オープンソースカンファレンス2018福岡(OSC2018-Fukuoka)参画

 12月8日に福岡で開催された OSC2018-Fukuoka に参加してきました。

www.ospn.jp

 今回も日本MySQLユーザ会として、ブース出展とセミナーの開催を行ってきました。
セミナーは、朝の2枠目(11時から)。事前申込みの人数をみて「まぁこんなものかな」と思っていたら、実際にはそれよりもたくさんの人が聞きに来てくれて、良い感じの規模でお話をさせていただきました。「MySQLGIS(Spatial)機能のイントロダクション」のお話です。一年間(本腰を入れてからは約半年)にわたって全国でお伝えしてきましたが、このレイヤの話は今回が最終回の予定。リクエストがあれば喜んでお話をしに行きますが、それなりに公開資料も蓄積されてきたし、いくつかのポイントさえ押さえれば比較的シンプルな話でもあるので、私からこのテーマを提案してお話するのは、今年いっぱいにしようかなと考えている次第。
 同じ資料を使ってあちこちでお話すればいいのに、毎回少しずつシナリオや強調ポイントを変えながらお話するので結構大変なのですが、今回はある意味、それらの集大成。私の思い入れの部分は前半封印して、とにかく「これだけ覚えたらいいです」をぎゅっと紹介しました。とは言え、根底にある「位置情報を扱うのは楽しい」を隠せるわけがないので、にじみ出る「楽しさ」を感じ取ってもらえたら一石二鳥かなと思います。

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 今後もしばらくはGIS機能を追いかけていくつもりですが、今年獲得した、基本的な扱い方と「緯度・経度のきほん」の知識をもとに、来年は、より、データの操作に近い部分で色々追いかけて行けたらと考えています。その中のひとつとしては、世間にあるオープンデータを利用して遊んでみたり、少し直角平面座標系上での扱いについて追ってみたりなどを予定しています。 どうしても押さえておきたかった主な「聖地」も一段落した感があるので、じっくりデータベースを触る年にしましょうかね。

 あと、今回嬉しかったのが、昨年「会場が自分の学校なので、ちょっと覗いてみました」と言っていた学生さんが、今回は別会場であるにも関わらず参加してくださったこと。こうやって、(OSC方面から見たら)興味を持って参加してくれる人が増えることと、(参加一人一人から見たときに)活動の幅が広がってくれることが生み出されていく場であるというのが、本当にOSCって素敵だなといつも感じる所以です。



 実は、はじめて福岡でOSCが開催されたのも 12月8日だったんですよね。2007年の。あれ以来、発表された日程が嵐の影響で急遽変更された一度を除いてずっとOSC福岡には参加してきましたが、ちょうどひとまわりした感もあるのと、色々とスケジュール等も厳しくなってきたのとで、一旦ここで区切りとして、来年の参加は「白紙」からのスタートにする見込みです。わざわざ宣言するものでもありませんが、「居て当たり前」と見られている存在になっている自覚はあるので、来年驚かれないように、一応軽く表明を致した次第。


 今回のOSC福岡でお話させてくださったみなさま、そして今年1年各地のOSCでセミナーを聞いてくださったり、おしゃべりさせていただいたりしたみなさま、どうもありがとうございました。

i_s.ST_S_R_Sに見る様々な地球

RDBMS-GISアドヴェントカレンダー 7日目です。

本エントリのタイトルの正式名は「INFORMATION_SCHEMA.ST_SPATIAL_REFERENCE_SYSTEMS ビューに見る様々な地球」です。長いので省略しました。

 MySQLは 8.0 になって初めて「地球が丸い」という事を知りました。これはMySQL的にはどういうことかというと、内部に、地球の形(回転楕円体)のデータを持っているということです。

そもそも地球の形って?

