つらぬく経営〜池内タオル

「つらぬく」経営-世界で評価・池内タオル

「つらぬく」経営-世界で評価・池内タオル

 今治のタオルメーカー「池内タオル」(ブランド名IKT)の社長の池内計司氏の本。会社を急遽引き継ぐことになる前後の話から、民再適用、自社ブランド構築のブランド確立や安全で心地良いタオルに対するこだわりまでが記されています。
 IKTは「風で織るタオル」のキャッチコピーでも知られているそうで、これはグリーンなんとかという機構にお金を出すことで名目上「風力発電で起こした電気を使っている」ことになる仕組みで、たしかはてなもこれ、やっていましたよね。
 実を言うと「廃棄物を出さない」とか「外のある薬品を商品につけたまま売らない」という方向ならともかく、実態の見えない「アピール・エコ」に対しては胡散臭い物を感じているのですが、その疑心を見破るかのように池内さんが言うのは「それが独りよがりだったり、説教じみてしまっているのはいただけません。変な押しつけがましさは、出来る限りなくしていきたいのです。」や「(商品自体を気に入って)よく見たら"グリーン電力商品だった"(あるいはオーガニックだった)というさりげなさが私の理想なのです」など、あ、この方はエコを宣伝文句に使ってないなと、好きになってしまいました。 (「風で織るタオル」なんておもいっきり宣伝文句に使っていますが、他の方がそう呼んでくれていつの間にか定着したのなら、それを使わない手はないというのは商売として基本であることは私も同意します)


 決してコンピュータを使いこなすほどお若い世代でもないのに、メールや掲示板へのフォローなどを自ら行う足腰の軽さ。そしてエピソードのひとつひとつから伝わってくる実直なお人柄。 努力に加えて様々な好条件も重なって成功されましたが、もしまた危機があっても誰かが助けてくれる、そんな会社トップの姿を池内氏に感じました。 都内で講演会等があれば足を運んでみたいなぁ。。


 そんなわけで、今までタオルにそれほどこだわったことはないのですが、まずは自分で手に触れてみたくなり、早速IKTのタオルを注文しました。注文確認メール(自動)がすぐに来たけどちょっと紛らわしい部分や改善提案などがあるから、メールで連絡してみようかしらん。そんなことをつい考えてしまう会社だと(本書からは)感じました。 (通常は説明するのも面倒だし、意味がわからなくもないので連絡などしないものですが、連絡すればきっと検討してくれて、意味のある提案と判断されれば改善してくれる、連絡の手間を無駄にはしない、そんな気がするのです)


○池内タオル
http://www.ikeuchitowel.com/ikt/




追記:先日読んだ「グランズウェル」で採り上げられているようなことをごく自然に着実に続けることで、ファンを増やしてきた池内氏を見て、「グランズウェル」に漠然と感じていた違和感が判りました。 モノはある、誠実な気持ちもある、その上での「グランズウェル」な展開があるべきところを、あの本では「とにかく顧客を巻き込め、その気にさせろ」という部分だけを取り出して述べられていることに対する違和感だったのです。もちろん「グランズウェル」著者たちにそのような意図がないことは明白ですが、彼らが重要視する部分だけをピックアップしてまとめられた本を読んで勘違いする読者も多かろうことは想像に難くありません。
http://d.hatena.ne.jp/sakaik/20090423/p1

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