OSC award を受賞しました

これまでのOSC開催に多大な貢献をしたので、このたび「第6回 OSC アワード」を受賞いたしました。ありがとうございます。

www.ospn.jp

それはなに?

 日本各地で開催されている「オープンソースカンファレンス(OSC)」に【多大な貢献】をした人に贈られる賞です。

公式サイトの案内より:

オープンソースカンファレンスは2004年9月の開催以来、全国各地で開催を重ね、通算160回以上を開催して参りました。
そして、2014年2月の第100回開催を記念して、これまでのOSC開催に多大な貢献をされた方を表彰する「OSCアワード」を設立し、過去に5回の表彰をしています。

どんな貢献をしたの?

 困ったことに、「貢献をしたぞ」と思えるような自覚症状が、ありません。勝手に、各地で開催されるOSCへと参加していただけです。モットーは「自分が楽しむ」であり、先日、OSCの主催者から「坂井さんが各地のOSCに参加するモチベーションって、なに?」と聞かれたときにも、「おいしいもん食べたいしー」「いろんな人に会えるしー」挙げ句には「OSCどーでもよくて、その前後がたのしー」なんて言い出す始末です。 
 とは言え、数は力で、結果としてOSCの盛りあがりの一部を構成していた面はあったのかもしれませんので、今回のご評価、ありがたく頂戴することにいたしました。

受賞理由(公式)

◆受賞者:日本MySQLユーザ会 坂井 恵
受賞理由:日本MySQLユーザ会として、全国各地のOSCに出展し、MySQLの認知・普及に務めるだけでなく、他のプロダクトとの交流を積極的に行い、オープンソースコミュニティの活性化に寄与しているため。

 とのことです。日本MySQLユーザ会(MyNA)として各地のOSCでブースを出展し、セミナーを開催してきたことを中心に評価をいただきました。
嬉しかったのは、「だけでなく」以降の部分です。

 コミュニティ活動というのは、ついウチにウチにと閉じこもりがちな面があります。そのほうが活動を続けていくうちに「おうち感」もできて来て気楽に感じるからです。多くの話が「承前」で通じる。そんな空間はとても居心地が良いのですが、一方でそういったコミュニティは、コミュニティとして成長しないと感じています。特に、前提をまだ共有できていない新しい人への対応は面倒くさく感じるものになるでしょうから、そういった空気を感じ取って、新しい人は入ってこない状態となります。入りたくても、定着しない。DBコミュニティ全体として、ただでさえ新しい人が増えにくい傾向がある中で、そうならないためには、前提条件を共有できていない人たちとの交流を普段から行っていることも一助となると考えています。

 また、あるターゲットを理解しようと思ったら、そのターゲット以外のことを知ることがとても有効です。外の世界を知ることで、そのターゲットの優れている点、不足している点、異常/特徴のある点などが初めて分かります。MySQLを知りたければMySQL以外を知れ、です。MySQLを隠すならDBMSの中に隠せ、です(ちょっと違う)。

 そんな考えから、「中に閉じないコミュニティ」は常に意識し、大切にしていた部分ではあるので、その点をしっかり見ていただいて評価をいただけたことを、本当に嬉しく思いました。

いっぱい行ったって、いったいどれくらい行ったぃ?

 2004年の東京(大久保)で開催された第1回の「オープンソースカンファレンス(OSC)2004」から、160回近くのOSCが開催されてきました。その中で、自分が確実に参加したと判明しているものだけを数えたところ、60近くありました。これが多いのか少ないのかは判断つきませんが、感覚的には「比較的多めのグループに入るんじゃないかなぁ」という気はします。
 初めての遠征(東京以外の地域のOSCへの参加)は、2007年に福岡の第1回が開催された時でした。このときの懇親会やOSC本編の中で、沢山の地元の方と仲良くなったのは勿論ですが、予想外の効果として他の地域から来た人たちとも「遠くからわざわざ来た奇特な仲間」という意識なのか、親密さが増したことがありました。これに味をしめたのでしょうね。年々、行く先が増えていきました。 行った先で会った地元の方が、今度は別の地域のOSCに参加してくれるようになるシーンにも何度も出会い、嬉しかったものです。こんな「横の交流」に魅力を感じるところも、私らしいな、と、受賞理由をいただきながら思いました。

余談: SD誌 最多出場?

