「空気読み」企画術

「空気読み」企画術

「空気読み」企画術

 「空気を読む」という言葉はともすれば「上目遣いで顔色を伺う」といったいじけた意味で使われがちだ。多くの場合「空気を読めない(KY)」と批判的に言っている人の心の奥底にあるおは「私の顔色をうかがってくれなかった」というヒガミににた感情である。
 こういった時代背景があるが故に、その「空気を読む」という言葉を会社名にし、そして本書のタイトルに採用したことに、正直に言っていささかの驚きを禁じ得なかった。


 本書は「企画術」の本である。企画を行っていく上で読むべき「時代の空気」、そこにスポットライトを当てている。小さな企画ならばトレンドになってから急いで企画を練れば流行に乗れるかもしれない。しかし一定以上の規模のものは準備にも時間がかかるので、流行る前に「空気を読んで」先回りして企画を行っていく必要がある。奇しくも先日、ソフトバンクの孫さんがtwitterで「時代は読むもんじゃない。先回りして仕掛けて、待つ」という内容のことを発言していたのと考え方が一致する。


 「次に何が来るか」には兆候がある。みんなが求めているものの前髪をつかむために上手なアンテナの張り方(意識の持ち方)があり、その発見を企画に昇華させる便利な手法があり、そしてそれを企画化した際に決裁者にGOを出させるための伝え方(プレゼンの手法)がある。本書はこれらすべてを一気貫通で語ってくれている。
 多少、具体的な事例の説明の割合が多めなのが私としては残念だったのだが*1、全体として非常に納得感のある一貫した考え方に触れることができ、読んでよかったと思う。


 最後にキーワードをざらざらと。ピンと来た方には本書の一読をお勧めしたい。
デモグラではなくペルソナで。発見体質。誰がお金を出すの?トレンドの振り子。企画=パッケージング。ストーリー。AIDMA/AISAS。


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*1:具体的な話は読み物としては楽しいのだが飽くまでも単なるひとつの事例に過ぎないので。読者の理解度を増すために事例に重きを置くのであれば、あと5倍くらいの事例を読みたかった。