 地球は地「球」というくらいだから球形なんでしょ?と言う人は、今の時代ほとんどいないと思いますが、じゃぁどういう形なの?と聞かれてちゃんと応えられる人もまた、それほど多くはないと思います。赤道方向にぷっくらとひしゃげている、というイメージくらいで捉えているのではないでしょうか。
 そもそも、地球はとってもデコボコです。そりゃ街の中を歩けば平らなところはないのだから、デコボコしてるのくらい知ってるよ、ですか? いえいえそういう話をしているのではありません。海抜ゼロメートルラインが、すでにでこぼこしているのです。それは地球上はそれぞれの場所ごとに重力が異なり(構成されている物質の違いなどにより密度が異なるから)、地球上における測量は常に「重力方向が、真下」というように重量そのものを拠り所としてきたからです。
 そこで、よりシンプルな形に「モデル化」する流れとなります。多くの場合、地球を回転楕円体として取り扱います。概ね赤道半径が6,400km で、 極方向の半径はそれよりもおよそ 298分の1だけ短い、そんなモデルです。
 歴史的経緯や、おそらく「決める人の立場」のために、様々な「地球のモデル」が作られてきました。本エントリでは、MySQLの定義における、これらの「いろいろな地球」を紹介していきたいと思います。

MySQLが知っている「地球」の形

 MySQLの知っている地球について、MySQLの脳内を覗いてみましょう。大丈夫。ソースコードじゃなくて、データとして定義されています。 INFROMATION_SCHEMA の ST_SPATIAL_REFERENCE_SYSTEMS ビューです。
 ここには、地理座標系と呼ばれる、地球を回転楕円体と見なした様々なモデルが 479種類、そのそれぞれに、平面の地図に変換して落として表現するためのモデル4628種類が登録されているのです。

mysql >use information_schema     
mysql> SELECT SUBSTR(definition, 1, 6) g, COUNT(*)  FROM ST_SPATIAL_REFERENCE_SYSTEMS GROUP BY g ORDER BY g;                     
+--------+----------+
| g      | COUNT(*) |
+--------+----------+
|        |        1 |
| GEOGCS |      479 |
| PROJCS |     4628 |
+--------+----------+
3 rows in set (0.02 sec)

 本エントリでは、地理座標系 GEOGCSに焦点を当てて見ていきます。

GEOGCS にはどのような事が記述されているのか

 ST_S_R_S から「様々な地球」の情報を読み解くために、まず、ここにはどのような事が記述されているのかを知っておくと良いでしょう。我々日本人がよく使うことになるであろう、"JGD2011"(6668) の定義を見てみます。definition列の値を整形すると、以下のようになります。

GEOGCS[
  "JGD2011",
  DATUM[
    "Japanese Geodetic Datum 2011",
    SPHEROID["GRS 1980",6378137,298.257222101,AUTHORITY["EPSG","7019"]],
    AUTHORITY["EPSG","1128"]
  ],
  PRIMEM["Greenwich",0,AUTHORITY["EPSG","8901"]],
  UNIT["degree",0.017453292519943278, AUTHORITY["EPSG","9122"]],
  AXIS["Lat",NORTH], 
  AXIS["Lon",EAST], 
  AUTHORITY["EPSG","6668"]
]

最初に 座標系の名前が記述された後、DATUM, PRIMEM, UNIT, AXIS 等の順に続きます。
JGD2011では、赤道半径 6378137 km 、極半径はそれよりも 1/298.257222101 だけ短い、と定義されていることがわかります。単位(UNIT)は「度(degree)」であり、1度は 0.017453292519943278ラジアンであることも読み取れます。(1/360 * 2PI)
 AXISは、出てきた順に、第1軸、第2軸、となるようです。

様々な地球:半径と扁平率

それこそ伊能忠敬も知りたかった「地球の大きさ」。その定義が、ここです。1800年台前半頃から、さまざまな地球の大きさが見積もられてきました。また、楕円のつぶれ度合いにつちては、中には扁平率=0(真球)のものもあったりして、なかなか興味深いです。
 JGD2011は、この中で "GRS 1980" という楕円体モデルを採用しています。


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MyNA(日本MySQLユーザ会) 望年LT大会2018@赤坂 開催しました

