今年もRubyWorld Conferenceに参加させていただきました。
2025.rubyworld-conf.org
RubyWorldには3回目の参加となり、 もともとの知り合いに加え、このイベントで知り合った方々とも「再会」と言えるお相手が増えてきた場となりました。 皆さんいつもありがとうございます。

1日目2日目講演
印象に残ったことなどをつらつらと。今今思いついた順に書いていくので、順不同ですし、本当はもっとインパクトがあったのに、ここに書き漏れているものがあるかもしれません。
膨大な業界知識に圧倒
歯科医療のクラウドサービスの紹介講演。とにかく圧倒的な業界知識の広さ深さに圧倒されました。UIの紹介を通しての仕組みの解説に多くの時間を割いていましたが、それらのUIを支えるデータ構造がどうなっているのかな、などと妄想を巡らしながら楽しく聞かせていただきました。 医療事務の本の第1章に書いてあるぐらいの点数制度や自己負担などについて少々知っている程度でしかない私には、 新鮮な話が多く、自分の詳しくない業界の話を聞くのは面白いなと改めて感じました。 一言で言うと「すごい」。
スモウルビーがWEB対応に
オープンソースカンファレンス(OSC)というイベントで何度か松江に来ているうちに知るようになったスモウルビー。少なくとも10年前のOSCでは既に発表されていたものです。第1印象は「また妙ちくりんなラッパ(フロント)を...」「なんでもScratchにすればいいってもんじゃないんだぞ 」というものでしたが、地道かつ精力的な普及活動により すっかり会って当たり前のソフトウェアになったように思います。 その更なる普及に向けての障壁となっていたのが、Windowsアプリであるということ。 今回の発表でブラウザ上で操作できるようなウェブ対応になったというお話を聞きました。 ブースでの追加情報を合わせると、とりあえず多くの機能がブラウザ上で動作するようになったという段階であり、ユーザが作るプログラムコードそのものはまだ手元で管理するものとのことですが、 Windows以外の人が触る機会を提供できるようになったこと、そして次の段階としてネットワークを通したプログラムのやり取りや集約・公開などへの道が開けるという点で、非常に今後も注目しています!
OSC 2015 Shimane : オープンソースカンファレンス2015 Shimane - オープンソースの文化祭!
(ちなみにこの年のOSCにはフェンリルさんも参加されていたようです)
ライザップの育成システム
開発チームを立ち上げ、急激に大きくしていったRIZAPテクノロジーズさんのお話。 タイトルに「新卒9割超の開発組織」とあり、「そんなのありえないだろう」とか、「今やプログラムを書くってその程度のものなのかな」などとも思ったのですが、私の脳内で勝手に「新卒」を「未経験者」に置き換えていることに気づきました。それなりにベースの知識を持っている優秀な学生さんを集めたということなのでしょうね。
徹底した文書化・手順化主義。必要な部分は徹底的に深掘りし、誰でも同じように必要なものを習得し、課題を解決できるようになることを目指した膨大な文章を基に、質の高い教育をしているといった内容だったと思います。 能力のない人が作るルールやマニュアルは害悪でしかないのですが、このように全体を見通して適切にコントロールする能力を持った人が中心に居ての仕組み作りは、かなりうまく回っているのだなという印象を受けました。日報という形式を用いたアウトプット重視も、(大変そうだけど)効果ありそうで良いですね。
同社に勤める私の知人(カンファレンスには不参加)からSNSでメッセージをもらっていたのに気づくのが遅れたのが痛恨。会場にいるうちに気づいていれば、共通の知人として紹介してもらってお話できたのに 機会を逃しました。
Matz貴重講演
まつもとさんの貴重な基調講演。Rubyのこれまでの話は至る所で聞いているはずなのに、聞くたびに新しいお話が出てくるのがすごい。「(Rubyについて)ぼくは自分が作ったものだから愛着あるけど、みんながなんでこんなに愛着持ってくれるかわからないw」という感覚の吐露が面白かった(笑)。
来場者の中には3年5年先のRubyの話をまつもとさん自身から聞きたいと思う向きもあったようですが、まつもとさん自身は「まず目の前の一歩一歩」 と、おそらくやりたいことはたくさんあるだろうけれども、可能性レベルのものを安易に語らないあたりも、Rubyが長らえる秘訣なのだろうなと感じました。
Tangible Code
つまみをぐるぐる回して、画面に動く模様を描画するという話。 タイトルをちゃんと見ないまま話を聞き始めてしまったので、「考えるな!感じろ!」とつまみを感覚で操作しながら コードのパラメータ値を変更していく手法を「感じブルコード」と紹介しているのかと勘違いしていました。Kanjible Code。実際にその場で、自分のスマホで動きを見られるのも、ライブ感があって良かったですね。