 ブラタモリのテーマ風に言えば「OSCの楽しみは ゼンゴ にあり!?」。
現地には前日入りすることが多いので、当然「前夜祭」があります。公にはない場合もありますが、その場合は遠方から参加する人どうしで連絡を取り合って、勝手に前夜祭をやります。これがまた楽しいんだ。わざわざ遠方から参加するような人たちですから、経験も話題もたくさん持っていて、色んな話を聞かせてもらえるし、地元のおいしいお酒も飲めるし、比較的少人数なので、ガッツリ交流もできます。 あまりに前夜祭が楽しいので、前夜祭終わりかけの頃になると「いや~今回も、いいOSCだった~!!」と口に出すのが恒例のようになってしまったくらいです。 (そして「まだ終わってない!っていうか始まってないから!」とツッコんでもらうまでがお約束。 でも最近は、ちょっと言い過ぎているかなと思うところもあり、少しだけ、自粛していますw)

 前夜祭や、当日懇親会後の二次会など、大概は、主催の宮原さん*1 とも一緒に行動することが多いのですが、宮原さんの選店眼にはいつもうならされます。私なら絶対に選べないようなお店をぴたっと見つけてくる。本当に素敵なお店ばかり。
 宮原さんは Software Design 誌に「オープンソース放浪記」という連載をしていて、そこでは、OSCやその他のイベントで訪問した各地の、観光や飲食を中心に紹介しています。呑んだお店での自撮り写真を掲載するので、一緒に行動している私も写真に写り込んだりすることが多くあり、宮原さんからも「SD誌最多登場」のお墨付きをいただいてしまいました(ちゃんと数えてはいませんが、確かにダントツで多い気はします(笑))。たいへん光栄なことです:-)
 

今後

 色々と少し増やしすぎたとの感もあり、少し活動の種類を落ち着かせる予定です。実は昨年末に周りの人たちにも「少し減らす予定」と伝えたところだったので、今回の受賞の連絡をいただいたときには「いままでご苦労さん、の、卒業記念の意味合いもあるのかな」などと頭をよぎったのですが、何のことはない「もっとやれ」でした(笑)。

 とは言え、時間の面、経済的な面での負担も感じるようになってきたことと、概ね代わり映えしない事も増えてきたので、活動のフレームを少し変えていこうと考えています。

 OSCについては、最近は「とにかく行く!」をデフォルトとして行動して来た面があるので、今後はもう少し目的意識を持っての参加をするつもりです。
2019年は以下の条件に合致する場合に参加を検討する感じにする予定です。

  • どうしても伝えたい内容がある場合(2018年の GIS入門的な)
  • どうしても会いたい人がいる場合(そのタイミング、その場所でないとならない場合)
  • 前後の日程で、お仕事に関係する話がその地域である場合(お引き合いお待ちしています)
  • 前後にとっても「寄り道」したい場所がある場合
  • 北海道


 OSC以外の活動については、MySQLユーザ会自体のイベントに充てられる時間をもう少し増やしたいなと考えています。私が魅力を感じているのは、交流を中心としたもので、つまり、参加者が一度も口を開かないで帰るようなものではなく、おしゃべりして帰ってもらえるようなものなので、そういうのをやりたいですね。昨年末に赤坂で開催したような「呑み交流会」も、またやりたいです(費用面でドキドキするのですが、前回はドタキャン/無断キャンが1人もなく、大変助かりました!ありがとうございます!今後の開催でも宜しくお願いします!)。
 あと、今回受賞理由にもなっている「横のつながり」は、やっぱり楽しいので、「RDBMS的な会食」も具体的に検討をはじめています。開催の折にはご参加/ご協力よろしくお願いします。

まとめ

 思うままに書き綴ったので、全然まとまっていませんが、根底にある思いを個条書きにすると:

  • 技術イベント(特にここではOSC)、楽しいよ。参加したことがない方はぜひ覗いてごらん
  • 既にイベントに参加している方は、他のコミュニティ、他の地域などを覗いてごらん
  • MySQLユーザの皆さんは、OSCブース番、やってみませんか。更にはMySQLユーザ会の枠でセミナー担当してみませんか(twitter @sakaik まで連絡ください。一応条件としては「MySQLをそこそこ好きであること」「(セミナーの場合は)MySQLの魅力を伝えたいと思っていること」くらいです)
  • 宮原さんいつもおいしい料理をありがとう!


 そんなわけで、ちょっと違うことをやりたいなと暖めている事もいくつかあり、今後とも引き続き、よろしくおつきあいの程をお願い申し上げます。
ありがとうございました。
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*1:そういや宮原さんを語るときの肩書きがいつも迷います。「主催者」「事務局トップ」「発起人」など時に応じて色々ありますが、まぁ親しみを込めて「ボス」といったあたりでしょうか