ゼンリンミュージアムの赤水&忠敬展が最高だった

ことの発端

2023年12月。ゼンリンミュージアムさん(以降敬称略)が、こんなツイートをしていました。


2024年の1月中旬から5月中旬まで「赤水と忠敬を一緒に並べる企画展」をやるぞ、と。これが私のアンテナにピピピッとひっかかったわけです。

以前より少し気になっていたゼンリンミュージアム。小倉にあるこのミュージアムは千葉県在住の私にとって「ちょっと面白そうだから行ってみよう」というには遠すぎました。しかし、赤水と忠敬が揃って待っているなら、モチベーション100倍アップ。さすがにミュージアムのためだけに九州まで行くわけにはいかないので、何かの予定とカップリングできないかと、そこから模索の日々が続きました。

チャンス到来(というか無理矢理作った)

 最初に候補に挙がったのは、1月末の OSC2024-Osaka のついでに訪問するという案でした。かなり本気で旅程を検討して、、、いやちょっと待って。どう考えてもおかしいでしょ。大阪のついでに小倉に寄ってきましたって。前後のスケジュールを確保しにくかったこともあり、ボツとなりました。
 次のチャンスが 2月の YAPC::Hiroshima。もともと参加を迷っていたイベントだったのですが、赤水とセットになるなら行かない理由はないと、急遽参加を決めました(結果として、期待以上に得るものがあり参加して良かったです。そちらの話はリンク先で)。広島のついでに小倉なら、まぁすぐ近くだしアリですよね! アリですよね!? 

小倉到着

 そんなわけで羽田空港にて SNS には「広島にいってきま~す」みたいな事を書いて、降り立ったのは北九州空港(笑)。4時起きで第一便で到着しました。空港から小倉駅へのバスは補助席もほぼ使い切る満席。
小倉駅では、まず入場券を買って5番線へ。 ゼンリンミュージアムがホームにあった旧喫煙ルームを展示スペースとして利用しているということで、どんなものをかを見たかったのでした。

旧喫煙ルームの中を使っているわけではなく造形の外側にポスター展示をしているもので、これから本物のミュージアムに行くのだったら別にわざわざ見なくてもよかったかもしれません(笑)。が、見なかったら見なかったで「ホームにあるっていうアレ、どんなんだったんだろうなぁ」ってずっと言っていたと思うので、自分の性格としては押さえておく必要があるビューポイントでした。

渾身のボケ不発

 「広島に行くよ」と言って羽田を飛び立ってきたので、ひとつボケてやろうと「平和通り」と「平和通駅」の写真を撮ってSNSにアップしたのですが、誰にも気づいてもらえませんでした。説明抜きで(むしろまじめな顔をして)投稿したので「それ広島ちゃう。小倉やん」と突っ込むことが躊躇されたのかもしれません。大不発(笑)。


一級基準点21046

おお、あれがゼンリンミュージアムのある建物だ!と見えてきたあたりで、何やら気になる美しい橋が目に入ったので、少し寄り道。
寄り道の途中で「伊能忠敬 測量200年記念碑」というものをみかけました。



「2001」という名前がつけられた1級基準点です。点番号21046。成果ID 921079。銘板に記された経緯度は、どうやらJGD2000(またはそれ以降)の値のようです。よかった(笑)。

ゼンリンミュージアムに到着

そんなこんなでようやくゼンリンミュージアムに到着です。家を出てから7時間強。
でもここからがまだまだ長いんです。

いざ入館~怒濤の情報インプット

 入館料を支払っていざ入館。 荷物は最初はずっと手持ちしていればいいやと持っていたのだけど、ほどなくして身軽になりたくて、館内のコインロッカーに預けました。絶対そのほうがラク。館内はほとんど写真撮影不可なので、ここからは言葉中心で。
 最初の廊下に掲示されている地図の歴史の数々を、人類のその想像力に嘆息しながらひとつひとつじっくり眺めていると、キュレーターさんに声をかけてもらいました。余談ですが私、館内にいる間ずっとこの「キュレーターさん」という言葉が思い出せずに「サーキュレーターみたいな感じの言葉だったんだけど、なんて言うんだったかなぁ」と悶々としていました。思い出せないんじゃなくて思い出しすぎていた(だいたい合ってた)と気づいたのは小倉を離れる新幹線に乗ってから。
 で、「北側の窓から関門海峡がよく見えるんですよ」「今日は天気が良くて特に景色がいいですね」などと教えてもらい(こちらの景色は写真撮影OK)。

 私はと言えば、ようやく来られた嬉しさと、大昔の地図の歴史を眺め始めた興奮と、これから見るであろう企画展「赤水と忠敬」へのわくわく感から非常にハイテンションになっていて、お話相手ができた嬉しさかも、あれやこれや話しまくっていたように思います。その後1時間以上、比較的空いていた時間帯だったとは言え、まるで専属案内人であるかのようにたくさんのお話を聞かせていただきました。得がたい体験でした。本当にありがとうございました!

「集めた赤水 歩いた伊能」展示室へ

 企画展の展示室に入ります。普通の興味レベルならば「ふぅん」と言いながら一つ一つ軽く眺めて10分程度ですべて通し終わるくらいかもしれませんが、私にとっては「見たかったお宝」が壁じゅうにあるわけです。実際、この展示室で相当な時間を過ごしました。
 さて、私のこれまでの赤水のイメージは、当企画展でもタイトルになっている「集めた赤水」の通り、現地に行きもせずに、人から話を聞いただけで適当にそれっぽく図に落とし込んだ、というものでした。あっちから来た人に聞いたら高い山があるらしいぞ、ほい来た、山を付け足しちゃおう。こっちから来た人に聞いたら、海の方に向かって大きな回り道になってるって話だ、ほい来た、半島を付け足しちゃえ。そんな集まりで、あの「一応もっともらしい日本の形をした地図」ができるんだから、すごいもんだなぁ、そんな風に考えていました。

