YAPC::Fukuoka 2025 参加

2025年11月14,15日に福岡で開催された YAPC::Fukuoka 2025 に参加してきました。
yapcjapan.org

復活後3回目の参加

 今回の開催場所は福岡。YAPC復活開催後は、広島・函館に次いで3回目の参加になります。 日本全国で次々に開催していて、幹事の皆さんありがとうございます。 今回の会場は、博多駅から数駅行ったところにある福岡工業大学(福工大)でした。 このあたりは、福岡|九州 + 工業|産業|無印 の組み合わせの大学が沢山ありよく間違えてしまうのですが(本当は更にもう少しややこしい)、会場は福工大です。15年ほど前に、オープンソースカンファレンス(OSC)で利用させていただいたことがあります。

スポンサーしてました

 広島開催時の出来事への感謝の気持ちもあり、 函館に続いて今回も私の会社で微力ながらもスポンサーをやらせていただきました。 ARTRY(アートライ)ってやつです。

 私の会社では、既存のお客様などからの紹介によりお仕事のお話をいただくことが多く、特に宣伝することもないのですが、ブロンドスポンサーはチラシ1枚を配布させてもらえるということで、今回はせっかくなので何か面白いことを書いたチラシでも作って配らせてもらおうとも思っていた、、、、のですけど、結局準備する時間が取れず無念。「面白いこと」って意外と難しい。
 敢えて何か宣伝するとしたら「最近ちょっと力を持て余しているので、みなさん、社員の募集だけでなくパートナー会社とのご縁作りにも目を向けてみるといいんじゃないかな。いい人ここにいますよ」ぐらいです(要するに、お悩み事項があればお気軽にご相談、お声がけくださいということでよろしくお願いします。「課題」に関する話を聞かせてもらうだけでも楽しい)。

 残念だった点が一点。スポンサーは受付時に色々貰えないことは承知済みでしたが 、いざ会場に行ってみるとやっぱり 受付時のパンフ類は欲しかったなぁと感じました。ノベルティやバッグやTシャツはともかくとして、他のスポンサーさんたちがどんなチラシを配っているのかなどは興味あるので、スポンサーとして参加している人にも配ったほうが、情報を伝えたい側、情報を欲しい側双方にとって win だった気がします。

印象に残った話

 たくさんの講演者さんのとてもよく準備された濃厚な講演を楽しませていただきました。 あまりガツガツとメモを取りながら聴くという感じではなく、全体の雰囲気を楽しみました。その中で印象に残ったものをいくつか簡単に。

いなおさんの熱い思い

 ガッツリ技術系ではないしPerl要素も薄めだろうけど、開催前から一番楽しみにしていた講演でした。 雑誌(正確には定期刊行物)を作るために、どんなテーマを取り上げ、それを誰にどのように伝えてもらうかを決める過程での 発想やこだわり、思いなどを伺いました。 旬な話題を旬な著者に依頼し続けた積み重ねが、「YAPCの登壇者の半分は WEB+DB PRESSでできている」となったわけですね。新しいお仕事に移られてからの 考えや行動なども非常に魅力的なお話でした。 企画の際の「ビビってないか?」という問いかけは、slidoでの質問を見ても あまりよく伝わっていない人も多かったように感じましたが、私には「無用な遠慮をしていないか」「もっと踏み込めるのに、色んな理由をつけてやめちゃってないか」といった意味として、しっくりと来ました(この理解すら講演者の意図と異なるかもしれませんが、考えるためのよい刺激をいただいたのでヨシとしましょう)。
「ビビってないか?」、面白い表現ですね。

山澤先生の「AIを使う学生たち」

 今回の会場である福工大で学生を教えている先生の講演。ここ数年で、プログラミングの課題に対して学生がAIを使っている比率が急増しているという話を中心に、 教育現場の現状について伺いました。 教えていない名称がコメント欄に記述されていたり、学んだことがないであろうコードの技法が随所に見られたりなどを 数値化して、まさに「激増」である現状が紹介されました。 非常に悩ましい状況で、講演後にも知人らともディスカッションをして、色々思うところもあるので、改めて別のエントリーで書ければと考えています。
 学校教育や新人の教育という視点でのテーマでもあるのですが、一方でおそらく、長い経験を持つ我々のほうも、大きく意識を変えなければならないところに来ているのだろうなと感じました。