 日本 MySQL ユーザ会(MyNA)の忘年会として、東京は赤坂のワインバーを貸切にしての来たる年に望みをつなぐ 望年LT大会を開催しました。

connpass.com

 率直な感想としては、とにかく無事に終わってほっとしている、という部分が強いのですが、それもこれも皆さんの協力あってこそと感謝しています。

  • 当日お店に寄って、おいしいチーズをいっぱい買ってきてくれました
  • 会場についてからソフトドリンクの調達のお買いものに行ってくれました
  • 受付のための諸準備をしてきてくれました(名簿の印刷、名札やペンの用意等)
  • 会のあいだじゅう、遅れてくる方を気をかけて、しっかりと受付と説明をしてくださいました
  • LT の用意をし、またはその場で用意して、LTで盛り上げてくれました
  • 突然のフリにも関わらず、快くLTのタイムキーパーを引き受けてくれました
  • 食べ物の増減にあわせて、テーブルの上を適宜きれいにするなど気をくばってくれました
  • ぽつりとしている人がいないよう、なんか自然と良い感じに会話を盛り上げてくれました
  • 開催まで、定員割れ(赤字ライン)で泣きそうな幹事を支え、宣伝、集客に協力してくれました
  • ちゃんとみんな来てくれました!

などなど、皆さんそれぞれのできる事で、たくさんの協力をいただきました。本当にありがとうございました。

 都内で何らかの会を開いた場合、ノーショウ率3割4割はあたりまえ!という経験を何度もしているので、こういう会を開くのは非常に怖かったのですが、今回は申し込んだもののお仕事やご家庭の都合で参加できなくなってしまった方は、ちゃんと事前にキャンセルの連絡をくださいましたし、そうでない方は、ちゃんと来てくれました。来たんですよ!意味わかんないんですが出席率100%ですよ!ノーノーショウ!受付用名簿に全部「○」がついているんですよ。鳥肌が立ちました。ありがとう。

 今回、試みとして「学生枠」として、安く参加できる枠を設定してみました。残念ながら今回は学生さんの参加はありませんでしたが、MyNAとして今後も「若い人歓迎。学生さん歓迎」のメッセージは出し続けていきたいと思います。全然リーチしていない感はあるので、データベースに興味のありそうな学生さんが近くにいるオトナの方は、もしよかったら何かの企画の際にも背中をおしてあげていただけたら幸いです。

 今回の反省点のひとつに「参加受付の締切を前日に設定してしまった」ということがありました。受付用名簿を用意する関係と、それまでに自分のスケジュールしっかり決めてね、決められるでしょ、という思いがあって設定したのですが、「参加は無理だと考えて申し込めなかったけど、当日、行けそうな状況になってきた」という方に対して優しくなかったです。反省。twitterで当日の参加希望を呟いて、yoku0825さんがそれに気づいてくれて、参加していただけたのは、この「反省点」の傷を少し軽減していただけたようで、気分的に助かりました。ありがとうございます。


 個人的な面では、とにかく幹事として場が良い感じになっているのを見てほっとして、満足しちゃって、実はあんまり「参加」してた感覚がなかったのです(笑)。初めて来てくださった方ともっとお話ししたかったし、超久々に会った方とももっとお話したかったのですが、なんかへろへろ幹事ですいません。
 極めつけは、せじまさんに「その話超聞きたい!」「壊すデモ!?見たい!見たい!」と超おねだりしたのに、せじまさんのLTの時に聞いていなかったという失礼を。。。すいませんすいませんすいません。こんどまた別の会のときにも聞かせてください!


 最後に重大な御礼です。
今回のイベント開催にあたり、SCSK(株)様より経済的なご支援をいただきました。今回の参加費の設定は、ほぼ会場費(ワイン呑み放題付き)の部分のみでして、あの豪華な食べ物を提供できたのは、SCSKさんのおかげです。どうもありがとうございました。
 SCSKさんは、MySQLがビジネスとして日本に入ってきた最初期の頃からMySQLのサポートをしていて、手前味噌ですが、インタビューして記事を書かせていただいたこともあります(もう12年も前になるのですね)

超・極める!MySQL

超・極める!MySQL


 参加してくれた皆さん、色々お手伝いをしてくださった皆さん、どうもありがとうございました!私もとっても楽しかったです!