 とんでもない。

話を聞くと言っても、ただの旅人に聞くだけでなく、当時の有名な学者さんとの多くの付き合いの中で学術的な裏付けを持ったも情報を得たり、それなりに実績があると言われていた天文学書や事典などをもとに情報収集していたとのこと。中でも私が気に入ったのは、地図を描く上で緯度を正確さの基準とした話。 緯度というのは決められた星の見かけ上の高さ(角度)を観測することで得ることができます。 各地域での観測結果を収集することで(今の地名で書くと)「松江は何度、金澤は何度、宇都宮は何度」と分かるので、この点の情報を基準として地図に描きこむことで、より正確な地図へ近づけることができた、という話でした。すごい。

 地図の歴史を辿るときには、自分の得意な緯度をひとつ持っておくと、より楽しめます。私の場合は北緯35度がそれで、江津から大津、伊豆半島を通って安房まで抜けるラインがどれだけ正確に表現されているかを堪能しました。と言いつつ、私も手元に赤水図のレプリカを所持しているにもかかわらず、赤水図では安房が短く、北緯35度線が安房の南海上を通っていることに、今回の会場で見て初めて気づいたのですが。

 そして目玉の、赤水図と伊能図の横並び展示。 赤水図もすごいなぁと思っていたけど、並べてみると伊能図の美しさが一層引き立ちますね。よくもまぁこんな細かいものを全部測量しながら線を引いていったものだと、その膨大な作業量に驚かされるばかりです。

 そうこうしているうちに(ここまでで入館後2時間経過)ガイドツアーの時間になったので、参加して他のお客さんと一緒にお話を聞きました。既に濃厚な説明をたくさん聞かせていただいたあとなので、私にとっては復習のような感じでしたが、改めてひと回り説明を聞いてみて、展示の流れが整理できたような気がします。

 私にとって今までの大きな疑問が「何もないところ(というか事実上は行基図か)からいきなり、あの赤水図が生み出されたわけではなかろう」というものでした。 そんな話をキュレーターさんにしたら、その場でiPadで調べてくれて数分後に「見つかりました!」って教えてくれました。私としては「あぁ、やはり赤水が元にした地図というのはあったのか」と安心して、その聞いた名前は忘れてしまったのですが、いま改めて調べてみたところだと、森幸安による通称「幸安図(日本分野図)」でしたかね。あるいは流宣図というのもあるようで意外と色々な地図が当時あったのかもしれません。 人々がこうして「日本の形」を認識していく過程って、更にもう少し調べたら面白そうだなと思いました。

 同様に、海外から「日本」という国が(地図的な意味で)どのように見えていたかも、常設展示のほうで体感することができて興味深かったです。いくつか描かれている地名に、なぜその地名がそこに描かれることになったのか等と当時の様子に思いを馳せるのは楽しいですね。

楽しい時間はあっという間に過ぎ往く

 夜になるまでに広島に移動する必要があるので、名残惜しさを感じつつ、展示の鑑賞は終了に。 館内には休憩所を兼ねたカフェがあり、そちらでコーヒーとプリンをいただきました。今回伊能図の展示をしていたこともあってか、千葉県のピーナッツのお菓子もあったのですが「いや、私そっちから来たので(笑)」。 むしろそのお菓子、時々買ってお土産に持っていくほうの立場なのでした。

ここまで入館から4時間。気分が高ぶっていたので気づきにくかったのですが、さすがに疲れました。プリンの甘さが安らぎに。

ミュージアムのキュレーターの皆さん、受付/カフェ のみなさん、とても雰囲気良く声をかけてくださって、とても心地よい時間を過ごしました。 
小倉というのはなかなか立ち寄る機会のないエリアなのですが、また興味深い企画展がある時にはスケジュール作って訪問したいです。魅力的な企画展を楽しみにしています!

お買い物も

 同じビルの下の階に、地図にちなんだグッズを作って見ることができるお店と、各種グッズの販売のお店とがあり、帰りに立ち寄りました。カンバッヂを作らせてもらったり、いろんなグッズを買ったり(あまり買う気がなかったのですが、ついついあれもこれもと選んでいるうちに5桁の買い物に・・・ヒエー)しました。写真で紹介したいのですが、ここまで書いてきて疲れてしまったので、気が向いたら後日追記したいと思います。

その後の話

 広島に移動して、YAPC::Hiroshimaの前夜祭に参加する予定だったのですが、ホテルに入った途端に緊張がほどけたのか、睡眠不足+水分不足+立ちっぱなしの3拍子が揃ったこともあって、バタンと。 もう動きたくないくらいの頭痛で、そのまま前夜祭を諦めてホテルでお休みしました。 これに関しては残念だったのですが(楽しそうだな~と思いながらTweet見ていました)、ゼンリンミュージアムでの満足度の高さと、結果としてYAPCも翌日の本体で最高の体験をたくさんできたので、体調を適切に整える時間に使えたことで良かったのかなと思っています。 非常に濃厚で満足度の高い2日間でした。

私のたからものの赤水図

 数年前に何かの拍子に買った赤水図のレプリカ。 今回の展示を見て「版」がいろいろあることを知ったのですが、確認したところ手持ちのレプリカは「寛政3年の第2版」でした。ここまで興味を持ってくると、他の版の赤水図も欲しくなってしまいますね。

さいごに

 あの楽しかった体験を日記に書かなければ、と思いながら、書き始めるまでの気合いを溜めるのに1ヶ月以上もかかってしまいました。書き始めたら案の定指が止まらず、書きながらあの楽しかった時間を思い出しました。
この分野に興味を持ってしまった千葉県民としては当然佐原の伊能忠敬記念館には行ったことがありますし、なんなら利根川越えたところにある間宮林蔵記念館も行ったことがありますが、今回、同じく茨城県内は高萩に赤水記念館(最近名称変更)があると教えてもらったので、今年中には一度訪問できたらいいなと思っています。