yoku0825さんのMySQL PITRのためのバックアップ

 立場上(?)もっとも楽しみにしていた講演のひとつ。ひたすらPITRのお話。バックアップの話というよりは、リストア(リカバリ)の話ですね。自分ではこのあたりの運用設計や設定をやったことがなかったのだけど、話を聞いたら手を動かしてみたいなという気分になりました。 XtraBackupは全然触ったことがなかったので、「PITRやるには(MySQL Enterpriseを除くと)これ一択」と聞けたのが良かったです。よし、やってみよう!(ここまで書いて、つい気になってAIさんと1時間ほどおしゃべりをしてしまった。。。リストアのためにprepare処理が必要であることから、リストア時にはバックアップファイルと同じサイズのストレージが必要だとAIが主張しているのだが、結構これは大事なのではなかろうか。。prepareしながらMySQLへのリストアを進める(ファイルには書かない)とかできれば良いのですが)

懇親会は2日目の夜

 前夜祭の帰り道で知人と話題にするまで私もずっと勘違いしていたのですが、懇親会の開催は1日目と2日目の間ではなく、2日目終了後だったのですね。 1日目の登壇者でも「今日の懇親会の前に」みたいなこと言ってる人がいて、やっぱり1日目終了後だと思うよねーと親近感を持ちました。
 懇親会は料理も豪華で、今回お店は訪問できなかったビアキチのビールも来てくれて、 大変盛り上がりました。 今回どちらかというと、旧交を温めたことが多く、新しい方に積極的に話しかけたりすることが少なめだったのですが、その中でも YAPCを支えるカメラマンさんとお話できたのは面白かったなー。今後ともイベントをよろしくお願いします!あと、Twitterで時々他人のリツイートから流れてきてお名前だけ存じ上げていた方とご挨拶できたのも良かった。

1日目の夜は水炊きへ

 時間を巻き戻して1日目の夜、懇親会があると思って何も考えていなかったのですが、少人数でいいから水炊きを食べたいなぁという気分になり(前夜祭の際に「もつ鍋より水炊き!」と現地の人にすり込まれたのがここで発現したらしい(笑))、夕方に博多駅近くのお店に電話して席を4つ予約。 知人らに加えて、YAPC会場で初めてお話しした方をお誘いして行きました。 ひとりだけ初めてだと居心地悪いかなと少し心配していたのですが、全く心配いらず、とても楽しい話題であっという間に時間が過ぎていきました。 コミュニティって素敵。ありがとうございました。

さくらインターネットさんの前夜祭

 さらに時間を巻き戻して、Day 0 の夜。何カ所かで前夜祭が開催されていたようですが、私はさくらインターネットさん主催の「さくらの夕べ」に参加していました。予想していなかった方にお会いできたり、ゆるい雰囲気ながらもとても刺激になる良い話をたくさん聞かせていただいたりと、参加してよかったです。開催ありがとうございました。また、お話ししてくださった皆様ありがとうございました。
 ここ、廃校を利用した施設だったと思うのですが、以前は普通に「学校だなぁ」という感じだったのに、今回行ったら全然違ってキラキラしていたのでびっくりしました。いつの間にこんなに進化していたんだ。。。

まとめ

 斯くも楽しいYAPC::Fukuokaでした。 全体として細かい技術要素の話に落ちず幅広い話が聞けること、幅広い層の登壇者や参加者がいること、そして、 開催が再開されて間もないこともあってか、参加者の極端なグループ化が起こっておらず、比較的多くの参加者とフラットな関係で新たな交流を築けることなどが良かったです。 もちろんそういう雰囲気になるようスタッフの皆さんの配慮、努力があってのことと思います。企画運営スタッフの皆様、講演で楽しく素晴らしいお話を聞かせてくださった皆様、そして一緒に会場の雰囲気を盛り上げて楽しい場にしてくれた皆様、どうもありがとうございました。
 来年はデカいぞ !

おまけ

 何人かの方に熱く語った「Windowsでも音声入力、すごいぞこれ!」なソフト、こちらです。音声だけでのパーフェクトを目指すのではなく、補助として考えるとちょうど良く、個人的にはもうこれなしで生活できません。
sakaik.hateblo.jp