FOSS4G Hokkaido 2025参加

 2025年9月26,27日に札幌で開催された FOSS4G Hokkaido 2025 に参加してきました。北海道はこのまえ「2024」が開催されたばかりですが、年度で考えるということで、7ヶ月ぶりですが「2025」として無事開催されたということ。
 1日目ハンズオン、2日目コアデイ(セミナー発表を聞く日)の両日、参加してきました。
foss4g.hokkaido.jp

ハンズオンデイ

 2トラック、午前1枠、午後1枠の合計4つのハンズオンが開催されました。私は前回に引き続きRでのGISデータ処理をもう少し知りたかったのと、福岡で初めて聞いた衛星データの扱いについて別の角度から聞いてみたかったので、その2つを受講しました。最近一部に人気のSupabaseも気になったのですが、比較的自学できそうな分野(既に持っている知識を流用できるところも多そう)ということで、まったく自分からは遠いこの2つに。
https://peatix.com/event/4469993

Rによる地理空間データ分析

 とにかく大量のデータを配列だかリストだかの集合的な型に入れて、同じ演算に掛けるという処理が楽であることを実感しました。
とりあえず Tidyverseはほぼ必須。 Tidyデータ(整然データ:いわゆる「縦持ち」のデータ)を扱うのに便利なパッケージだそうです。あとは、おまけの話として紹介された starsパッケージは、ラスタデータの扱いに優れているとのこと。少し前にラスタデータを扱おうとして、ちょっと処理が面倒で投げ出してしまったものがあったので、ちょうどいいかも。

衛星画像で遊ぶQGIS中級講座

 各衛生が持っている、周波数ごとのデータを上手に組み合わせて、植生や地物の種類の特定をする、というのがキモ。いくつかやっていると、何を見たいからこの辺のバンドを、、というのは慣れてくるのだろうなと思いつつ、今なにに着目して何の操作をしているのかを意識しながら、ハンズオンを進めました。QGISはバージョンによって動きが違う部分があり、それはつまり、それだけ実装が次々に進んでいる最先端のデータ操作をやっているのだなと感じました。あとは、とにかく「この画像を使おう!」というのを選ぶのがたいへん。膨大な量のデータが公開されているのだけど、ちょうど良いエリアや撮影条件(雲がないなど)のものを得るための画面が使いにくく、遅い。このへん別のツールを作る余地があるかもと感じました。
 解像度の高いデータはお値段も高いけれども、無料で公開されているレベルの画像からも色々わかるし、災害などの際に高解像度のデータが公開されることもあり、そういったデータを必要なときに必要な操作ができるテクニックは身につけておきたいところです。とにかくドローンや航空写真では得られない画像の範囲の広さにも魅力を感じました。

コアデイ

 全18セッション。個別のセッション、気になったセッションなどの話題は他の方に譲りますので、ぜひ皆さんで気になったセッション、ためになったセッションなどを書いてください。私からは全体としての印象を。
 それぞれの立場や目的。、それぞれの習熟状態に合わせた幅広い発表が魅力的でした。入門したての方の体験談、新分野を開拓しようとしている話、実務上の課題を解決するための試みや実績など、その範囲の広さにワクワクしました。今回は、いつもMySQLGIS機能についてお話してくださる方が参加できなかったので、データベースの話題は SpatiaLite一色でしたね。一部の人たちが(笑) (ハンズオンではSupabase)。どんなもんなのか、ちょっと触ってみたい気分になってきました。最近身の回りで点群の話も増えてきたので、そんな話題も(期待していたレイヤは、手元にあるデータの取り回し等だったので、それとは少し異なるレイヤの話でしたが)たいへん興味深く聞かせていただきました。

懇親会

 コアデイの片付けも、参加者のみなさんのご協力でスムーズに進み、裏側では懇親会のセッティングをし、いざメインイベント開幕。私のイチオシは、数時間並ばないと食べられないあのトリトンのお寿司。バタバタしているうちに写真を撮り損なってしまいましたが、下まで巻いているサーモンや赤味に舌鼓を打ちました。写真はザンギタワー。 FOSS4G北海道の懇親会は、お店に明るくセンスの良い「宴会部長」クラスが複数も居るので、懇親会がいつも本当に楽しみです。おっと、去年のお寿司の写真を見つけたので貼っておこう。今年もそんなに姿に変わりはないはず。