追記

 この日記を書いているうちに気分が盛り上がってしまい、以前から気になっていた本を買ってしまいました。
ひとつは「流宣図と赤水図」。赤水図の各版の違いを紹介し、見分け方を提示しているのが面白いです。赤水図に至る歴史上の各種地図についても多く年代入りで紹介しており、一度じっくりと目を通して整理してみたいところであります。
もう一冊は中図(伊能図)の原寸大複製。写真で見ると感覚失いそうですが、「流宣図と赤水図」がちょうどA4サイズなので、伊能図の大きさがわかるでしょうか。伊豆諸島の測量結果やシーボルトが持ち出してメルカトル図法に書き直した日本全図なども掲載されていて、ページをめくるたびにわくわくする本です。さすがに気軽に新品で買えるお値段ではないので中古ですが、十分に状態よく、良い買い物をしました。

写真撮影のために開いたページは「いわき 高萩」のページですがページ下部には『赤水の死没10日後であったので、測量日記に「長久保赤水の出し村なり」と書いています』と説明書きがありました。

PG-Strom v5リリース記念イベントでベンチマーク紹介しました

2024年3月15日に開催された『「GPUを活用したビッグデータ分析基盤を構築しよう」PG-Strom v5リリース記念』イベントでお話をしてきました。
bakusokudb.connpass.com

15分の枠の予定だったのですが、公開された動画を見ると23分あるので、どうやら23分話していたようです(笑)。

PG-Strom

 最近は仕事としてPG-Stromの検証をして、皆さんに使ってもらうためのノウハウを溜めたりしています。 PG-Stromは一部の人からは強い興味関心の対象となっていますが、まだまだ広く知られているとは言えないかな、と思っています。

簡単に書くと

  • PG-Strom は RDBMSです。PostgreSQLの extension として動作します。使い勝手はPostgreSQLそのものです。
  • フツーのRDBMSは処理にCPUだけを使うものが多いですが、PG-StromはGPUのパワーを使います。5000とか8000並列なのでハマる処理は相当速いです。
  • 日本で開発。機会あれば開発者に日本語で疑問点を尋ねたりできます(今回みたいに)。

という感じ。(内部でのデータ転送を少しでも速くする工夫とか、無駄なものを転送に乗せないようにする工夫とか他にも色々仕掛けがあります)

たくさんの参加御礼

 そんなPG-Stromが、昨年末の12月に Version 5 として大幅にバージョンアップしました。一つ前のバージョンが version 3 だったので、約1.7倍!(そこを計算で比較するのは適切ではない)
version 3 で今ひとつイケてなかった仕組みを大量に設計しなおして、より使いやすくより高速になったバージョンです。
そのリリース記念として、初めてこういうイベントを開催しました。 
まぁこんな感じなので、誰も来てくれないんじゃないか、せめて知り合いが2,3人でも来てくれれば、動画公開用の「公開収録」くらいのつもりで話せばいいか、なんて思っていました。

 ところが!ですよ。

蓋を開けてみれば会場に14人(登壇者3名含む)。はじめましての方も、遠くから来てくださった方も、旧知の方では「この人が興味を持ってくれるんだ!嬉しい!」という方も。
ご参加ありがとうございました。

私の発表

 私からは、PG-Strom を用いたスタースキーマベンチマーク(ssb)の結果を紹介しました。 初めて紹介する場だったので、ややssb自体の説明をじっくりとやることにしました。ベンチーマークの性質、データ規模等について理解いただけたのではないかと思います。パフォーマンス測定結果は、PostgreSQLの標準のテーブル(heap)に乗ったままのデータを、PG-Stromを使って、つまりGPUで処理させることでどれくらい変化するのかをお伝えしました。実は、もっと速くする方法があるので、またの機会に紹介したいと思います(Apache Arrowファイルを用いる方法です。Arrowファイルを使っても速くなるものとあまり効果が得られないものがあるので、そんな話も追々)。
 

開発者海外さんの発表

 PG-Stromの歴史を辿りながら PG-Strom v5 の工夫のポイントを紹介してくれました。私が v3 で不満に感じていた部分が v5 で解消されている話などもありました(件数少ない時に、むしろPG-Stromを使わないほうが速かった件など)。GPUの内部をイメージし切れていないので「連続状態のデータとなるように」と言われても未だに分からない部分も多いのですが、ひとつひとつ課題やアイデアの実現などを重ねて、このバージョンができあがったことがよく分かるお話でした。こういう話は(細かいところがわからなくても)聞いていてワクワクしますね。

資料と動画公開

当日の発表動画は、YouTube の『爆速DB「PG-Strom」』チャンネルで公開しています。チャンネル登録してぜひご覧ください。
https://www.youtube.com/@bakusokuDB


私の発表資料は Speakerdeckで公開しています:
speakerdeck.com

今後

 終了後の交流会も、短い時間ながら大変盛り上がりました。大崎の夜は早い(笑)。あと1時間くらいお話したいところでしたね。
PG-Stromの話題に興味を持ってくれる人がたくさん居ることもわかったので、おそらくまた2回目、3回目を開催していくと思います。ぜひまたご参加ください。今回参加叶わなかった方も次回は会場でお会いしましょう!


Speakerdeckで公開したスライドでは画像がツブれている可能性があるので、Star Schema Benchmark のクエリの早見表をこちらにも貼っておきます。実は途中から記述方針を変えたのでよく見ると首尾一貫していない記述方があるのですが、ご愛敬という事で。

「公共交通オープンデータ最前線2024」参加

今年も「公共交通オープンデータ最前線2024」に、参加してきました。今年は3月2日の開催。「3月に入ってから発表準備しよう!」という人には厳しい日程だったかも(笑)。
https://gtfs2024.peatix.com/


昨年(2003年)の参加後にこんなブログを書きました。
sakaik.hateblo.jp
今年も、33講演。幅広いテーマ、幅広いバックエンドを持った登壇者の、たくさんの講演を聞かせていただきました。IT屋さんがガッツリ入るケースも増えてきているなという印象。