参考情報:

今回利用したお店:
●ノムノ赤坂店(赤坂1号店と呼ぶときもあり)
 ワイン50種呑み放題で、ひとり 3,000円+税。食べ物飲み物持ち込み自由(食べ物の提供はお店では、なし)。 
akasaka.nomuno.tokyo

今回お料理をお願いしたお店:
●Tokyo Bistro SCOP
 ノムノの1階にあるお店です。ノムノの「持ち込み」という性質上、本当は自分で買いに行く(取りに行く)ところなのですが、今回は、ご厚意で3階まで何度も配達してくれました(SCOPの店員さんとノムノの店員さんとで)。とっても助かりました。ありがとうございます。
 Tokyo Bistro SCOP - 赤坂見附/ビストロ [食べログ]

写真

 今回、なんだかバタバタふわふわしていて、会が始まってからの写真を一切撮っていないことに気づきました。私にしては珍しい。開始前の扉の外の様子を貼っておきますw
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余はなぜGIS機能に魅せられしか/今年の活動の整理

この日記は RDBMS GIS アドベントカレンダー2018の1日目です。


 この一年、 GIS 機能についてさまざまな経験をしたり学びを得たりしてきました。
この日記では一年の振り返りと、なぜ私がここまで GIS 機能に惹かれたのかについて紹介していきたいと思います。 直接の技術的な話はありませんが、データベースで扱うデータに対して、どのように興味関心を持って接しているか、という視点でお読みいただければ。

1 GIS機能とは。MySQLGIS 機能とは。

ここで言う GIS 機能とは、位置の情報を取り扱うための機能のことです。 MySQL ではバージョン8.0になって地球上の位置の情報を取り扱うしくみが大幅に整備されました。 具体的には、それまでのバージョンでは平面上の座標のみを取り扱うことができたものが、バージョン8.0になって初めて、MySQLは地球が丸いことを覚えたのです。緯度と経度、または基準として定めた点からの南北方向東西方向への距離という形で地球上の位置を取り扱います。
 MySQL では、実はあまり 「GIS」というキーワードは使わず、Spatial(空間の)という言葉を使用します。空間情報ですね。

2 私のこの一年

 地球上の位置を表す方法はいろいろありますが、ここでは緯度経度を例にして話をしますと、緯度経度それ自体は単なる二つの数字のセットです。無味乾燥な数字です。ですが、データベースにこれらの値を登録したりシステムでこれらの値を扱うような開発を行うとき、その数字がどういう意味を持っているのかを知っていたほうが、いつでも、より適切なイメージを持って値を取り扱うことができるようになります。


 そんな考えですから、MySQL でコマンドを叩くだけでなく、 緯度経度が表している数字をよりリアルに感じたいという流れになるのは、必然です。つまり、位置をあらわすということの「実態」をこの目で見ることにも重点を置いてきました。こう書くととても崇高な感じはしますが、率直に言えば、ただ見たかっただけです(笑)。
 また、 この1年でいただけた各地での発表の機会を使って、この1年はほとんど、GIS 機能について紹介をしてきました。データベースに格納されるデータは、有効に利用されてこそ価値が生まれるものですから、位置に関する情報が世の中にどのように活用されているのかを知るためにも、データベースの世界とは離れ、GIS の情報を取り扱うプロフェッショナル方達からも色々と教えていただく機会を多く得ました。そういう方たちの世界では、データの格納方法という視点ではなく、データをエンドユーザーにどのように見せたいのか、どんな切り口で見せたいのかなどの活用方法について、彼らそれぞれの「あたりまえ」に触れることができたのは、非常にわくわくする体験でした。


 この一年の、関連する私の活動を以下に整理しました。各地での発表資料については slideshare に上がっていますので、内容については、そちらを参照ください。
https://www.slideshare.net/sakaik/

