本は10冊同時に読め!

本は10冊同時に読め!―本を読まない人はサルである!生き方に差がつく「超並列」読書術 (知的生きかた文庫)
本は10冊同時に読め!―本を読まない人はサルである!生き方に差がつく「超並列」読書術 (知的生きかた文庫)


 元マイクロソフト社長、その後インスパイアを立ち上げた成毛眞さんの本。本を読まない奴はサルだとかアホだとか、口が悪い悪い(笑)。読んでいて気分悪くなる人も多いんじゃないかな、と思う。本文中のあたかも自分の考え方だけが世の中で唯一の真実だと言わんばかりの自信に満ちあふれた表現で他者をバッサバッサ斬っていくのは小気味よくもある。


 本が大好きで、「自分のために」本があると信じていて、疑似体験をするために本を読んでいる、という点をはじめとして、考え方には共感できる部分がたくさんあった。遊ぶにもとことん本気で向き合っちゃうところなど、やっている方向は異なる部分もあるが心底の部分で何かつながるものがあるような気がして、嬉しい気持ちで読み進めた。


 前述の通り、とにかく自分の思い込みで断定を繰り返す非常に偏った本なのであるがそれが、目の前に成毛さんが居て「お前な、本っていうのはな、、」と飲みながら語ってくれているような臨場感を演出してくれていたように思う。成毛さん、なんだか会ってみたくなってきちゃったなぁ〜(すっごい気分悪い思いして帰ってきそうな気もするけど、それも一興)。


 前半で、本を読まない人の「想像力の欠如」をあざ笑いながらも、後半では酔いがまわってきたのか、梶井基次郎の檸檬を読んだ時の自らの想像力の欠如を開き直りとも言える言い方で告白しているのはご愛敬といったところか。
 さすがビジネスのプロ。ムダを省いた本質をばっさばっさと書いてくれているので非常に読みやすい本になっている。ダイレクトに言いたいことが伝わってくる。さらに値段も500円台と、安い。 私は他の本との平行読み(1章ごとに交互に読む)で計120分程度の電車往復内で読了したくらい読みやすい本なので、共感したい人、あるいは他人の読書感がどうなっているか知りたい人は一読してみると良いと思う。 これまで本を読むことに対しあまり真摯に向き合ってこなかった方はこの本で背筋を伸ばしてもらうのも良いかもしれない。


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