路線がないのに扱える GTFS-flex

 今年の新しい話題としては GTFS-flexが印象的でした。GTFSというのは主にバスを中心とした「路線通りに運行している」公共交通を扱うものだと理解していたのですが、GTFS-flex はオンデマンド交通のような路線がないもの(スタートとフィニッシュだけ「その時に」決まるようなものなど)を扱える仕組みだそうです。
セミオンデマンド」とか「フルオンデマンド」とかは明るくないのでよく分かりませんでしたが、面白い事ができそうな予感がしました。

なお、昨年の「新ネタ」でわくわくしたGBFSは、今年は話題を聞きませんでした。どこかに行ってしまったのか、細々と続けているのか。

やはり懇親会

 昨年は(有志でというテイで)ごはんを食べに行きましたが、今年は公式に懇親会が開催されました。
お話したかった方が何人かいて、でも私、顔認識ロジックが貧弱なもので相手を見つけられないものだから、いろんな人に「○○さんって分かります?」とか聞いて回っていました。お世話してくださった皆さんありがとうございました。こういう時に、やっぱり名札があったらいいのになぁと思ったりします。私も、よく自分の名札を持って行くのですが、今回は忘れてしまいました。
狙っていたお相手以外にも、多くの出会いがあり、普段よく顔を出すいわゆる「ホーム」の場も気楽だけど、こういうアウェイ的な場(と言っても随分と知り合いも増えましたが)も楽しいと改めて感じました。

今年こそデータと戯れる時間を

 毎年このイベントに参加(コロナ時は視聴)して、「GTFSデータ楽しそう!やるぞ!」と思うものの、翌日から日常に忙殺されて触れぬままに翌年のイベントを迎える、ということが続いております。GTFSデータリポジトリで手軽にデータを取得できる場を作っていただけていることだし、今年こそ、何かの形になるところまでたどり着けないとしても少しはデータと戯れてみたいです!

OSGeo.JPともぜひ何か

 OSGeo.JP の運営メンバからもたくさん今回のイベントに参加させてもらっていました。懇親会で何やら楽しい話がなされていたようですので、OSGeo+GTFS的な何か(発表会かもしれないし交流会かもしれないし)など開催される流れになったら良いですね。

ますますの発展を!

 基本的に部外者の興味本位、という立ち位置で参加させてもらっているのですが、毎度、紙が減っていくこと、自治体も頑張っていること、新しい発表者が毎年現れてくれることなどを体感しています。一方で、データ作成公開を継続できなかった地域・会社の話も耳にすることもあり、これは残念だなと感じました。「雰囲気で」やっていたところと、「しっかりと意義を理解して」取り組んでいたところの差が出ているのかなという印象です。 継続できない事情はそれぞれだと思うので、そういった出入り自由な雰囲気を持ちつつ、今のように全体としては拡がっていく傾向が今後もますます続いてくれることを願っています。

なお、冒頭の写真は昨年のと似ていますが、ちゃんと今年の開始前に撮影したものです。同じ部屋だから似た絵面になるよね。

MySQLで二乗三乗は^じゃないんだじょう

SQL」は標準化されているとはいえ、特に関数や演算子にはデータベース製品ごとに結構な差異が含まれています。「方言」と呼んだりしますね。
その「方言」のおかげで、うっかりハマったので、紹介するじょう。

計算が合わない!

事の発端は、SELECT句で行っていた少々複雑な計算が、なんか全然違う値を返していることに気づいたこと。式を分解しながら原因を突き止めたところ、累乗の計算で期待と異なる結果を返していることが原因だと分かりました。

何が起きたのか

シンプルな例として「10の三乗」が欲しいとします。まぁ、何も考えずに手を動かすと、このように書きますよね。

mysql> SELECT 10^3;
+------+
| 10^3 |
+------+
|    9 |
+------+

 10の3乗は、9です! ・・・・ってそんなことあるかぁっ!

実はMySQLでは ^ は、ビット演算の演算子なのです。XORです。
MySQL :: MySQL 8.0 リファレンスマニュアル :: 12.13 ビット関数と演算子

ということで 10→1010、3→0011 なので、

1010 XOR 0011 = 1001

(1001←9)
という正しい計算が行われたということですね。 もちろんこの式単独で見ればおかしいことにすぐに気づくのですが、複雑な式の結果が合わない、というところからこの演算子が累乗でないことに気づくまでには結構手間がかかりました。。

MySQLの累乗はパワー

 MySQLで累乗の計算を行うには、POW() (またはPOWER())を使用します。こんな感じ。

mysql> SELECT POW(10,3);
+-----------+
| POW(10,3) |
+-----------+
|      1000 |
+-----------+

なんだか見た目として(慣れないと) 10の3乗を指示した気分になれないですよね。。

PostgreSQL では

PostgreSQLでは「^」で累乗を表します。こっちのほうが多くのプログラム言語で見慣れているので気分良いですね。

pgdb=# SELECT 10^3;
 ?column? 
----------
     1000

追記(2024/03/07正午頃)

 Twitter(現X)で紹介したところ、「プログラム言語で累乗に ^ 使うのって少ないんじゃね?」「OracleMSSQLでもPOWER()だよ。MSSQLでは ^ はXOR」など色々おしえてもらいました。
また、本エントリで多少の違和感を持ちつつ「累乗」と書いていたのですが、私が普段よく使っていた用語は「べき乗(冪乗)」でした。前者は自然数の場合のみ用いられる語とのことです。まぁ「3.14^2」みたいな式を累乗と呼んでも目くじらを立てる人もそうそういないと思いますけど、正確ではなかったな、と。(1000^3 を例にしておいてよかった)
以下のスレにて。

とほほさんにあえてうふふ

2024年2月に参加した YAPC::Hiroshimaで、「あの」とほほさんの講演を聴き、懇親会でお話をする機会を得ました。YAPC参加ブログの中の一部として埋もれさせるには惜しい程の得がたい体験だったので、本エントリに切り出して書く次第。
YAPC::Hiroshima 2024 の参加については以下のエントリにて:
sakaik.hateblo.jp

そんなにすごい人だったの?