●2017/11/02 水準原点を見に行ってしまう
●2017/12/26 日本経緯度原点を見に行く
●2018/02/10 浜松の一等三角点を見に行く
■2018/02/11 OSCHamanakoLT 「MySQLGIS機能がやってきた」
●2018/05/23 水準原点公開日に見に行く
●2018/07/06 札幌の基線南端北端に行く
■2018/07/07 OSC Hokkaido 「MySQLに本格GIS機能がやってきた」
■2018/07/23 日本MySQLユーザ会会(MyNA会) 「MySQLGIS機能とか超入門」
●2018/08/29 伊能忠敬記念館に行ってみる
■2018/08/31 ClubMySQL 「周辺知識から理解するMySQLGIS機能」
●2018/10/07 明石東経135度線を見に行く
■2018/10/28 OSCTokyo/Fall 「MySQL8.0の新機能"地理情報" を理解しよう入門~いまからはじめるGIS
■2018/11/04 FOSS4GOkayama 「MySQL 8.0で強化されたGIS機能のご紹介」
■2018/12/08(予定) OSCFukuoka 「MySQL 8.0 で強化されたGIS(地理情報)機能を使ってみよう」
(■は発表、●はリアルな「位置」関連視察:-))


3 なぜここまで GIS 機能に惹かれるのか

 かように私の興味を引き立てた GIS 機能ですが、100人のMySQLユーザーがいれば当然100人が興奮してこの機能に飛び付くと思っていました(やや誇張あり)。実際には、あれれ、意外とみんな、そこまで興味はなさそうと感じることもあり、なぜ自分がこんなにも位置情報を扱えることに心を惹かれているのかということについて考えてみました。


 ひとえに「RDBMSに興味がある」と言っても、大きくふたつに分けることができるようです。ひとつは RDBMSの仕組みそのものに興味がある場合。もうひとつが、RDBMSで扱うことができるデータに興味がある場合です。
 前者は、RDBMSが安定して運用されるためにやるべきこと、なるべく高速に動作させるために工夫すべき事などに関心があるのではないでしょうか。そのノウハウは、セミナーや書籍などのネタにもなりやすく、比較的目立ちやすいこともあって、「RDBMSを知るっていうのは、こういうことだ!」という印象が強くなる傾向があるかと感じます。実際にお仕事で RDBMSの運用をするというのは、こういうノウハウを蓄積していることでもあるので、現場感のある人にとって必然的な姿勢かと思います。
 一方、私はというと、特にこの数年はそういった運用の現場感が全然ない環境にいることもあって、運用に関わる話題は、聞くのは好きだしわくわくもするけれども、どことなく身近に感じられない、異世界の話題のように感じるときもあるのです。
 そんな私が今回気づいたのが、自分は「RDBMSが扱う "データ" に興味があるのだ」ということでした。これはこの数年の立ち位置のせいだけではなく、思い起こせば昔からそういう傾向があったような気がします。小売店で全国の支店の売り上げがSQLを叩くだけで手に取るように分かるとか、紙でファイリングしていた大量の資料を一元管理できることで今まで見えなかった情報相互の関係を分析しやすくなったとか、そういった「現実世界とつながったデータ」にわくわくしながら、RDBMSと付き合ってきました。10年程前に、元お茶の水大の増永先生にサインをいただいたときに「地球まるごとデータベース」というキャッチコピーを添えてくださったのですが、今まで私が触れてきたデータベースとは、まさに「地球まるごと(のごく一部)」だったわけです。

