待望の「プリザンターの本」が出版されました。
 ノーコード/ローコードツールのOSSとして知られる、あるいはまだ知られていない プリザンターですが、企業や団体などでの情報共有のシステムを構築できるツールです。私自身は今、このツールを活用できるような継続的な情報共有チームを持っていないので、実はプリザンターを使う機会があまりないのですが、それでもさまざまな経緯からとても注目しています。
 会社内での共有情報の置き場に悩んでいる方は、まずは使い方を知ってみて損はないと思います。身も蓋もない言い方をしてしまえば、データを管理したい項目を決めて、みんなで登録したり更新したり、あるいはユーザ(ログインして使います)に応じて、見えたり見えなかったり、特定の更新ができたり(ワークフローの実現)できなかったりなどの設定ができる「だけ」のツールです。難しくないと言えば難しくないし、自由度が高すぎて迷子になるとも言えばそうかもしれないツールです。それだけに、今回このように書籍が発刊されたことは、プリザンターに興味を持った人の最初の数歩を導いてくれるものとして、とても大きいと言えるのではないでしょうか。
 個人的にも注目し、応援しているツールですので、この機会に個人的な思い出語りを少ししましょうか。ここから後ろは単なる読み物です。
プリザンターとの出会い
 このブログを時々見てくれている人はご存じのとおりですが、私はよく「オープンソースカンファレンス(OSC)」というイベントに参加しています(ぜひ過去記事など眺めてみてください)。OSCへは日本MySQLユーザ会のブースを出したりセミナーでお話したりしているのですが、ずっと参加していると、顔なじみのブースというのが増えてきます。そんな中である時「新顔」のブースが目に留まりました。オレンジ色のシャツを着て、オレンジ色のブースクロス(テーブルクロス)でブースを出している活気のあるブースです(心の中で勝手に「オレンジ集団」と呼んでいました)。自分のブースやセミナーのことや、馴染みブースへのご挨拶回りを優先していて、なかなかお話に伺えなかったのですが、いつもどこに行ってもいる「オレンジ集団」への興味が勝り、OSC新潟でお互いがブース準備を終えた頃を見計らってご挨拶に伺いました(先日内田さんと話した際に「最初に会ったのは島根ですよね」と申し上げましたが、この時の新潟が最初だったかもしれません。前日にPostgreSQLカンファレンスで別の皆さんがブースを出されていたのに続いてのOSCでのご挨拶だったような記憶が戻ってきました)。
 以来、おつきあいをさせていただいています。
 
MySQLに対応していないプリザンター(当時)
 私の立ち位置としては一応「日本MySQLユーザ会の人」ですので、プリザンターがPostgreSQLとSQL Serverだけに対応しているという点は、おいしいツッッコミどころでした(笑)。 「MySQLに対応していないプリザンター」というキャッチコピー(こら!)は、いじりポイント。
 本音としては、この手のツールを使う場合は対応しているRDBMSを用意して使えば良いだけの話で、PostgreSQLだから使うのをやめるとか、MySQLならプリザンターを採用しようとか、そういうものではないので、特段「MySQLに対応してないからダメだ」とかいうわけではなく、むしろ今 動く環境があるならそれで良いではないかと思い、実際にいじった後にもそのようにお伝えしていました。まぁ語彙朝積みたいなものですね。
プリザンターラウンジでイベント、そして
 プリザンターを開発しているインプリムさんは、ビル内に執務用のフロアに加えて、会議やイベントを行える場所としてもう1フロアを借りていて、そのスペースをイベントを行いたいOSSコミュニティなどにも貸してくれます。プリザンター・ラウンジと言います。ちょうどコロナ後でそろそろオフラインイベントも再開していきたなと思っていたタイミングでもあり、日本MySQLユーザ会の(超久々の)オフラインイベントでお借りすることにしました。「MySQLに対応していないプリザンター」なのに、です。
 主催者として少し早めに会場に着いて準備をしている際に目に入ったのが、投影準備中のスライド。 本当はプレゼン中に突然発表して坂井を驚かせようとしたらしいのですが、イベントの進行役としては開始前に知っておいて良かったです。おかげで、イベントの前半でプリザンターを紹介する際には、安心していつもよりも強調気味に「MySQLに対応していないプリザンター」と紹介できました(さすがに本当に対応しないままだったら、強調しすぎるのはイヤラシイのでもっと控えめにやっていました)。
 そしてお願いしていたプレゼン。淡々とプリザンターの機能や技術的バックグラウンドを解説してくれています。MSSQLとPostgreSQLに対応しているプリザンターの技術を。・・・・と突然「予告」と! 「次に出るバージョンでプリザンターはMySQLに対応します!」。にわかにざわめく会場。途端に泣き崩れる嫁。 あぁこれは別のテンプレでした。
 そこからは、話を聞いていた人たちの顔つきが変わりましたね(笑)。 MSSQLやPostgreSQLでは動作したのにMySQLでは動かないもの、動きが違うものなどの話を聞きながら、うずうずしている様子でした。
 イベントに会場を提供していただけるだけでも大感謝なのに、こんな「おみやげ」まで用意していただいて、最高のイベントとなりました。ありがとうございました。対応RDBMSが増えてもユーザが増えるわけじゃないし、と冒頭で書きましたが、対応したことでこんなに反応があって覚えてもらえるケースもあるのだなという体験をさせていただきました。
 この時の話は当時、以下のブログにも書きました。
sakaik.hateblo.jp
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