オープンソースカンファレンス2020新潟オンライン(OSC2020 Online Niigata)に参加してみました。
新潟でのOSCは、とにかくお酒とごはんのおいしさと、東京(上野)からも電車一本で行ける気軽さ故、毎年の開催を楽しみにしていたOSCのひとつでした。今年は長岡での開催が予定されていて、(新潟市まで行くよりもほんの少しだけ)近くなって一層気軽に参加できると思っていただけに、新型コロナの影響によるオフライン中止(オンライン化)は、ちょっと残念に思っていました。
でも、実行委員さんのご配慮で「新潟お酒セット」を購入できることに。なかなか手に入らないものも含めて3本セット。 どれもおいしく、OSC Niigata の前後数日で(私は家であまり呑まないのでその期間合わせても)2本程度をいただきました。 ただ、やっぱり現地に行ってみんなで、「自分はこれが好きだなぁ」「私はこっち」と言いながらいろいろな種類のお酒をいただける楽しみに比べると、雲泥の差があるので、はやくまたそうやって、おいしいおさけをみんなでいただける日が来ることを願っています。
こんな感じで、今年もオンラインではありながら、楽しい OSC 新潟でした。
・・・・あれ?
OSC本体の話を書いていない。。
OSC新潟では、他のOSCと異なり、ワントラック(ひとつの部屋にステージがひとつだけあって、そこで次々に色々なコミュニティがお話をしていく)かつ、持ち時間が15分だけというスタイルです。複数トラックの中から聞きたいテーマを選んで参加する場合と異なり、部屋に一旦入ったらそのまま強制的に(笑)いろんな話を聞かされるか、あるいは部屋を出て行くかしかないので、スピーカー側からすると、自分の講演テーマにまったく興味がない人、またまったくバックグラウンドを持たない人が聞き手にいることになります。
そういう背景での開催なので、例年、「MySQLを知らない」「そもそもRDBMSを知らない」という人が聞き手の大半であるという前提で、セミナーの内容を考えてきました。今年はオンラインになって、出入りがしやすくなり、自分の興味のあるセミナー枠の時間帯だけ視聴するという可能性もあるので、どうしようかと迷ったものの、やはりここは「これが OSC新潟だ!」と私が思っている雰囲気を大切にして、従来通りの方針で挑むことにしました。少しでも、システムの中でRDBMSというソフトが頑張っていて、そのソフトに興味を持ってくれる人が増えたら嬉しく思います。
www.slideshare.net
なお、発表資料の中で「MySQLもPostgreSQLのどちらも真のOSSデータベース」と説明していますが、これは、日経XTECHの記事で『「特定ベンダーの管理下にあるソフトは真のOSSとは言えない」(LPI-Japanの成井弦理事長)』という誤った情報が掲載されていた(下図)ことに対して、正しい内容をお知らせするものです。MySQLはOracle社という特定ベンダーが開発(管理)していますが、言うまでもなく「真の」OSSです。OSSに「真でないOSS」というものは存在しない(それは単に「OSSではない」と同義)ので、敢えて「真の」と付けなくてもOSSなのですが。
これを読んだ(あるいは資料を見た)方には、「MySQLは真のOSSとは言えない」というのは、LPI-Japanのみの独自見解であり、一般に認められた解釈ではないことを知って頂ければと思います。
自分の枠のあとは、何人かのお話を聞かせてもらって、夜の懇親会へ。
各地から参加していた人が多かったこともあってか、話題は一部を除き、あんまり新潟新潟していなかったかなーという印象でした。
OSCをはじめ、各地で開催されていた「地域イベント」がオンライン化することによって、空間的な垣根が取り払われました。私自身はこれにより、長期的には「地域イベントに地域性はなくなる」と感じているほうなのですが、これも人によって色々な捉え方をしているので、軽く議論すると非常に面白い。
今は、今までその地域で出会った人たちにオンラインで会うことができ、その人たちがいることでその地域らしさを感じていますが、今後新しい人がどんどん参加してくる中で、そういう人たちにとっては主催者がどの地域かというのは実感がないものです。今後混ざり合っていった結果「発祥は各地域だし、それぞれに特徴はあるけど、特に地域を意識する必要はない」ようになっていくのではないかなと個人的には感じています。 積極的に地域の発表者を掘り起こし、積極的に沿った話題を取り上げていく場合はその限りではありませんが。
という思いは持ちつつも、今まで全国のOSCを周り、いろいろな人と出会ったり地域を感じさせていただいたりしてきた身としては、イベントの均一化は寂しい事象でもあるので、イベントにおける地域性(地域名を関したイベント)というのは何なのだろう、ということを、今後も考えていきたいと思います。
新潟に話を戻すと、この緩さ(参加者自身で作り上げていくイベントという感じ)は、唯一無二の新潟のOSCなので、今後もこの緩さを大切に(「頑張らない」をキープ)開催が続いてくれたらなぁと願っています。 そして、最後はオンラインの話を書きましたが、新潟こそは、顔をつきあわせて、おいしい何十種類ものお酒を一緒に楽しめる世の中でまた、リアル参加できることを心から楽しみにしています。