 htmlのタグ名、cssの書き方、その他各種言語の基本構文や関数などを検索すると、大概「とほほのWWW入門」に行き当たります。簡潔に、しかし幅広い分野に亘って充実した解説には、何度も助けられました。他の情報源に当たっていたら数時間は解決しなかったであろうものが、とほほさんのサイトで3分で済んだ、みたいな感じ。 辞書のように安定した情報は、さながら「ひとりWikipedia」のようでした。
 技術情報を検索すれば余りに当たり前のように「そこにある」ものだったので、いつのまにか都度感謝をすることを忘れてしまったくらいに生活の中にあるものだったのですが、今回の講演を聞き、お話をする機会を得て、「自分はこんなにも感謝をしていたのか!」ということを認識できて、寧ろ自分でも驚いたくらいです。
 YAPC::Hiroshimaの会場でも、ある程度年齢の行った技術者が軒並み感動していて、その時代をともに歩んで来たわけではないのでそこまでピンと来てはいない若い人たちが「自分の尊敬する先輩がこんなに感動しているなんて!」と感動している「感動の連鎖」を目にしたりして、「若い人たちにこの感動が伝わっているなんて!」と私も更に感動の連鎖に飲み込まれたのでありました。

実在の人として認識したのは5年ほど前

 そんな当たり前に存在した「とほほのWWW入門」ですが、あまり人物感がないというか、「未来から来た自動生成プログラムが、情報をぽんと置いていったんだよ」というまるでサトシナカモトみたいな話があっても信じちゃうくらい、サイト作成者については謎に包まれていました。講演に出てくるわけでもなければ、IT系の交流系イベントでお会いするわけでもない。充実したサイトだけが「そこにある」という、不思議な状態が続いていました。
 この状態に終止符を打ったのが5年ほど前(2017年)。突然、お写真付きでインタビュー記事が公開されました。今は無き HRナビですが現在は以下のサイトで閲覧することができます。
project.gotanda-valley.com

 びっくりしましたね。お姿を拝見できる方だと思ってもいなかったので、当時、何度も何度も読んじゃったことを記憶しています。

講演を聴いて

 ご自身がやってきたことを中心にお話をしてくださいました。コンピュータとの出会い、アイコン重要、同名ハンドルの方との混同による死亡説騒動、シンプルな記述に気を配っていること、IT以外の「とほほ入門」のこと。 
私は結構、人の話を聞いていると途中で飽きちゃうほうなのですが、とほほさんのお話は最後まで引き込まれたままであっという間の時間でした。40-50分くらいでした?
 

懇親会にて

 とほほさんも懇親会に参加されるということで(しかも私は参加できなかったんですが二次会までお付き合いいただいたそうで)、これはぜひともお話しなければ!と意気込んでいたのですが、最初は「そこに "動くとほほさん" がいる」という状態が不思議で不思議で、声をかけられませんでした。これではいかん、と宴も半ばにさしかかった頃、とほほさんの近くのテーブルで他の方とお話しながらスタンバイ。どんな有名な人でも、パーティー全体の中では突然ひとりになる瞬間というものがあるのです。いや別に盛り上がっている輪の中に入っていっても良いのですが、今回はなんとなく一人になった瞬間を狙いたかった気分で(笑)。
 少しすると狙い通りとなったので、ご挨拶に。 昔のテープにセーブしていた頃の話(ピー・ガッガーの話)から、フロッピーディスク談義(私は部品点数も多く分厚い3.5インチは受け入れられずに、薄い5インチのほうが残ると思っていたのですが、とほほさんは 3.5インチが残るとお考えだった、みたいな話とか)、アウトプットするということについて(講演で語られたお話をさらにもう少し)、いろいろお話させていただきました。お話していて改めて分かったのは、とにかく好奇心の塊ということ。 自分の生活や仕事の中で触れた情報をまとめているだけでなく、「なんかネタがあったら教えて!」と、むしろネタを探しに行く姿勢からも、そのように感じました。 みんなとの写真撮影にも気さくに応じてくれたりして、なんだか昔から一緒にコミュニティ活動していた仲間であるかのような錯覚をしてしまったくらい、とてもフレンドリーに接してくださいました。基本的に今回 YAPC::Hiroshimaに参加していた人たちの多くは、とほほさんに対して大スターに接するかのような思いがあったと思うのですが、そんな中にいても極めて自然に振る舞っていて、格好良いなぁと思いました。

 そう。格好良い。文字にしちゃうと陳腐な感じがするのだけど、本当にこれ以外の言葉を当てはめることができない感覚(言葉にすると全部違う気がしてしまう)で、懇親会後に新幹線に乗って福山まで移動して、福山のホテルの窓からライトアップされた福山城を眺めながら「格好良かったなぁ・・・・」と嘆息していたくらいには、ずっとシビれておりました。 お会いできて良かった! また色々な場に出てきていただいて、またお会いしたいものです。

短距離走

 とほほさんとお話をしていて、僭越ながら(勿論厚みも幅も継続性も全然レベルが違うことは承知の上で)自分と考え方が似ている部分があるなぁと感じました。
何かの情報に触れた時に、その周辺情報を含めたある程度のカタマリについて一式を知りたいと思うこと。知ったことを整理してみたいと思うこと。知って面白い内容だったので人に聞いてもらいたい(伝えたい)と思ってしまうこと。結果として(自分も忘れるので)その書き残したことが後の自分にも意外と役に立つこと。
 興味関心のターゲットは、「ある程度のカタマリ」の範囲を(自分ルールで良いので)決められるものであること。どこまでやってもキリがないものではなく、コンプリート可能なものであることが重要です。その道が長いか短いかはそれぞれなので、必ずしも短距離とは言えないのですが、コンプに向かって突っ走る感覚から、私はこれを「短距離走」と呼んでいます。この「短距離走」がお好きなのかなと感じました。 少し大げさな言い方をすると、ひとつのロールモデルに出会えたような気分でした。いいんだ、これで、って。