 たくさんの方とお話させていただいて、、、と言っても今回は旧知の方(といっても私がこっちの世界に入れてもらったここ7年程度の話ですが)としっかりお話しした時間が長かったかなという気がします。新しい方を見つけて、輪に入ってもらえるようにするいつもの活動は今回はおやすみ(笑)。たくさんのことを教えていただきました。椅子に座ってしまい、根っこが生えて動き回らなかったというのは、この形式のパーティでの私の反省点。(根っこはいつも簡単に生えます)


 懇親会では今年はLTをやらせていただきました。 大阪、福岡に次ぐ「当地の人に知ってもらいたい測量・地理情報スポット」の北海道編です。「各地GISスポット三部作」とでも呼びましょうか。資料は以下に公開しています。
speakerdeck.com
 北海道がどれくらい北にあるのかを、緯線(のキリ番)を描くことで把握しようという趣向で、事前に4人の道民の方にご協力をいただきました。改めまして、ありがとうございました(お名前の公開については、資料にそのまま掲載する旨でご了解いただいています)。皆さん、1度のサイズに認識の差はありますが、概ね43度が通っていることは正しく認識されていて、さすがです。関東の人に緯度を書けと言ったら、とんでもない数字を書きそうな気がします(私も、35度が通っている場所は把握していますが、36度がどのへんになるのか曖昧です)。
 驚いたのがKさんの回答。書きながら「確か42度はなんちゃら半島の南辺りを通っているから・・・」と話されていたことからも、その認識の精度の高さが伺えます。あまりにすごいのでそこだけスライドから引用しますが、もうこれ完全一致です。私の書いた正答(赤い線)のほうがむしろ誤差があるかもと不安荷鳴るレベルです。すごいです。賞品用意すべきだった(笑)。

 皆さんも白地図用意して、日本の緯度を書き入れたり、経度を書き入れたりして遊んでみてはいかがでしょうか。


 三部作、もうちょっとゆったりとまた何処かの場でお話ししたいなぁ。オンラインでそんなイベントやったら聞きたい人いますかね。

まとめ

 いつも各地のFOSS4Gイベントでは「押しかけスタッフ」と言って、スタッフじゃないけどお手伝いしたり、スタッフ目線で会場等の不足事項に対応したりしている私ですが、実は今回は途中から(ほとんど最後の数週間)、スタッフになっていました。主に広報、Twitter(X)まわりのお手伝いをさせていただいたので、Twitter(X)を見て開催を知りました、参加すること決めました、という人がいっぱい居たら嬉しいなぁと思います。
 短い運営参加期間でしたが、 みんな忙しい中でそれぞれができることを持ち寄り、気づくことを言い合って、素晴らしいチームだなと感じました。本当にありがとうございました!
 そしてイベントを作り上げてくれた登壇者のみなさん、ハンズオン講師のみなさん(資料にすごく手間がかかってますよね)、私のLTを楽しんでくれたみなさん、そしてすべての参加者のみなさんに感謝申し上げます。

 あと、最近、イベント後にブログ書く人がものすごく減っているように感じます。楽しかったイベント、学びがあったイベントを記録として残しませんか。後で見直して「この頃は、そんなことも分かってなかったのか、その程度の情報に感動していたのか」みたいな成長を感じられて自分が微笑ましくなるのも楽しいものです(あるいは、書いたけどその後なにもせずにそのままになってしまったことを思い出せたり)。みんなの参加しての感想を、私も読みたいです!

おまけ:講演資料リンク集

 コアデイの発表資料、懇親会LTでの発表資料等が続々と公開されています(みなさん早い)。
そのうち公式サイトのほうにリンク集が掲載されるかもしれませんが、参加された皆さんのハートが熱いうちに見たいでしょうから、とりいそぎこちらにリストをまとめました。

本編
懇親会LT
その他のリンク