スクエアfreeセミナー#140で登記所備付地図の紹介をしてきました

2023/03/23に開催された「第140回スクエアfreeセミナー」に呼んでいただき、講演をいたしました。


www.opensquare.co.jp
(上のURLで今回(第140回)の情報が見えない場合はこちらで http://www.corcocu.co.jp/news/2023030601/SquareFreeSeminar_stanza140.html)

第140回セミナー: 地図情報が世界を変える

1.「『登記所備付地図XMLデータ』に触れてみよう」〜法務省が公開した大規模オープンデータとは一体何なのか〜
講師:坂井 恵 様(OSGeo日本支部(OSGeo.JP) 運営委員 日本MySQLユーザ会 副代表)


 2023年1月、法務省が「登記所備付地図」のXMLデータの無償公開を開始しました。一部で話題のこのデータは一体どういうものなのか。公開後のデータを見てすっかり虜にになってしまった「(自称)超濃厚なニワカ」の講演者が、基礎からじっくりと紹介します。



2.「自由に使えるソフトウェアで地図情報を活用しよう」〜オープンな地図情報技術ーFOSS4Gの世界〜
講師:井口 奏大 様(株式会社MIERUNE MapLibre User Group Japan voting member)
著書:位置情報エンジニア養成講座(秀和システム


 近年のシステム開発ではオープンソースソフトウェア(OSS)は当たり前に利用されるようになりましたが、地図情報分野では、この分野の性質からか古くからOSS文化が根付いており、FOSS4G(フォスフォージー)というコミュニティで多くの参加者が活発に活動しています。本発表では、地図情報とFOSS4Gについて説明しつつ、自由に使えるGIS(地理情報システム)である「QGIS」などを例に、地図情報の活用方法を紹介します。

 たくさんの方にご参加いただき、いままで「登記所備付地図データ」を知らなかった方にも、それが一体何なのかをお伝えできたのではないかと思っています。 2月にこのデータに興味を持ってから私自身が学ばせてもらったたくさんの成果を披露する機会をいただけました。興味を持って情報に触れてきたから今回言えるようになった「登記所にある紙のあの地図をデジタル化した "だけ" だよ」というお話。まだまだ知らないことがたくさんあるので、もっと知って、もっと面白い話を語れるようになりたいと思っています。

 今回一緒に講演してくださった「位置情報エンジニア養成講座」本(通称 #位置エン本)著者の井口さんのお話も、たいへん勉強になりました。特に、他の人が QGIS を操作しているところを目にすることが私はほとんどなかったので、ちゃんと分かっている人が、どこに何があって、どんなデータをどう操作しようとしていて、どんな結果を得ようとしているのかを完全に理解してサクサク操作している感じがとても新鮮でした。全部は着いて行ききれなかったけど(途中で気になることがあると妄想モードに入ってしまい置いて行かれる(笑))、「分かっている人が操作する感覚」を見せてもらったので今後に生きてくる気がします。

 放課後モードでも、たくさんのことを教えていただきました。なんか俺得な会でした。

  • とりあえず興味を持って触ってみている MapLibre。速度面でも優位があるようで(GPUを使ってくれるらしい)、選択は間違っていなかったと今後自信を持って進めることができそうです
  • 「私のQGIS」の遅さを披露したら、一発で「地物数が多すぎるのでは」とのご指摘。はい。自分の移動をGPS(eTrex)で記録した大量のポイントデータを表示しようとしていました。とりあえず、eTrexから落としてきた状態の gpxファイルをそのまま使うのをやめて、GeoPackageにしたらとの助言をいただいたので、やってみたいと思います(その他 shape や FlatGeobufも可)
  • 位置エン本は早速増刷がかかったそうで、おめでとうございます。興味ある人たちに本書がさらに広がり、この本の情報の「続き」を求める人が増えてきた頃に、更に上の段階の本が出てくることを期待しています!

 このたびは講演の機会をいただき、また色々な方とお話する機会をいただきありがとうございました。
私の資料はこちらに公開しています。
speakerdeck.com

井口さんの発表資料はこちら。
docs.google.com


そのうち動画も公開されるようです。


最後に、今回の発表資料から1枚。このあたりが改善されると、進化も更に早くなるんじゃないかなと考えています。今回まずはデータが公開されたことに最大のリスペクトをした上で、更なる進化を期待しています。