 ご本人がこれを読まれたら「ぜんぜん違うよ」とお笑いになるかもしれませんが(笑)。

Now

 会から2週間も経ってこの文章を書いていますが(逆に、まだ2週間しか経っていないのかという気分もあります)、思い出しながら、素敵な方とお話できたなぁとニヤニヤしてしまっています(笑)。お話楽しかったです。うふふ。

YAPC::Hiroshima 2024 に参加 & ブログと登壇資料へのリンク集

2024年2月10日に広島で開催された YAPC::Hiroshima 2024に参加してきました。
YAPCは東京で開催されていた最後の回を含めて数回参加したことがありますが、数ある言語系イベントの中でも最も技術に厳しくギークな集まりで、適当な知識でうっかり口を開くとすぐに厳しい言葉が飛んでくる、そんなやや怖い印象を持っていました。今回、それほどそうとは感じなかったのは、時代なのか、私が成長したのか。
yapcjapan.org

到着まで

 小倉のゼンリンミュージアムで1月から5月までやっている企画展訪問のチャンスを狙っていたので、今回この機会に立ち寄ることにしました。広島だったら小倉近いしね。(なお当方千葉県在住)
そんなわけで、YAPC::Hiroshimaに向かうのに、いったん会場の上空を通過。

ミュージアムについては、また別エントリにて書く予定です。
小倉の平和通りに行ってボケてみたのに、ほとんど誰も突っ込んでくれなくて寂しかったです(いわゆる「難しボケ」というやつ)。これ広島じゃないんです。。





前夜祭参加失敗

 そんなわけで飛行機+新幹線で広島入りし、やや遅刻で前夜祭に参加する予定だったのですが、頭痛がひどくなり、ホテルに入ったら出られなくなってしまいました。。薬を飲んで、Twitter(X)を見ながら前夜祭の雰囲気を楽しみました。行きたかったなぁ。
遠征時は多少ハードなスケジュールを組むのは私にとって日常なのですが、今回思い当たることとしては、

  • 寝不足(2時頃就寝、4時起床で家を出てきた)
  • 着陸時の耳抜き失敗
  • ミュージアムで数時間ほぼずっと立って歩いていた疲れ
  • 同、水分補給の失敗

といったあたりが重なってしまったのではないかと思います。今後は少し自重しよう。

会場への道

 広島へはこれまで何度か来ているものの、人と一緒に行動したりタクシー乗ったり歩いたりばかりで、実はひとりで市電に乗るのは初めてだったかも。行き先間違えずに、袋町のほうに行くやつにちゃんと乗れた!ドラクエウォークやりながら乗っていたら、これから停まっていく駅が地図上でよく見えるのが密かに便利でした。そうか。バス停みたいなイメージを持っていましたが、これ「駅」なんですよね。

出会いの再構築の場

 昨年から今年にかけて、様々なイベントに現地参加してきた中で「あぁこれって出会いの再構築だな」と気づきました。今回のYAPCも、5年ぶりまたは下手したら10年くらい会ってなかったんじゃないかという人と再会できて、まさにご縁のつなぎ直しの場としても価値のある場所となりました。やっぱりリアルでのカンファレンスに勝るものはないと実感しています。開催ありがとうございます! 

素晴らしい講演たち

 今回はたくさんの講演を堪能させていただきました。一部の方がずっと廊下でお喋りを楽しんでいたみたいですが、実は私も、自分が馴染んでいるイベントでは「講演よりも雑談派」なので、普段はそっち側にいることが多かったりします。こんなにしっかり講演を聞くイベントも珍しいくらい(笑)。

 聞いた講演すべてを書くことはできないのですが、いくつか書いておきたいと思います。

コミュニティ大好き

 そーだいさんの話に共感。朝イチから良い話を聞けました。実は思うところには然程の差はないのに、なんだろうこの圧倒的な「伝え力」。すごい。


「計画的偶発性」という言葉には、クランボルツ氏には悪いけど私はあまり良いネーミングだとは思っていなくて、だってそれ「計画的」じゃないじゃん、と。お前の「計画」ってのはその程度のものなのか、と。
もちろん指し示す内容に異議はなく、偶発的事象(チャンス)に巡り会いやすい場所に行く、巡り会えるような行動を試みる、というのは、チャンスを手にする誰もがやっていることですよね。 我々日本人には古来より、このような行動を促す便利な言葉がありまして、「犬も歩けば棒に当たる」。

 そーだいさんへの質疑で @majimaccho_ さんが「自分は人付き合いとか苦手なほうでないと思っているが、こういうコミュニティで "仲間" に入れてもらうのにどうしたらいいか、その第一歩が良く分からない」という内容の質問をしていました。とても良い質問だな~と思って、講演後に声をかけさせてもらいました。そこから色々拡がりに繋がったようで良かったです。

 そーだいさんの話を聞きながら、こんなツイートをしていたのですが、まさにそんな出来事だったと言えるでしょう。
質問したからと言って確実に何かが起こるわけではないけど、たまたま私も majimaccho_ さんの近くの席(お隣でした!)に座っていて声をかけやすかったことは「運がよかった」事なのだろうなと思いました。

 もう一点、コミュニティっていう場は、企画する人がいて、発表する人がいて、参加する人がいて、楽しむ人がいて、話題にして拡げる人がいて成立するんだよ、という内容が、とても素敵な言葉で呼びかけとして書かれている発表資料を紹介しておきたいと思います。
YAPC翌日に大阪で開催された、PHPカンファレンス関西2024で @kotomin_m さんが発表されたものです(YAPC広島からの移動おつかれさまでした)。コミュニティ活動に興味がある人で、特に、どうしたらいいか分からないという人にぜひ読んでもらいたいです。