話の本筋の部分ではないかもしれませんが、 ロータリーエンコーダーをこのように入力機器として使うことに大変興味を持ちました。 パラメーターの受け取り方などの書き方を一旦習得してしまえば、様々な分野で「感じブル操作」なオモチャを作れそう。(私の関心分野で言えば、地図の操作などに応用が効きそうです)
その他
まとめちゃっててすいませんが、その他印象に残ったものをぽつぽつと。 まず「コミュニティに入って、美味しいお酒を覚えて仲間が増えて嬉しい!! 」みたいなお話。「コミュニティ」の力を信じて 微力ながらいろいろと運営に関わっている(Ruby以外ですが)立場として、ニコニコしながら聞かせてもらいました。まさに誇張ではなく「人生が変わる」という、そんな場にコミュニティがなれたのですよね。
上定市長は毎年オープニングでお話を伺っています。RubyやITが持つ力について、本当によく理解されていて、 毎年お話を伺うのを楽しみにしています。 ご挨拶したいなと思いながらも、いつもオープニングが終わるとすぐにいなくなってしまうので、 日中はお忙しいでしょうから、できれば今度は懇親会にもお顔を出していただきたいと思う次第なのであります。
永和さんのランチタイムLTはいつも楽しみにしています。 が、特に今年は持ち時間に収まらない人が多く、いよいよ本題というところで終わってしまったりして、 若干消化不良でした。 100秒ぴったりに収める「職人技」を見せていただくか、あるいは「大事なことは先に言う」にて、ご用意のネタ(本題)をまず 聞かせていただくなと 来年期待します。
大懇親会
今年も盛大な大懇親会。ご当地割り子そばやおいしい日本酒のご用意が嬉しい。


講演を聴いている間ではなかなか会えなかった人とも、「あ、来てたんですね」という感じで再会できるなど、やはり大懇親会は良いですね。 大概は共通の知り合いを通してという形にはなりますが、新たな方ともたくさんお話をさせていただき、オフラインイベントならではの醍醐味を堪能いたしました。
参加票に印字されている番号による大抽選会では、(106番だったので)「ひゃく、ろく、、、」という声にドキっとして、続く「じゅうさんばん」(163番)を聞いてがっかりする、ということを何度か繰り返した後、 いよいよ最後のひとつというところで番号が呼ばれました。3年目の参加にして初めての当選です。うれしい。ありがとう!! まつもとさんにその場でサインをしていただきました!!

前夜祭
時間を巻き戻して前夜祭の話、ANDPADさんが開催された前夜祭に参加させていただきました。 松江には何度も来ているけれども、鯖しゃぶを初めて食べました。 プリプリしていて厚みがあって最高でした。これは次に来た時も食べたい!

実はこの前夜祭、申し込みが遅れてしまい、補欠2番目となっていました。 当日、お昼過ぎに羽田空港を 飛び立つ時にもまだ補欠1番目だったので(誰かの都合が悪くなることを祈るのも変な感じですし)参加を諦めていたのですが、出雲空港に降り立った直後に繰り上がりの連絡をいただきました。 聞くところ、日中のイベントに参加されていた方で色々調整いただいたそうで、Connpass見るとたぶん大倉さんでしょうか、お譲りいただいた形だったようです。 なんかすみません、ありがとうございます。会場でお礼をお伝えすべきでしたが、お会いできず、本ブログにて失礼いたします。
Ruby KaigiがRubyそのものを話題にすることが多いのに対し、RubyWorldはRubyを使って何をするかに焦点を当てているような点が気に入って松江のこのイベントに参加させてもらっているのですが、一方でそこはやはりRubyコミュニティなので、 前夜祭では「いま、次のバージョンのこの機能作ってるんだよね」みたいなお話が当たり前のように聞こえてきます。言語そのものを作っている人との距離の近さや、開発者の中でも自分が詳しくない分野を、他のコミッターに学びに行っているなどのお話が聞こえてきて、密かに興奮しました。 目の前で嬉しそうに中の仕組みを語っている人が誰なのか知らないまま会を終えたのですが、後で聞いたらtagomorisさんだったようで、モリスさん、MySQLのイベントには何度か参加していただいていたはずなのに 私の記憶が随分変わってしまっていたようで一発で認識できなかった痛恨。 懇親会で改めてご挨拶できてよかった。
運営とかスポンサーとか
今年も素晴らしい運営をいただきありがとうございました。 会場内で受付から講演の聴講、大懇親会までとても快適にすごせました。
昨年より少し寂しい面も
会場でもいくつか声を耳にしましたが、 例年と比べて、やや寂しく感じる面もありました。 2点ほど書こうと思います。
まず会場に向かう道にて、橋にのぼりが立っていなかったり会場の建物にも大きな横断幕がなかったこと。 会場に向かいながら、「あれ、今年は会場違うところだっけ?」と少々不安になりました。(建物に入れば標識はあったので、私もいいオトナですから、あぁ、と この時点でなんとなく察しはつきましたが)