 この視点の違いに気づけば、当初の「なぜGISに惹かれるか」の答えは見えたようなものです。

 今までMySQLでは、文字、数字、日付時刻の情報を中心としたデータを取り扱ってきました。これは「地球まるごと」を格納するためには、致命的に不足している情報タイプがあったのです。そう、それが「位置」に関する情報です。大きく分類すれば位置でさえ「数字のセット」でしかありませんが、数量や重量、金額などをあらわしていた「数字」とはまったく異なるポテンシャルを持っているのが「位置」の情報なのです。
 単なる平面座標ではなく、球体(正確には回転楕円体)である地球上の位置を、気楽に扱えるこの仕組みこそ、今までのMySQLに欠けていたものでした。(他のRDBMSには、本体またはプラグインの形で実装されているものが多かったけど)バージョン 8.0 になり、MySQLでもこれらの位置の情報を扱える仲間入りを果たしたということが、私にとっては、MySQLの表現力が格段にレベルアップしたと言ってよいほどに感動的な出来事だったというわけです。
 だからこそ、MySQLでの位置の情報の操作方法といった基本的な事を押さえた後は、この「Spatial型」に入れるべき現実世界はどうなっているのか、という点に興味が広がるわけですし、その過程で知った「おもしろそうな場所」に、適度に気楽に行けるのであれば行って自分の目で見てみたいと思い行動してきた、この1年でした。


 世の中の様々な場所をあらわすために「緯度、経度」という連続的な数字のセットがあり、それら数字を MySQL などに格納し、取り扱うことができるようになった。この、現実世界との連動こそが、データベースの大きな魅力であることを再確認できた、この1年間でした。

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追記(2018/12/02):とみたさんより、(1)仕組みへの興味、(2)データへの興味、に続く第三の興味関心の軸を提示頂いたので、紹介します:-)

オープンソースカンファレンス2018新潟(OSC2018-Niigata)参画

オープンソースカンファレンス2018新潟(OSC2018-Niigata)に参加して、日本MySQLユーザ会(MyNA)としてブース展示とセミナー開催をいたしました。
www.ospn.jp

 新潟と言えばお酒なので、まず最初にそれを語らなければならないのですが、少人数での前夜祭から本番懇親会、翌日の酒蔵見学まで、新潟堪能のOSCでした。
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写真は、本番懇親会に、現地幹事の方が用意してくださったお酒の数々。真ん中にあるのは、かめすい(日本PostgreSQLユーザ会さんがよく配っているお水)ならぬ、かめざけ。マスカガミの「甕覗(かめのぞき)」です。面白かった。決して、らっきょうとか紅ショウガの入った壷ではありません。
 特に前夜祭では「いくらなんでもこれは飲み過ぎだろう」というくらい、みんなで呑みまくっていたのですが(ラストオーダーで、最後に2合x3本を頼んだら、お店のお姉さんに「大丈夫ですか?」と言われたくらい、たぶん結構呑んだはず)、適切にチェーサーしつつ自分のペースで呑んでさえいれば、全然翌日に残らないのが、本当に新潟のお酒、不思議です。新潟やばい。




 今回の OSC2018-Niigata には、MyNAとしては初めて、まみーさんが参加してくれました。MySQLユーザ会枠のセミナーでお話をしてくださり、一緒にブースに座っていてくださいました。OSCでは一人で色々やっていることが多いので、なんとなくいつも慌ただしく感じているのですが、まみーさんのおかげでとってもゆったりと過ごせました。これからもぜひ色々なOSC(やその他のイベントも)に参加してくださいね!
 OSC本体の様子については、まみーさんがしっかりと書いてくださったので、そちらで!
mamy1326.hatenablog.com



あと、OSCのアドヴェントカレンダーをやるようです。まだ空きがあるので、関係各位はぜひ。
adventar.org

ついでに宣伝すると、MySQL とかのRDBMSGIS 機能についてのアドヴェントカレンダーも開催しています。たぶん全部埋まることはないので、賑やかしに、ちょっとしたネタ披露や思いを語るブログなどでも、参加くださいませ。MySQLGIS機能を初めて触ってみた方から、PostGISなどでガンガンに使いこなしているから教えてやるぜ!という方まで、いろんなお話を聞かせて欲しいです。
qiita.com

FOSS4G 2018 OKAYAMA 参画

岡山で開催された FOSS4G 2018 OKAYAMA.KANSAI に参加してきました。
FOSS4Gは、「Free & Open Source GIS の祭典」だそうで、今年は 札幌、名古屋に引き続いての開催です。