 そーだいさんの話が良すぎていっぱい書いてしまったのですが、このペースで書いていると終わらないので、他の講演についてはさらっと書かせてもらいます。すいません。

その他の講演
  • VISAカードの裏側と “手が掛かる” 決済システムの育て方(三谷さん)
    • 細かい話はすぐには分からないけど、とにかくトランザクションの現在ステータス無視で様々なステータス変更が来るカオスと、何が来ても自分たち側で対応するのだという覚悟が伝わってきました。生々しかったです。ベストスピーカー賞おめでとうございます!
  • awkでつくってわかる、Webアプリケーション(やんまーさん)
    • 昨年のRubuKaigiで知り合って、こうしてYAPCで講演聞いているのが不思議な気分でした(笑) 。 gawkTCP通信をちょっとやってみたよ、という話かと思ったら、1年以上かけて丹精に育て上げた結構な規模のシステムだったようで、すごい。
  • PerlでつくるフルスクラッチWebAuthn/パスキー認証(macopyさん)
    • ライブコーディングと聞いていたので、まぁ雰囲気楽しめれば良いかくらいの気持ちで聞き始めたのですが、しっかりと説明をしてくれて、その補完(具体的実装)としてライブコーディングをしてくれた構成がとても良かったです。このスピードでは見慣れぬコードを見てすぐに理解は追いつきませんでしたが、楽しかったです。
  • パネルディスカッション
    • 馴染んでいる方々による楽しいセッションでした。伝えたい内容を持っていて、お互いにそれをどうやって引き出そうかと工夫している様子がライブ感もりもりでした。

とほほさんのキーノート

 素晴らしい講演やディスカッションをたくさん聴かせてもらって大満足していたYAPC::Hiroshimaでしたが、最後の最後に とほほさんに全部持って行かれました(笑)。素晴らしかった。感動した。これについて書くにはこのエントリは狭すぎるので、とほほさんの講演や懇親会でのお話については別エントリを起こしたいと思います。とにかく、この講演を実現してくれたスタッフの方に、強く熱く高くお礼を申し上げたいです!
→以下のエントリとして書きました!
sakaik.hateblo.jp

ブースも充実

 講演の合間に、ブースエリアも回ってみました。ほどよい規模感でお話がしやすかったです。ブースのスタンプラリーをコンプリートするともらえる景品が「生もみじ」6個の詰め合わせセットと折り紙という立派なもので、恐縮しつつも嬉しかったです。家族でおいしくいただきました。

広島は堪能しなかった

 こういうエントリでは「広島を堪能しました!」と書くのがオヤクソクですが、実は今回あまり「広島」を堪能できませんでした。
前夜祭、体調不良から夜中に起き出して食べたのはとんこつラーメン(笑)。当日は朝に会場入りした後は一切外に出ず。宿が福山だったので二次会にも参加しないで広島を離れました。広島的な思い出というと、路面電車に乗ったことくらいかな。帰りの路面電車で、広島カープの選手が次の駅やお知らせ事項などをアナウンスしていたのが楽しかったです。
 実は3ヶ月ほど前に オープンソースカンファレンス(OSC)広島というイベントで広島を堪能したばかりでして、牡蠣食べ放題にお好み焼き。それもあって今回は広島的なものを味わわなくても悔しくないのかもしれません。うん。悔しくなんかないもん。まぁ、たまにはそういうのも良い。

なお、OSCは全国各地で開催していますので、いろんなコミュニティ横断で楽しんでみたい方はぜひ参加検討ください。私、結構こちらにも参加しております。(今度の3月の東京開催には参加できません)
event.ospn.jp
右上の「OSPN.jp」というリンクから、直近開催予定が見られます。

名札

 顔認識に自信がない私にとって、イベント名札は大変助かりました。興味関心を自由に書く欄もあったおかげで、初めての相手でも話題を開始しやすいなど、とても良かったです。 一点だけ改善点を挙げると、この名札を首から提げていると結構裏返ってしまうのですよね。裏返ると当然名前は見えない。ということで、裏側にも名前を書く欄があると良いなぁという提案でございます。少しだけ書く人も面倒になるのだけど、交流が発生しやすいメリットがあるので、各種イベント企画のみなさまにおかれましては「両面名札」、ぜひ検討いただけましたら! (裏面は今回のスタンプラリーの上部にも名前書く欄があると良いな、みたいな感じです)

コミュニティの仲の良さとオープンさと

 そのコミュニティを古くから支えてきた人たちや運営に尽力してきた人たちというのは、一般にとても仲良いものです。どのイベントでも、程度の差こそあれ、この仲良しグループで固まりがちになるのは当然のことと言えます。ただ、一部のイベントではそういった人たちの結束の高さ故に新参者が入り込みづらい空気ができあがっているのを見て残念に思うこともありました。
 が、今回の YAPC::Hiroshimaでは、そういったかたまりを全然感じなかったのです。もちろんスタッフさんや常連さん同士て仲良くしているのですが、しっかりと周りに気を配り、決して自分たちだけに籠もっていない様子で、とても居心地が良かったです。良いコミュニティだなぁ。

 あと、私もコミュニティイベントは大好きで、運営側に回ることもあります。人さまのイベントでは出しゃばらないようにしていますが、「あっ、これ(マイク持ったままでは)一本締めできない!」と思った瞬間に体が動いていました(笑)。勝手な事しましたが、とりあえず怒られなかったので、スタッフさん心が広い。ありがとうございました。



ブログは会のバロメータ

 その会がどんなに良かったのかは、終了後のブログの勢いに現れます。
YAPC::Hiroshimaでは、驚くほどの勢いでみんなブログを書いてくれました。最近は参加しっぱなしの人が多いなかで、こんなにブログが書かれるイベント、あまり見ません。今回のYAPCをみんなが如何ほど楽しんだのかがよく分かります。目に付いたものをリストアップしておきました。とりあえず順不同でベタっと貼っておきますが、あとで整理するかもしれません。 整理しました!(02/14 23:00)
 ざっと分類したので、間違っていたらすいません。特に、スポンサーさんなのにそういう扱いになっていない場合は大変失礼な話なのですが、何卒ご容赦いただけましたら。

