幸田露伴「努力論」に学ぶ

 最近至る所で露伴の名前を目にするようになった。いわゆるブームなのだろうか。そんなわけで興味を持ってたまたま目についたので手に取ったのがこの本。しかし著者のスタンスが結局最後まで見えてこなかったのが残念だった。露伴の言を引きそれに解説を加えることで読者の露伴に対する理解を深めさせたいという姿勢なのか、あるいは自分の持つ意見を前面に押し出すために露伴の言を引いているのか、という差である。 もしかすると少なくとも一度は努力論に目を通したことくらいはある人向けに書かれた本だったのかもしれない。
  


 「気」というものは不思議なものだ。散る気、張る気、弛む気、逸る気、亢る気、凝る気、という視点は非常に興味深い。同じ行動を行う場合でも気の持ちようによって変化するのだ。少し意識してみたいと思う。



 露伴については一度は原典に当たってみるべきかもしれない。努力論と並んでよく引かれる スマイルズの「自助論」も気になってきた。

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