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最近、MySQL 8.0 が GIS(Spatial)機能に本気を出したことで興味を持っていたので、名古屋に引き続き参加してきました。しかも今回は発表付き。プロ集団の中でお話するの、怖かったですw
 この分野は(比喩ではなく本当に)まだまだひよっこな私ですが、位置に関する情報がどのように使用されているのかを知りたくて、参加しました。全体としては、防災や災害後の情報収集/整理等との相性が非常に強い技術だという印象を受けましたが、地理院地図のお話や、古地図と現代の地図とのぴったり重ね合わせや、バスのオープンデータの提供/活用の話など、わくわくする話をたくさん聞けたイベントでした。

 2日目のハンズオンデイは、宮内さんの「JavaScriptPostGISでお手軽に本格GIS」に参加させていただきました。MySQLじゃなくて PostGIS だけど、今回の範囲であれば、POINT型とあと幾つかの関数を使う程度なので、MySQLでもほぼ使えそうな気がしました。(MySQL版のハンズオンをやられた FOSS4G Tokyo に参加できず悔しい)
 そんなに要領悪くないと自分では思っていたのですが、やっている事はシンプルなのに、結構手間取ったりして、ついていくのが精一杯でしたが、いま手を動かしたものが目の前で動作するようになっていく過程を(本業の慣れた事以外では)久々に体験し、わくわくしました。

 懇親会でも、たくさんの方とお話をさせていただき、最初はアウェイの中でとても緊張していたのですが、皆様に仲間に入れていただいた気分で、大変楽しく過ごさせていただきました。どうもありがとうございました。

 もっともっとGISの基礎技術や活用事例に触れていきたいので、この機会に OSGeo財団日本支部に入会させていただきました。どうぞ宜しくお願いいたします。


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発表資料を貼っておきます。

www.slideshare.net

オープンソースカンファレンス2018東京秋(OSC2018-Tokyo/Fall)参画

OSC2018-Tokyo/Fall(オープンソースカンファレンス2018東京秋)に参加してきました。
いつもの通り、日本MySQLユーザ会としてブースを出しつつ、でも結構うろうろしながら他のブースの方ともお話したり、自由で楽しく参加させてもらいました。
東京のOSCは、千葉県在住の身からは「非常に遠い」会場で開催されるので、よほどのモチベーションがなければ参加しない方針だったのですが、今年は MySQL 8.0 のGIS機能元年ということで、お伝えしたいことがたくさんあり、セミナー開催を楽しみに参加をした次第。ちなみに片道3時間かかるので、東京のOSCは、東京なのに宿泊での参加という、なんだかちょっぴり負けたような気のする参加形態となります(笑)。
www.ospn.jp

 ブースを出したら出したで、それなりに収穫があるもので、いろんな方へMySQLでもGIS機能が(ちゃんと地球の形を知った上で)使えるようになったよ!ということを伝えられたと思いますし、全然MySQLの事を知らない方に、MySQL、というよりRDBMSのことを少しお話できたり、有意義な時間となりました。
 距離的な行きにくさという事と、行った先の名産品を食べるという楽しみが特にないことから、東京のOSCは私は避け気味になっているのですが、やっぱり人の多さ、熱量の高さは最大ですねぇ。各地のOSCに参加していると、n次会まで懇親した後でホテルに戻るまで概ね10分以内ということが多いので、それに慣れてしまうと、懇親会後に1時間も2時間も(今回の会場は3時間だけど)かけて家に帰るのが億劫になってしまうという、面白い感覚があることに気がつきました。
 ということで、これ、東京OSCのエントリなんですけど、出展側のみなさんぜひ各地のOSCに行きましょう!


セミナー資料を貼っておきます。
今年いっぱいは MySQLGIS 機能を使うために必要な基本的な事項を調べまくって、伝えよう、ということで活動してきましたが、そろそろ超基本的なところについては資料も揃ってきたし、12月の福岡で本ネタは最後にしようかな、と考えています(もちろん依頼をいただけば喜んでお話します)。次は何をやろうかな。



www.slideshare.net

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