が襲ってきて生き埋めになったらどうしたらいいですか。助けを求めても体力が衰えているかもしれないし(以下略)」
・・・・ここまで読んだ私の妄想: 「このまま死んでしまうかもしれない。そんなときにこのファンデーションがあればきれいな状態で発見してもらえますよ」
・・・なんと準備の良い!(^o^)
もちろん例2ではファンデーションを売るわけではなく別のある商品を売り込んでいます。気になる方は本書をどうぞ。
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