参加者

https://note.com/ici_mici/n/ncb00d876e0f5
https://itkq.hatenablog.com/entry/2024/02/12/150729
https://blog.utgw.net/entry/2024/02/12/161533
https://zenn.dev/yuxki/articles/229028688b3f1b
https://randd.kwappa.net/2024/02/10/yapc-hiroshima-2024/
https://higaki.hatenablog.jp/entry/2024/02/12/221052
https://onsd.hatenablog.com/entry/2024/02/12/231136
https://note.com/sotarok/n/n8df0122dc9bf
https://blog.stenyan.jp/entry/2024/02/12/093353
https://kths.hatenablog.com/entry/yapc-2024
https://www.chirashiura.com/entry/2024/02/13/090000
https://shundeveloper.hatenablog.com/entry/2024/02/13/010756
https://decobisu.hatenablog.com/entry/2024/02/13/002759
https://asumikam.com/entry/2024/02/11/030234
https://k22360679.hatenablog.com/entry/2024/02/12/000642
https://blog.zuckey17.org/entry/2024/02/13/090000
https://blog.akiym.com/entry/2024/02/13/170839
https://blog.sugyan.com/entry/2024/02/13/230711
https://blog.cateiru.com/entry/2024/02/13/235620
https://sakaik.hateblo.jp/entry/20240210_yapc_hiroshima
https://sakaik.hateblo.jp/entry/20240210/yapc_tohoho
https://blog.pinkumohikan.com/entry/yapc-hiroshima-2024
https://gugod.org/2024/02/yapc-hiroshima/
https://blog.serizawa.me/p/yapchiroshima-2024-yapcjapan
https://back.hatenablog.com/entry/2024/02/14/175616
https://ytnobody.github.io/wyton/2024/02/15/2024-02-15-001/
https://the.kalaclista.com/posts/2024/02/15/143854/
https://nikkie-ftnext.hatenablog.com/entry/why-do-you-join-yapcjapan-nikkie-origin
https://kotomi1338.hatenablog.com/entry/yapcjapan-2024
https://osyoyu.com/blog/2024/02/15/232342
https://scrapbox.io/rebuild-kitashirakawa/YAPC::Hiroshima_2024%E3%81%AB%E5%8F%82%E5%8A%A0%E3%81%97%E3%81%A6%E3%81%8D%E3%81%BE%E3%81%97%E3%81%9F%E3%80%82
https://note.com/hirokiwa/n/n66806f8bd2cf
https://aose.hatenablog.jp/entry/yapc-hiroshima-2024
https://sogaoh.hatenablog.com/entry/2024/02/17/164430
https://zenn.dev/mj2mkt/articles/yapcjapan-2024-hiroshima
https://blog.lycolia.info/0275

Tweet(Xポスト)まとめ (Togetter)

https://togetter.com/li/2315256

発表資料

発表資料も、たくさん公開されています。時間帯ごとにリンク置いておきます。

発表資料(10時台)
発表資料(11時台)
発表資料(12時台)
発表資料(13時台:ランチセッション)
発表資料(14時台)
発表資料(15時台)
発表資料(その他)


一週間ほど、YAPC::Hiroshima関連ブログのリンクを集めて更新してきましたが、だいたい落ち着いてきた感もあるので、2024/02/18正午で更新終了します。
@toya さんもリンク集を作られていて、当エントリに漏れているリンクや今後更新されるリンクなどを見られると思いますので、併せて活用ください。





「○○までがYAPC

「家に帰るまでがYAPC」、「ブログを書くまでがYAPC」などと言われますが、一部のラッキーな人にとっては「六本木一丁目でお好み焼きを食べるまでがYAPC」なので、私のYAPCはまだ続きます。楽しみです。

 参加したことを光栄に思える、とても素敵な YAPC::Hiroshimaでした。ありがとうございました。

オープンソースカンファレンス(OSC)2024-Osaka参画

2024年1月27日に大阪は本町、大阪産業創造館で開催された、OSC 2024 Osaka(オープンソースカンファレンス2024大阪)に、日本MySQLユーザ会としてブース展示で参加してきました。
event.ospn.jp


今回のOSC大阪は、コロナ前と同様にブース展示+セミナーという形でフルサイズでの開催でした。まだ油断できる状況でないところではありますが、それでも「戻ってきた」という感覚を少しずつ得られるようになってきました。個人的にはセミナー45分枠というのは、しっかり学べるという点で良いのですが、もう少しライトに、半分くらいの時間で「紹介」を中心とした枠がいっぱいあると良いなぁと思ったりもしています。その紹介に興味を持ったら「続きはブースで」という形で。 色々考えることもあると思うので、なかなか実現しないのですが。


今回も色々なブースで新しい事を教えてもらったり、オラクMySQLチームさんのブースで、最近のMySQLリリースでGnuPGキーが変更になった件で色々教えてもらったり(これは結局、リリースノートにやり方が丁寧に書いてあったじゃんという話でもあったのですがw)、大変勉強になりました。

自分のブース=日本MySQLユーザ会(MyNA)のブース=では、私たちの長らくのOSC参加歴の中でもおそらく初めて、説明用のディスプレイを用意して、予め作成したスライドを流してみる試みをしてみました。立ち止まって見入ってくれた人もぼちぼちいて、まぁ用意して良かったかなと思いました。
私たちがこういったイベントにブースを出す目的、意義は「会話」にあるので、今回(私がバタバタしていたこともあって)あまり会話につなげていけなかったので、今後はディスプレイとチラシを元にして会話を作り出す工夫もしていきたいと感じました。


今回のOSCも昨年に引き続き「前後の旅程を利用して、あちこちに行く」作戦を敢行しました。往路は、大津にある北緯35度モニュメント視察を中心に琵琶湖疏水などを、帰路は新大阪から名古屋経由で東京に帰るなど(ただし紀伊半島まわり)。この辺りは例によってまた noteのほうにでも書こうと思います。

さて、個人的にはしばらくOSC空白期間となります。6月にあるであろう北海道を狙い目として、5月にあるかもしれない名古屋をどうしようかな、と言ったところでしょうか。今回もありがとうございました。次回以降もまたよろしくお願いします!