もう一点が、展示会場へのセミナーの投影がなかったこと。 都合で公演会場に入れないとき(連絡待ちや短時間打合せなど)に、1階にいても「参加した気分」を味わえたり、あるいは休憩時間にお喋りしすぎても 講演が開始していたり開始予告がアナウンスされていることに気づけたりなど、あの投影はとても良かったので、今年なかったのは残念でした。 ノボリは、まあなくても困るものではありませんが、こちらはぜひ来年の復活をご検討いただきたいところです。
オトナの事情
ノボリを出すにしても、別の部屋に映像音声を届ける仕組みを用意するにしても必要なものがあります。 そう、「先立つもの」です。毎度、カンファレンスを支えてくださっているスポンサーの皆様、ありがとうございます。
私もイベント運営に 携わることも多い端くれとして わかるつもりなのですが、運営者って、できれば涼しい顔をしていたいんです。 多少大変なことがあっても「大丈夫ですよ」てって顔をしていたいものなんです。参加者には心配をさせないで、楽しんでもらいたいから。 今回のRubyWorldではまつもとさんをはじめ運営側から何度か ご支援の願いがありました。 運営者がこういう言葉を口にするというのは、本当に大変なんだと推察できます。 Rubyを使ってイイオモイをされている会社様におかれましては、カンファレンスへの支援、さらにはもう一段階上への支援をご検討いただけると、大変ありがたく存じます。私も単なる一参加者ですが、この楽しいイベントが今後も続くよう、お願いをする次第です。
参考までに、ここ3年間のスポンサー数の変遷です。去年がすごかったけれども、全体として 協力する会社さんの数自体が著しく減っているというわけではないんですよね。 (一番左は今年シルバースポンサー 協賛金を1とした時の協賛金額の比です)
| 種別 | 2023 | 2024 | 2025 | |
|---|---|---|---|---|
| 10 | Ruby | 3 | 3 | 2 |
| 5 | Platinum | 13 | 15 | 10 |
| ? | 他 | 3 | - | - |
| 2 | Gold | 12 | 14 | 15 |
| 1 | Silver | 22 | 33 | 27 |
| Sum | 53 | 65 | 54 |
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協賛すると起こること
「自社を知ってもらうことができます!」とはよく言うのですが、今回私自身こんなことがありましたという紹介を。
今回帰る日に石見銀山に寄ったのですが、面白いモビリティの取り組みがあったので 興味を持って写真を撮ったりしていました。 帰宅後にイベントでもらったパンフを整理していたら、今回のPlatinumスポンサーであるバイタルリードさんが運営するサービスだったことを知りました。
石見銀山で、面白そうなモビリティの試みをやってるなと思って写真撮ったのだけど、帰宅後に #rubyworld でもらったパンフを眺めていたら、バイタルリードさんの運営だったと知り、なんか嬉しい気分になった。つながった!(時間合わず乗れなかったけど)
— 坂井 恵(SAKAI Kei) (@sakaik) 2025年11月9日
事業説明パンフ、重要ですね! pic.twitter.com/SwqrNFJYH4
GTFS対応ということで検索してみると、見事に「ぎんざんカート」も時刻検索結果に出てきます。素晴らしい!
図:Google Mapsの出力を元に筆者加工
(私、GTFSとかにも興味あります)
・・・・というような思わぬ宣伝になることもあるので、ぜひみなさまご企業におかれましては、イベント支援の上、「会場内だけでアピールしようとせずに、何か持ち帰って後で見てもらえるものを」ご用意されるといいんじゃないかなと思います。
おわりに
いろいろ書きましたが、とても充実した楽しいイベントでした。運営の皆様、登壇してお話を聞かせてくださった皆様、会場でいろいろお話をさせていただいた皆様、どうもありがとうございました。 実は私は普段Rubyをほとんど使っていないのですが、2年前に このカンファレンスに興味を持って参加した際に「全体の雰囲気を知るためにも 、3回は無条件で参加する」と決めていました。今回はその3回目となります。来年のことは未定ですが、また参加したいと思う楽しいイベントでしたし、 その際にはまたお仲間に入れていただければ幸いに存じます。ありがとうございました。
カンファレンス以外の、松江行きの往路復路、松江でのお楽しみなどは、noteのほうに書きました。
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リンク
過去の参加:
去年は Day2終わった直後に福岡に、おととしは一泊して翌朝広島に移動していたんですねぇ。今年は飛行機のお値段が夜のが安かったので、翌日たっぷり島根県を回る時間を取れました。今年のその辺の話はまた改めてnoteにでも。
sakaik.hateblo.jp
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会う人会う人に私が熱く語った音声入力の紹介記事:
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